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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2021年9月の記事一覧

1980年代終盤から1990年代初頭の女性アイドル・ポップスの完成度 #2〜Qlair

「note」でメインに綴っているニッチなクラシック音楽や古い音盤の記事が、それほど多くの方の反応を得られないことは想定内であったが、先日初めて日本のアイドル・ポップスに関する記事をアップしたら50名近くの方から❤️をいただいている。クラシックの記事の約15倍だ。 喜んでいやら悲しんでいいやら・・・。

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女王アリーサ・フランクリンの「リスペクト」が第1位に!ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高の500曲」2021年版

ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高の500曲」が2021年9月16日に発表されました。前回、2004年から実に17年ぶりに改訂された(2010年にミニ改訂があったものの)ランキングには興味深い変化が。アメリカの黒人音楽を中心に考察してきた視点から、特にトップ10の内容に注目し、音楽評論家の藤田正さんにコメントをいただきました。 ※トップ画像は2021年8月発売『アレサ〜ザ・グレイテスト・パフォーマンス(デラックス)』より ――ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高の曲」トッ

#21 音楽史⑯ 【1940年代末~1950年代】 ロックンロールの誕生と花開くモダンジャズ

クラシック音楽史から並列で繋いでポピュラー音楽史を綴る試みです。このシリーズはこちらにまとめてありますのでよければフォローしていただいたうえ、ぜひ古代やクラシック音楽史の段階から続けてお読みください。 今回は1940年代末から1950年代を取り上げてみます。 録音メディアの進化20世紀前半を通じて大衆音楽文化の基盤として役割を果たしていた「レコード」ですが、ここまでのレコード盤はSPレコードと呼ばれ、酸化アルミニウムや硫酸バリウムの粉末を固めた混合物で作られていました。割

【ドラムンベース集合論】ブレイクビーツが音楽を変えた4つの軌跡

2010年代、世界的なEDMブームとHIPHOPブームがありました。 この二大勢力に挟まれて存在するブレイクビーツ・ダンスミュージックこそ、最も深く面白いのはご存知でしょうか? (ドラムンベース、ならびにブレイクビーツやベースミュージックなどのジャンル群) 現代の音楽勢力図で最重要地点を占めている、これらのブレイクビーツ・ダンスミュージックを分析することで、混沌とした音楽全体をスッキリと見渡しやすくなります。 DRUM'N'BASSの集合論1990年代にイギリスのスト

子ども産んでも好きな事やめない宣言。

やめないやめない。だって、やめなくていいんだから。

あの頃のヒップホップは

私が夢中になった90年代初頭のヒップホップ/ラップミュージックでは、いつも誰かが“痛み”を表現していた。 Tragedyのシングル曲"Grand Groove (Remix)"は冒頭で自分の人生を(産まれた時の記憶があるという詩的な演出込みで)振り返りながら、今はなきストリートの仲間たちや家族へ捧げたメッセージが展開されてゆく。 同じく彼のシングルヒット"Street Life (Return of the Life Mix)"は、シングルマザーとなった少女の悲劇や、スト

芸術品としてのレコードジャケット。アートワークが持つ無限の魅力

レコードにとって、アートワーク(ジャケット)はまさに顔のような存在。ただの付属品や表紙といった意味合いだけでなく、もはや立派な芸術でもあります。サイズも大きく、大好きなレコード作品を部屋の壁に飾る人もいるほど。アーティストの個性によってアートワークの印象もガラッと変わるうえ、その音楽を聴きたいと思わせるか否か、レコードにとってジャケットは重要な要素になります。店頭で初めて目にして、一目惚れして購入してしまう通称 ”ジャケ買い”という言葉があるほどです。 今回はジャズのレコー

沢田太陽の2021年7〜9月のアルバム10選

どうも。 では、いよいよいきましょう。3ヶ月に1度の恒例、沢田太陽の7〜9月のアルバム10選。 今回はこうなりました!  やっぱり、多く候補を挙げた中から厳選すると、かなり良いアルバムが並んでで壮観ですね。 では、まずはこのアルバムから説明していきましょう。 Glow On/Turnstile まず最初はターンスタイル。アメリカはメリーランド州ボルチモアのパンクバンドです。スタイルとしてはこれ、90sや00sにいたタイプのポップ・パンク〜エモ、あるいはフー・ファイ

作り手が注ぐ、あふれんばかりの愛について。

ある音楽評論家の方と打ち合わせをしたときのこと。 彼は芸術にまつわるとても知的でかつ情熱的な文章を書く人で、僕は彼の著作集をぜひまとめたいと思っているのだが、その彼がふとこんな話をしてくれた。 数年前、浜崎あゆみがシングルCDを出した。その売り上げがなんと2800枚しかなかったというのだ。いまやサブスク全盛期で誰もお金を出して音楽を買わない時代。もはやパッケージとしてのCDは終わったと思った。それでもクラシックの世界では毎月多くのCDがリリースされている。その中で、はたし

アーティストのルーツを深ぼる面白さとは?

あなたは自分の好きな音楽の背景にあるストーリーや、アーティストの繋がりを辿ってみたことはありますか? 言わずとしれた国民的バンド Mr.Children。その音楽性に多大な影響を与えてきたであろう人物といえば、元プロデューサーの小林武史です。 そんな小林武史が自身も参加して結成したバンドがMy Little Lover。それ以外にもサザンオールスターズの名曲「真夏の果実」をはじめ、数々の有名曲の編曲を手掛けています。 Mr.Childrenのプロデュース以前には、キーボ

やっと行けたぜENDRECHERI TOUR

元々ライブハウスだけじゃなくてホールコンサートもそれなりに行く方だと思うけれど、イズミティ21はいつ振りだろ。いつかの仙台貨物を観に来た時振りな気がするなぁ。 というか週に1度は何かしら行っていたのにコロナ禍になって以降ガクンと減ってでかいライブ自体久しぶりなんですが!!!!って超が付く感覚度合いにどんなテンションで行ったらいいのかも忘れかけてた気がする。 ドリンク代かかんないよな?クロークとかあったっけ?そもそもホールに行く時ってどんな格好だ?とあれこれと諸々手間取った。

「日本の最新インディーズバンド。このバンドがすごい。」第20回 (2021.9.24)

こんにちは!HOLIDAY! RECORDS の植野秀章です。 2014年からおすすめの国内インディーズバンドをSNSやラジオなどのメディア出演で広める活動をしています。 noteでも、そういった活動の中で出会ったバンドを紹介しています。 前回の記事はこちら! 1994KANA-BOONの谷口鮪さんが取り上げていたようで、既にチェックしてる人も多いのではないでしょうか! 2021年結成の4人組バンド。 サウンドはインディーロック 、ドリームポップをルーツに感じさせるロック

「#世界はジャズを求めてる」2021.9月4週(9/23)『映画"Summer Of Soul"のラテン』eLPop伊藤嘉章・岡本郁生 #鎌倉FM

『世界はジャズを求めてる』第4週は「ラテンとジャズの危険な関係」。eLPopの伊藤嘉章(mofongo)と岡本郁生(el Caminante)がお送りします。ジャズ評論家の油井正一さん「ジャズはカリブ音楽の一種」と喝破されたように成り立ちから一つのラテンとジャズは、垣根を意識することなくお互いに溶け合ってきています。そんな関係のカッコいい曲をお届できればと。番組をお聴きになってラテンに興味がでた方、ラテンがお好きな方はラテン音楽Web マガジン「エル・ポップ(eLPop)」な

トレッドからレイジへ

「トレッド」というヒップホップのサブジャンルをご存じでしょうか。その名前に聞き覚えがなくても、その特徴を挙げればきっと「あれそんな名前だったのか」と思う方はいるのではないかと思います。 トレッドは未来感のあるシンセ、スロウダウンして用いるサンプリング、トラップ系のダーティな808、そして160から190前後の早いBPMが特徴です。オリジネイターはF1lthyやOogie Maneらが所属するフィリーのプロデューサーチーム、Working On Dyingです。Working