夏目進平

MarunouchiUdon Magazine

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  • メタルにメがないメタ子さんがとにかくメんどくさい!

  • イングヴェイは異世界に転生しても貴族、正確には伯爵でした

    イングヴェイが異世界に転生してしまうクソラノベです!

  • 異世界騎士のお兄様が私とメタルよりうどんが好きなはずがない。

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最近の記事

欲望の時代へようこそ!(ヘヴィ・メタル)

気がついたら欲望の時代になっていた。 欲望の時代とは何か?それは、人間性や寛容さ、優しさよりも、人間の持つ欲求や欲望、暴力性が優先される時代だ。そして、弱者や少数派が容赦なく切り捨てられる時代だ。つまりは、ヒャッハーな時代だ。 例えば、人間は本来、男と女が愛し合って子供を作るものだからとLGBTの人たちを切り捨てる。人間は本来、こんなに長生きしなかったのだからと高齢者を切り捨てる。人間は本来、健康なものだからと障がい者を切り捨てる。女性は本来、産むべき者だから産まないなら

    • 誰よりも"日本らしさ"を反映したZIGGYのロックが世界最強!!

      世界中の作品から、21世紀最高のメタル/ハードロック・アルバムを決めてくれと言われて即答できる人は少ないだろう。まだ四半世紀が過ぎただけだけど、それでも今世紀はあまりにカラフルで挑戦的な素晴らしいメタル・アルバムが多すぎるのだ。 だけどね、僕は21世紀最高の歌と歌心とメロディが聴けるメタル/ハードロック・アルバムなら即答できる。ZIGGY の "2017" だ。 「これだけ歌を大事にする、歌心のあるバンドをやれて幸せだ!みんなもそれを感じて、誇りに思ってほしい!」 これ

      • BLOODYWOODが"Nu Delhi"のカオスに込めた"暴力的な感覚過多"

        「ワイルドな東洋の国へようこそ ジャングルの掟 野獣の掟。 五感の饗宴 意志の力じゃ太刀打ちできない 広大なコントラストを乗り越えたとき 愛が続く証拠を見つけるだろう デリーが引き受け 俺たちがシフトする "デシボーイズ" (インドの人気映画) は多様性が贈り物だと知っている 聖人であろうと吸血鬼であろうと ここは都市ではなくチェス盤 ここはデリーだから」 インドの BLOODYWOOD は、ポップスやトラディショナル・ソングのメタリックなカバーでバイラルを得て、世界中

        • ギター、ドラム、鍵盤の完璧な三権分立。DREAM THEATERの"Awake"から30年。

          「ムーアのいない DREAM THEATER は別のバンドになり、ポートノイのいない DREAM THEATER もまた別のバンドになった」 誰あろう、僕の言葉だ。 僕は DREAM THEATER の三権分立を誰よりも愛していた。そう、かつて DREAM THEATER は、ペトルーシのギター脳、ムーアの鍵盤脳、そしてポートノイのドラム脳、その三つの脳力が互いに抑制し、均衡を保つことによって権力の濫用を防ぎ、プログ・メタルの権利と自由を保障していたのだ。 ムーアがいな

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        • メタルにメがないメタ子さんがとにかくメんどくさい!
          4本
        • イングヴェイは異世界に転生しても貴族、正確には伯爵でした
          4本
        • 異世界騎士のお兄様が私とメタルよりうどんが好きなはずがない。
          18本

        記事

          本当に演奏ができなければ音楽を評論してはならないのだろうか?

          先日、長年メタル・ブログを続けてきた方がそのブログ上で引退を発表されていた。 "文章を読む・書く" という文化がどんどん減退している世界で同じ "文章を読む・書く" を続けている身として、とても共感できたし、素直にグッときた。 たぶん、書き続けるってみんなが想像するよりも遥かにしんどい。とにかく、モチベーションを保ち続けるのが難しい。得られるものだってほとんどない。仕事じゃないならなおさらだ。 そんでちょっと油断すると、"だったらあんたも書きなよ" としか言いようのない

          本当に演奏ができなければ音楽を評論してはならないのだろうか?

          (ヘヴィ・メタルは) 負けヒーローが多すぎる!

          "負けヒロインが多すぎる!"。いやー、おもしろかったねー!まず、なんといっても作画が素晴らしい!まさに8K。映画のような風景に溶け込むマケインたちの喜怒哀楽。 マケインなら僕はね、八奈見ちゃんが好きですね。やっぱり、いっぱい食べる女の子はいい。ちくわをかじる女の子はいい。だらしなボディで、倫理観もだらしなく、金銭的にだらしないところも素晴らしい。僕はね、ちょっとだらしない女の子が好きなんですね。そのくせ、一番仲間を思いやっていて、ラッコで、百面相で、ニセモノなんか興味はなく

          (ヘヴィ・メタルは) 負けヒーローが多すぎる!

          "推せない" 洋楽の育て方

          ちょうど、NILE というデスメタル・バンドの記事をアップしたところだ。 「デスメタルだけでは音楽的には満足できない。世の中には宇宙みたいに広い音楽の海があって、楽しめるものがたくさんある。実際、クソほどたくさんの音楽があり、クソほどたくさんのギターがある。学べば学ぶほど、自分が何も知らないことを知ることになる!」 ご存知ない方のために説明しておくと、NILE はアメリカのデスメタル・レジェンド。アメリカのデスメタル・レジェンドなのに、全身全霊を込めてエジプトの神話や歴史

          "推せない" 洋楽の育て方

          メタルをめぐる誇大妄想狂 (メガロメイニア) たちの詩

          お台場のメタル・フェスの客入りが少々悪かったらしい。 そりゃそうでしょ…この気候変動灼熱地獄でアスファルト上等の野外フェスなんて普通に無理でしょ…アーティストのラインナップを見れば50代以上がメイン・ターゲットだろうし…なんで遊びに行くのに命かけたり根性見せなきゃならんのよ…昭和なの…バカでしょ…屍が積み重ならなくてよかったよ… そりゃそうでしょ…演者は素晴らしかったし、次は宣伝含めもっといろいろ考えてやりましょうね!でいいんだよ。でも、SNS を見ているとメタル・バブル

          メタルをめぐる誇大妄想狂 (メガロメイニア) たちの詩

          マルセル・ヤコブの逝去から15年。30周年を迎えたTALISMANの"Humanimal"はなぜ彼の最高傑作なのか?

          15年前。ジェフ・スコット・ソートが盟友マルセル・ヤコブの逝去によせた追悼文です。 「大きな喪失を経験したことのある人なら誰でも知っているように、親しい人を失うことの痛み、傷、虚しさを表現するために、"言葉" では決して十分ではない。それでもこの数時間、TALISMAN の音楽を聴きながら、私はどうしても書きたくて仕方がなくなってしまった。それが曲の歌詞であれ、ブログであれ、何であれね。胸の内を吐き出すべきことを処理しているうちに、それは親愛なる友人であるマルセル・ヤコブに

          マルセル・ヤコブの逝去から15年。30周年を迎えたTALISMANの"Humanimal"はなぜ彼の最高傑作なのか?

          サブスクにない音楽は本当に存在しないも同然なのか?

          最近、こんなツイートを見かけることがあってね。ついに、"有識者" のような方からこうした発言が出るようになってしまったのかと、とても残念な気持ちになったんだ。 だってそもそも、その "存在" を伝えるために "有識者" がいるんじゃないのかな? その伝説を、名作の誉を、音楽の素晴らしさを伝えるために。そして、もしその偉業が伝わり、鳴り響いていれば、若い人だって中古なり、YouTube なりで勝手に探して勝手に耳にするはずなんだ。 なにより、たしかに多くの若い人に伝えていく

          サブスクにない音楽は本当に存在しないも同然なのか?

          "Ashes of the Wake" から20年。そろそろ LAMB OF GOD の真骨頂を知ろう!

          「PANTERA がいなくなって、LAMB OF GOD が王座に就いたんだ。90年代はスラッシュ・メタルにとって厳しい時代だった。でも2000年代になると、LAMB OF GOD のような若いバンドがスラッシュ・メタルをリセットしてくれたんだ」 20年前、今世紀最高のメタル・アルバム2枚が同じ日にリリースされました。MASTODON の "Leviathan" と LAMB OF GOD の "Ashes of the Wake" です。なぜ、今世紀最高のメタル・アルバム

          "Ashes of the Wake" から20年。そろそろ LAMB OF GOD の真骨頂を知ろう!

          ヘヴィ・メタルと都知事選

          僕はたぶん、リベラルとか中道左派とかオネショタとかいわれる思想に近い考え方を持っている。 だから今回の都知事選、もし選挙権があったなら蓮舫さんに入れるべきだったんだろう。だけど、ずっとこの選挙戦を観察していて、もし選挙権があっても蓮舫さんには絶対に投票していないだろうと思った。 幸か不幸か僕はうどん県在住のオネショタ希望14歳なので選挙権はなく、この蠱毒の壺のような選挙に投票する義務はなかったんだけど、そんな中でも蓮舫さんの主義主張は大正義で大真面目で大潔癖だった。 だ

          ヘヴィ・メタルと都知事選

          "オフ・キルター"なリズムでMESHUGGAH 以前にメタルを抽象化した英傑たち: CONFESSOR の "Condemned" と CRIMENY の "Peat"

          例えば、絵画にも写実派と抽象派があるように、おそらく音楽にも写実的な音楽と抽象的な音楽が存在するように感じます。そういう視点でみると、80年代のヘヴィ・メタルは、写実派や印象派、そして象徴派がほとんどだったのではないでしょうか。つまり、そこにある風景 (音楽) を正確に具体化したり、理想化したり、印象的に描くような音楽。 もちろん、FATES WARNING や WATCHTOWER のように難解で幾何学的なバンドも少なからず存在しましたが、彼らの難解は抽象やシュールという

          "オフ・キルター"なリズムでMESHUGGAH 以前にメタルを抽象化した英傑たち: CONFESSOR の "Condemned" と CRIMENY の "Peat"

          EDGE OF SANITYはなぜメロデスでありながらメロデスではなかったのか: 傑作"Purgatory Afterglow"の30周年再発によせて

          「NIRVANA はビッグになる前から好きだった。ENTOMBED の Uffe Cederlund が "Bleach" のテープを送ってくれたんだけど、僕にとってあれはロックとデスメタルの究極の融合だった。僕と Andreas "Dread" Axelsson は、Kurt Cobain が亡くなった当時、グランジの大ファンだったんだ。つまり、"Purgatory Afterglow" は Kurt に捧げたアルバムだったんだ」 EDGE OF SANITY は "馴染

          EDGE OF SANITYはなぜメロデスでありながらメロデスではなかったのか: 傑作"Purgatory Afterglow"の30周年再発によせて

          「ポリリズムだといわれるが僕らは単純に4/4だった」 MESHUGGAH初期のメンバーが明かすメタル革命の真実

          「僕らはメタルを必要最低限まで削ぎ落とし、抽象的に再構築した」 1995年に MESHUGGAH のアルバム "Destroy Erase Improve" に収録された "Future Breed Machine"。そのBPM172の悪夢の迷宮ようなポリメトリック・リフは、非常にマニアックで複雑なため、最も洗練されたリスナーでもそこにある真実を知ることは簡単ではありません。 シンコペーションは常駐し、トラックが制御不能なカオスを引き起こしているように聴こえるものの、結果は

          「ポリリズムだといわれるが僕らは単純に4/4だった」 MESHUGGAH初期のメンバーが明かすメタル革命の真実

          「BucketheadはKFCのバケツをとっても変態だった」 (サージ・タンキアン)

          歴史上、Buckethead ほど正真正銘の謎めいたギタリストはいないでしょう。バケツをかぶったこのギターの名手は、GUNS' N ROSES に短期間在籍していたことはもちろん、イギー・ポップからレス・クレイプールまで、あらゆるジャンルの伝説とコラボレーションしてきました。中でも、2005年にリリースした "Enter the Chicken" は、SYSTEM OF A DOWN のサージ・タンキアンとのコラボレーションから生まれた名作です。 この作品が Bucketh

          「BucketheadはKFCのバケツをとっても変態だった」 (サージ・タンキアン)