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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2022年2月の記事一覧

2000年前後のR&Bをめぐる思い出

 NFLハーフタイムショーの興奮冷めやらぬ状態です。メアリー・J・ブライジからのケンドリック・ラマー、そしてエミネム、素晴らしかったですね。もちろん、ドレーもスヌープも50セントも良かった。  さて、先日来、星野源の番組がJ・ディラおよびディ・アンジェロを取り上げたことがきっかけで、Twitterで日本におけるネオ・ソウルの受容が議論されています。このあたりの話を眺めていたら、高校生(1999-2001)だった当時の記憶がフラッシュバックしたので、その記憶を書いておきます。こ

デヴィッドボウイ全アルバム聴いてみた

こないだ久しぶりに京都に行ってみたら、思いの外車の運転は荒いし寒いし怪我するしであまり生活には向いてないなと思ってしまいました、三代目齋藤飛鳥涼です。 さてもう2月に入ってしまいましたが、年明けで新譜のリリースも無いことだし、これを機に誰かの作品を一気に聴いてみようってなったわけです。 そんなわけで今回は久しぶりの脳筋アルバムランキング企画ということで、イギリスが生んだ稀代のカリスマことデヴィッドボウイ編です。 デヴィッドボウイに対する雑感ランキング発表の前にデヴィッド

著書『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』4刷重版好評発売中!

空前のリバイバル! 全世界で鳴り響いている「シティポップ」 その熱狂を凝縮した、入門書にして決定版 星海社新書『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』 2022年2月22日より発売! カバー装画:鈴木英人 (書誌情報) 星海社新書『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』 著者: 栗本斉(くりもと・ひとし) ページ数:256ページ 発売日:2022年2月22日(火)*お住まいの地域により発売日は異なります 定価:1000円(税別) 販売サイト:https:

「生っぽさこそが大事」松隈ケンタに聞く、BiSHの作り方

「楽器を持たないパンクバンド」として知られるBiSH。サウンドプロデュースをつとめる松隈ケンタさんは、「僕が大事にしているのは『生っぽさ』。そこを聴いてほしい」と語る。 BiSHの音楽は、どのようなこだわりのもとに生まれているのか? 主にボーカル面に焦点を当てながら、レコーディング時の考え方やメンバーの声の魅力など、BiSHの音楽について松隈さんと一緒に紐解いていく。 <取材・編集 小沢あや(ピース株式会社) / 構成 山田宗太朗> BiSHの歌割りがひとりに偏らない理由

ウクレレから考える、19〜20世紀のハワイ音楽史①

イントロ~フランダンスとAOR  友人が、娘の習い事のフラダンスに付き合ううちに、フラの音楽自体に興味をもちだしたという。  その友人は、そもそも音楽好きであり、カラパナ~マッキー・フェアリー・バンドやカントリーコンフォート、セシリオ&カポノといった、スムースなハワイアンAORを、私よりもずっと熱心に聴いていた。それに、1970年代にハワイアンの要素を取り込んだ、ライ・クーダー、細野晴臣、久保田麻琴と夕焼け楽団(のちのサンディー&ザ・サンセッツ)のファンでもあった。だから

「ヴードゥー」の音響とその先にあるもの

 このところ改めて、録音エンジニアのラッセル・エレヴァードの名前が気になっている。ディアンジェロの復活作「ブラック・メサイア」はもちろんだが(すでに7年も前か)、近年の注目を集めているミュージシャンたち、例えばカマシ・ワシントン、ジョン・バティステ、トム・ミッシュ&ユセフ・デイズらの新作で、ミックスや録音を担当しているからだ。  なかでも個人的にハマったのがバッドバッドノットグッド(BBNG)の「トーク・メモリー」だった。  エレヴァードの仕事については、昨年本作リリース

ムーンチャイルドの新作を聴いて、改めて感じる前作の比類なき美しさ

「スターフルーツ」での変化  ムーンチャイルドの新作「スターフルーツ」が発売された。先行で公開されていた曲を聴いて楽しみにしていた通り、穏やかでチルなムーンチャイルドらしさはそのままに、楽曲はバラエティに富む内容。ゲストラッパーやシンガーを迎えた「歌もの」アルバムであり、そのためかこれまでのムーンチャイルドよりも、「バンド」としてサウンドをおさまりよくまとめる方向に制作されていると感じた。  サウンドの方向性、または、コロナ禍による影響は、クレジットの違いからも読み取れる

SASAMI "Squeeze"

アメリカ・ロサンゼルス出身のシンガーソングライターによる、約3年ぶりフルレンス2作目。 情報の整理。SASAMI こと Sasami Ashworth はイーストマン音楽学校で主にクラシック音楽を学び、2012年に卒業した後は音楽教師を務めたり CM や映画の音楽を手掛けたりと、言ってみれば由緒正しい音楽家としてのキャリアを積み重ねた後、2015年にロックバンド Cherry Glazerr に加入。その時の音楽性は The Breeders を彷彿とさせる、エネルギッシュ

2022年おすすめ国内新譜アルバムVol. 2: DJ Whitesmith & 6-SenS、lil beamz、7SEEDS & GREEN ASSASSIN DOLLAR

国内新譜アルバム紹介Vol. 2です。 今回紹介するのは、DJ Whitesmith & 6-SenS「Bathroom」、lil beamz「LIL BEAMZ 3.0」、7SEEDS & GREEN ASSASSIN DOLLAR「FLIP & DRAW」です。 DJ Whitesmith & 6-SenS「Bathroom」 DJ BAKUやRUMIなどの作品への参加でも知られるDJ Whitesmithと、DRSの6-SenSによるスプリット作。DRSについては以

¥100

青春という名のKPOP Vol.62 ~TWICE、ITZYに続くJYPの超絶実力派グループの進化が止まらない!【5/3/23記事更新】

ついにKPOPガールズ第4世代戦争に真打ちが登場する。 JYPエンターテインメントよりITZY以来3年ぶりの大型新人ガールズグループとして、シングル「AD MARE」でデビューする。 そして、タイトル曲「O.O」のMVが本日公開! グループ名の「NMIXX」は、「now」「new」「next」や未知数「n」を意味する文字「N」と、「組み合わせ」や「多様性」を象徴する「MIX」を組み合わせた造語で、「新しい時代を担当する最上の組み合わせ」という意味を持っているそうだ。公式

20代ひとりでも入れる、おすすめのミュージックバーin東京

いい音楽と美味しいお酒を楽しみたい。 そう思い、ミュージックバーの存在を知った方もいらっしゃるでしょう。 とはいえ、ひとりでミュージックバーに行くのは勇気がいりますよね。 かつての私も「ちょっと怖いなー、どうしようかなー」等と思っておりました。恥ずかしながら、他のお店で一杯飲んで少し酔ってから行ったことすらあります。 私の知る限り、ミュージックバーは雑居ビルに位置しがちなので入るのに余計勇気がいります。ただ、今になって思うのは「入ったもの勝ち」ということ。イヤホンで聴

米津玄師、藤井風、椎名林檎、キタニタツヤ、新東京、SexyZone、TWICEまで  気になるあの曲たちの共通点

聴いてきた歌モノは、ずっと洋楽中心だった。流行りのJ-popには当然疎く、知っているのはテレビCMかドラマの挿入歌ぐらい。2年ほど前、藤井風の「丸の内サディスティック(弾き逃げ)」に出会うまでは。 藤井風「丸の内サディスティック(弾き逃げ)」 藤井風を聴くようになってから、派生して近い雰囲気のJ-POPアーティストも聴くようになった。椎名林檎は知っていたし、ライブにも行ったことがある。だが、アルバム全体を通して聴くことは、それほど多くはなかった。 「洋楽っぽい」という形

「僕の人生を変えた人」が亡くなった ~ポーランド・ジャズに未来をもたらした天才Zbigniew Namysłowski~

近いうちにこの日が来ると思っていた。だから悲しくはない。ただ、予想より少し早かったかなというのが正直な気持ちだ。 戦後ポーランド・ジャズ黎明期の50年代から活躍し、ポーランドをヨーロッパ有数のジャズ大国へと押し上げた立役者の一人で、サックス奏者・作編曲家のZbigniew Namysłowski ズビグニェフ・ナミスウォフスキが亡くなった。現地時間2月7日、享年82だった。 ここから先は親しみを込めて「ナミさん」と呼ぶことにする。ナミさんはポーランドのジャズ・シーンを進化

人生最初に刺さった音楽は絵本の付録だった...

 自分の人生で一番最初に「刺さった」音楽を思い出してみると、実はダークダックスの歌だったわけなんです。そのころ家にちっちゃな、おもちゃのようなレコードプレイヤーがあって、そこにソノシートをかけてよくその曲を聴いていたんですね。  曲は、「ビリビリ」というタイトルの軽快な曲で、メロディも良く覚えてます。ダークダックスの渋い歌声、コーラスで、こんな歌詞が歌われていたんです。 それービリビリ やれービリビリ そろった、そろったよ 16そろった 走れビリビリ、ビリビリ 歌えビリビ