「かみかさ」第26話
数日後。
燈郎は仕事を終え、自宅に戻ると、真巳から燈郎に電話があった。
「今、市営体育館にいる。兄貴ごめん。バッシュ忘れたから、持って来てくれないかな。」
「えっ。」
「雨も降ってきたし迎えに来て欲しい。」
「帰ってきたばっかなんだけど。」
「二つも理由がるんだから、お願いします。」
「ん。わかった。」
バッシュを持って車で迎えに行った。
体育館に着いた。コートを覗く。
弟の栄成大学の男子バスケ部の横で女子も練習している。
「真巳いた。気づけよ。」
視線を刺した。
「練習を、スニーカーでやってんじゃん。」
真巳が気づいて、燈郎の元にやってきた。
「ごめん。兄貴。」
「スニーカーで練習してるじゃん。」
「洗って使ってる。練習終わるの9時までだから待ってて。ごめん。
確かにザザ降りだ。
真巳は練習に戻った。
隣の女子のコートに、いのりさんを探した。
いたのだ。
大学の練習会場は大学とは限らない。
隣のコートが別のスポーツの時もある。
車に戻るという選択肢もあったが、体育館の2階に行って、いのりさんを見ていた。
綺麗に軽やかに踊っているようだった。
美しい。
揺れているポニーテールが自分が切った髪なんだと誇り思った。
見つけた幸せ
私の腕の中で
成長する
キラキラと
輝いていく
それを
愛と呼んだ
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ごめんなさい。詩に夢も憧れもありません。できる事をしよう。書き出すしかない。書き出す努力してる。結構苦しい。でも、一生書き出す覚悟はできた。最期までお付き合いいただけますか?