いのちのエンジニア|病院だけじゃない!臨床工学技士の働き方
いのちのエンジニア ー 臨床工学技士は医療機器を通じて「いのち」を支える存在です。医師や看護師といった医療の国家資格のひとつで、今の医療には欠かせません。でも臨床工学技士のシゴトって、病院に勤めるだけではなく、様々な働き方があるんですよ。どんな道があるのかいくつかご紹介していきます。
1.医療機器メーカ
医療機器を通じて「いのち」を支える臨床工学技士ですが、その医療機器に病院ではないところから関わる人がいます。それは医療機器メーカです。
医療機器メーカには医療機器や消耗品の製造、販売、技術・情報提供、メンテナンス、営業、開発など様々な役割があります。医療機器メーカに働く人の中には、臨床工学技士の国家資格を持っている人がいます。
臨床工学技士の資格を持つ人が医療機器メーカへ就職するには、2パターンあります。①臨床工学技士の養成校を卒業後に就職する人、もしくは②病院で勤務してから転職する人がいます。
病院で医療機器を扱う医師や臨床工学技士にとって、医療機器メーカの人との関わりはとても重要です。医療機器の使い方や不具合時の対応、新製品の情報など、お互いにコミュニケーションは欠かせません。
そのコミュニケーションのために医療機器メーカの人も、医療職と同等に医療の言葉で会話ができることが重要です。そのメーカの扱う医療機器に限らず、広く様々な知識が求められます。医療現場を知っている臨床工学技士はとても有利なのです。
他にも医療機器のトラブルやメンテナンス等で、病院内で技術提供を行うシゴトも重要です。こちらも病院での勤務経験を活かして、医療機器メーカに転職する人も見聞きします。臨床工学技士の知識や考え方、テクニックを活かす場は、病院に勤めるだけでなく、医療機器メーカという選択肢もあります。
2.公的機関
国内の様々な公的機関のうち、PMDAとJICAについてご紹介します。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
国民の健康の維持・向上に貢献する業務を行う機関です。
このPMDAの業務・目的にでてくる医療機器と安全。このキーワードといえばやはり臨床工学技士ですよね。臨床工学技士の知識や考え方、経験を活かして、こういった公的機関で働く人もいるんですよ。
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独立行政法人国際協力機構(JICA)
青年海外協力隊と言った方がイメージしやすいでしょうか。「人を通じた国際協力」を通じて様々な活動をしており、その中には医療に関わるシゴトがあります。
臨床工学技士の役割は、日本で発展してきた臨床工学技士制度を、世界に向けて発信し、開発途上国で様々な貢献をして行くことにあります。現地の病院において、医療機器のメンテナンス、管理、技師への機材使用に関する助言の他、実習生や地方病院の医療機器テクニシャンの育成を支援するなどの活動が行われています。
この活動には臨床工学技士として病院等での一定の経験が必要ですが、国際協力に興味を持つ人や語学力も活かしてみたいという人にも広がる選択肢ではないでしょうか。
さらには国際緊急援助隊(JDR)の医療チームへ加わることもあります。JDRは海外における大規模な災害に対して国際緊急援助活動を行っています。臨床工学技士もこれに加わり、その専門性を活かして被災者の診療等に携わっています。
3.他にもいろいろ
臨床工学技士を活かしたシゴトの場はまだまだあります。
● 教育、研究機関
医療に工学の目線から関わっていく学問には、生体工学とか医用工学といった領域もあります。このような分野の大学や研究機関に所属するという道もあります。他にも医学部に所属して教育・研究に関わる人、もちろん臨床工学技士の養成校の先生もここに入りますね。
紹介しきれませんので、羅列だけ。
● 行政
● 出版社
● ライター
● フリーランス
● 経営者(医院)
● 起業
・・・などなど。
4.まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
医療機器を通じて「いのち」を支える臨床工学技士。病院の中の様々なところで「いのち」に関わるシゴトをしています。しかし、臨床工学技士が働くのは病院だけではありません。様々な領域で活躍する臨床工学技士がたくさんいます。
臨床工学技士には大きな可能性が秘められています。その活躍の場は多岐にわたります。次に新たな道を開拓していくのは、あなたかもしれません。
日本の臨床工学技士の団体である日本臨床工学技士会のサイトでも青年海外協力隊で活躍する臨床工学技士の活動が紹介されていました。👇こちらもぜひご覧ください👇