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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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2021年2月の記事一覧

アーティストの「ひと癖」が光るレーベル「SPEEDSTAR RECORDS」はどう生まれた?

今回は、12月19日(土)に開催した沢井原兒(サワイ ゲンジ)先生と高垣健(タカガキ タケシ)さんの対談の模様をお届けします! 高垣さんは「SPEEDSTAR RECORDS」創設者であり、サザンオールスターズ、Cocco、UA、斉藤和義など数々の有名アーティストの発掘、育成を行った方です。 対談では、サザンオールスターズとの出会いや国民的バンドになるまでの裏話、レーベル設立に至るまでの経緯などを中心にお話頂きました。 また、当時の音楽業界と今の音楽業界を比較し、アーティ

タイ・バンコク発 コロナ禍だからこそ、海外進出に向けてやっておきたいこと

先日2/20(土)、沖縄発信の国際音楽カンファレンス「Trans Asia Music Meeting 2021 (TAMM)」にてオンラインで講演しました。 「TAMM」は、沖縄とアジアの音楽ネットワーク構築と、沖縄から音楽を海外発信する試みを続けている国際音楽カンファレンスで、今回は「コロナ禍を音楽・カルチャーで生きるヒント」をテーマに開催されました。また、ショーケースフェスティバル「Music Lane Festival Okinawa 2021」も同時開催され、那覇

インフォグラフで見るメタルのトレンド

メタルのジャンル別のリリース年をまとめたインフォグラフです、素晴らしいですね。この方(偽メタルさん)、凄い。凄まじい労力に感服します。 このデータはRate Your Musicからのデータ。音楽リスナーが投票するポータルサイトで、世界中のあらゆる音楽が投票の対象となっています。アルバムに対してユーザーがどんな音楽ジャンルかタグ付をできるので、いわば「人の耳で分類したジャンル」のリスト。メタルジャンルはこちら。一つのアルバムには複数のジャンルが設定できます。たとえばBlac

アンドリュー・マッケンジー(The Hafler Trio)は情報と戦っている

拙著『ナース・ウィズ・ウーンド評伝』(DU BOOKS刊)にはNurse With Wound以外にも、80年代ロンドンのアンダーグラウンド・シーンで活動していたアーティスト/バンドの名が挙がる。アンドリュー・マッケンジーと、彼のプロジェクト「The Hafler Trio」についてはほぼ言及しないままだったので、補完もかねて今回は同氏について書いた。 参考資料として最も有益であったのは2020年に公開されたメディア『Tone Glow』内のロング・インタビューである。本記事

The Monkeesを再評価する - Part 12:ピーター・トークとスティーヴン・スティルス(2)

前回Part 11で1967年6月のティーン向け音楽雑誌『TeenSet』に掲載されていたスティーヴン・スティルスのピーター・トークに関するインタビュー記事の和訳を載せた。 今回は同じ1967年6月、及び翌月の7月の2回にわたって音楽雑誌『Tiger Beat』に掲載されたスティーヴン・スティルスの寄稿を和訳してみた。 こちらもなかなか貴重だと思う。編集者がいるものの体裁としてはスティルス自身が寄稿した体裁になっているので、より一人称の印象があるだろう。 ピーター・トー

アラビアン・レア・グルーヴ 〜 ハビービ・ファンクの007番が楽しい

(4 min read) v.a. / Habibi Funk: An Eclectic Selection of Music from the Arab World(Habibi Funk 007) ハビービ・ファンク(Habibi Funk)とはヤニス・シュトゥルツというひとが主宰するドイツはベルリンのリイシュー専門レーベル。bunboniさんのafter youきっかけで知りましたが、いままでに14作、ぜんぶ「Habibi Funk」というタイトルに数字番号を打って

【ダイアモンド✡ユカイ×高橋まこと 対談・前編】紙面掲載時より写真点数UP!

はじめに昭和の終わりごろ、日本のロック界に次々と歴史に名を残すバンドが現れた。とてつもない輝きを放っていたあの時代に、何が起こっていたのか? ムーブメントの中心にいたグループ「レッド・ウォーリアーズ」のボーカル、ダイアモンド✡ユカイがゲストを招いてロックの歴史をひもといていく。最初のゲストは、日本のロックを変えた伝説のバンド「BOØWY」のドラマー、高橋まこと。知られざる2人の関係、BOØWY加入前後の秘話、さらにBOØWYの再結成の可能性にまで迫っていく。 (企画構成=BO

¥200

リリース情報:Shuta Hiraki『白炭』

2021年2月4日に、現在はドイツを拠点に活動されている音楽家Yu Miyashitaさん主宰のレーベルThe Collection Artaudより新作『白炭』がリリースされました(タイトルは「しろずみ」と読みます)。 レコード(45回転12インチ、クリアヴァイナル)とデジタルアルバムでのリリースで、ディストリビューションなどはなくBandcampでのみ購入できます。クリアヴァイナルは限定10部のみで、それが売り切れた場合はブラックヴァイナルでの販売へと切り替わります。個

川田あつ子「秘密のオルゴール」 82年組デビュー組の中で可愛らしさ全開の良曲

1982年にデビューした女性アイドル、いわゆる82年組のなかで、私が最も可愛いと思ったのは川田あつ子であった。 彼女が「秘密のオルゴール」でデビューしたのは、1982年4月21日。奇しくも、早見優や石川秀美と同じ日である。CBSソニーからのデビューとあって、制作陣も豪華だった。何しろ作詞・松本隆、作曲・財津和夫、編曲・大村雅朗である。これは、松田聖子の「白いパラソル」と同じ布陣で、聖子陣営の面々。それもそのはず、川田あつ子をプロデュースしたのは、聖子のプロデューサーだった若

元TSUTAYA店員が薦めたい注目アーティスト(2021)

みなさんこんにちは! ショーゴです。 僕は学生時代からずっと音楽好きで、大学時代はTSUTAYAでCD担当としてアルバイト、20歳の頃から毎年野外フェスにいくのがライフワーク、今も新しいアーティスト発掘を個人的に続けています。 ということで、今回は個人的に今年注目のアーティストをご紹介いたします。音楽好きの方はぜひチェックして、気に入ったら掘り下げてみてくださいね。 yama昨春、「春を告げる」で一気に注目を集めたyama。 透明感と伸びのある高音、それでいて力強さもあ

ボカロ・ネットシーンから見たAdoの位置づけ

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あの頃のインディーズロックシーンの思い出

私は観られなかったんですが、先日、オナマシのイノマーさんが亡くなられるまでの日々に密着した番組が放送されていたようで、TwitterのTLなどでも改めてイノマーさんを偲ぶ投稿をちらほら見かけたり、私がよく聴いているPodcast「ラジオ屋さんごっこ」でも取り上げられていたりということもあり、久しぶりにイノマーさんが2001年頃に企画・監修されていた「STREET ROCK FILE」という雑誌を引っ張り出してきて、あの頃のインディーズロックシーンについて、想いを巡らせていまし

Black Country, New Road "For the first time"

イギリス・ロンドン出身のロックバンドによる初フルレンス。 これまでのシングルがすでに高評価を得ていたので、そのままアルバムの方も絶賛一色の状態になるかと思っていたが、案外そうでもなかった。かなり評価が割れている。海外の批評メディアでも、自分の Twitter のタイムラインでも。まあ肯定/否定の理由は人それぞれにあるだろうが、なんとなく思うのは…彼らの楽曲は様々なジャンルを混淆することで成立しているため、このアルバムはこういう音楽性だと一言でくくるのが難しく、それが今作

メタルとマントラが出会うとき 台湾の仏教メタル DAHRMA (達磨楽隊)

※LA Timesの記事が興味深かったので翻訳しています。 台湾・台中 - 1月の土曜日の夜、観客は耳をつんざくようなリフを期待した。 黒服を着たメタル・バンドのメンバーは、コンサート・ホールの巨大なアンプの色とマッチしていた。しかし、異彩を放つメンバーが一人。頭を剃り、宗教上の伝統的なオレンジのローブを身にまとった仏教の尼僧がメンバーの中に入っていたのだ。 台湾の仏教メタルバンド、DAHRMA 達磨楽団のメンバーであるミャオ・ベンさん(50歳)。彼女が、ゴシック・メイク