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伝統芸能 記事まとめ

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伝統芸能について書かれた記事をまとめていく公式マガジンです!主にハッシュタグ「#伝統芸能」が付けられている記事を自動で追加し、紹介していきます。
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#伝統芸能

能『箙』初シテを務めて〜第二章:The Sense Of Wonder part 1

このブログをお読みの皆さん、 子どもの頃、家族と一緒に野原を駆け回ったり、宇宙に浮かぶ星の数を数えたり、 何か心躍るような経験はないだろうか? スマホを触る手をそっととめて、思い出してみて下さい。 家族でピクニックに行った記憶、はじめて飛行機に乗った記憶、海に入って遊んだ思い出... 序、私にとっての”the sense of wonder” 私の生まれは石川県白山市の小さな田舎町だ。 茶の間より心を澄まして窓の外をみれば、雲上に白山が聳え、近くには轟々と流れる手取川

鵜澤先生による熱血指導!全身で学ぶ能楽体験!

吉祥寺シアターでは2024年8月から9月にかけて、インターンシップ生として跡見学園女子大学の直井雛希さんをお迎えしました。その中で、ワークショップの開催レポートも執筆いただきました。難しいイメージのある能楽を身近に感じられる内容になっています。ぜひご覧ください! ――――――――――――――――――――――――――――――― 8月2日(金)武蔵野芸能劇場で小中学生を対象に「能楽を丸ごと体感するワークショップ」が開催されました。ワークショップでは前半に能楽についてのお話を聞き

【日本の伝統芸能を後世に残したい】茂山千五郎家所蔵資料デジタルアーカイブ事業②~デジタル化~

 前回は茂山千五郎家所蔵資料デジタルアーカイブ事業の概要をご説明しました。ここからは、実際に、どのような作業を行ったのか具体的に紹介していきます。今回はデジタル化です。 1.デジタル化の必要性  デジタル化対象は2種類あり、一つ目は1998年から2009年にCS京都チャンネルにて放映された茂山狂言舞台映像を収録した120本のテープです。テープは、Digital BETACAM(デジタルベータカム)という、テレビ放送および映像制作用のデジタルVTR規格でした。テープの大きさ

【日本の伝統芸能を後世に残したい】茂山千五郎家所蔵資料デジタルアーカイブ事業①~業務の経緯~

はじめに  狂言は、中世から続く日本の伝統芸能で、「能」と「狂言」合わせて「能楽」と呼ばれています。能が謡や舞によって悲しみや怒り、恋慕などを表現するのに対し、狂言は「笑い」を通して人々を描く喜劇です。2001年には、ユネスコにより「人類の口承及び無形遺産に関する傑作」と宣言されました。  そのような世界的に評価されている狂言を現代に受け継いでいるのが茂山千五郎家です。この度、茂山千五郎家が所蔵している貴重な狂言に関する資料や記録映像のデジタルアーカイブ化を、ナカシャクリ

令和6年10月地方公演(神奈川) 「絵本太功記」

桜木町の地方公演に行ってまいりました。 【昼の部】 二人三番叟 絵本太功記 夕顔棚の段 尼崎の段 解説は聖太夫さん。地方公演は普段あまり見られない床の皆さんの文楽解説が見られます。若手のホープ聖太夫さんの解説、とてもわかりやすかったです!これから出番が増えそうですね。 二人三番叟。亘太夫さんの出だしの一節を聴いて、一気に世界に引き込まれました。亘太夫さんは公演ごとにじわじわと腕を上げているのがわかるので、毎回楽しみです。師匠の若太夫さんが著書の中で褒めていたお弟子さん。

夜の鳥と書いて鵺(ぬえ)

薪能を観てきました。 佐渡では気軽に能が鑑賞出来ます。 慶長九年(1604年)に佐渡奉行となった大久保長安が佐渡に猿楽師を同行した事から佐渡における能楽が始まったそうです。 今回の演目は 鵺(ぬえ) です。 ところで 鵺と聞いて直ぐに 鵺の鳴く夜は恐ろしい を思い出した方はきっと私と同じ、昭和な方ですね。 映画「悪霊島」のCM、子供心にすごく怖くて、でもちょっと観てみたくて…結局実際にテレビ放送で観たのは大人になってから。 単なるミステリーではなく、なかなか深い

リズム感0の私、日本舞踊を体験してみた

 子どもの頃さまざまな習い事をしてきたけれど、大人になってから新しいことを始めるのはなかなか難しいもの。時間はすべての人に平等と言いますが、お休みの日はゴロゴロして「何もしない贅沢」と言い訳していたのは私のことです(汗) 今春、博物館スタッフの紹介で地元佐野市で日本舞踊の体験に行ってみることになりました。「日本舞踊って何?」「ダンスは無理無理!」の状態から少しずつわかってきた日本舞踊の魅力をレポートしたいと思います。 佐野市の若柳緑日本舞踊教室へ 体験お稽古を受け入れてくだ

600年の伝統芸能に新風を! 女性狂言師の登場が日本文化に与える影響

日本の伝統芸能、狂言の和泉流において史上初の女性狂言師としてご活躍中の和泉淳子さん主催のイベント「和秀会」にご招待いただきました。文化庁の子ども舞台芸術鑑賞体験支援事業の一環として、未来を担う子どもたちに伝統芸能の魅力を伝えることを目的としたこのイベントは、今回が5回目の開催となります。会場は、渋谷セルリアンタワー内の能楽堂。打ち合わせで度々訪れるセルリアンに、このような素晴らしい能楽堂が存在していたことを初めて知り、大変驚きました。 今回の演目は、狂言「雷」「仏師」に加え

大阪観光の穴場!夏は国立文楽劇場で観劇体験を【Bitter Orange Radio 関西通信】From Osaka!

こんにちは。 大阪担当の蒲郡みかです。 私は名古屋・福岡・大阪で出版社&新聞社の編集者&ライターを経て、現在は東京のIT企業のライターとして大阪に住みながら働いています。 最近、大阪の街を歩いていると海外の観光客の方、遠方から来られた方たちと出会うことが多くなってきました。 夏休みの真っ最中ということもあり、ご家族で大阪旅行をされている方も多い気がします。 大阪観光に来られる方は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行かれる方が多いと思うのですが、せっかくなので大阪ならではの

面白能楽館 〜天狗考〜

今年の面白能楽館は 能楽アナトミア 〜天狗の山編〜 と題しまして7月27日(土)京都観世会館にて催されます。もう今週末! 面白能楽館とは能楽の魅力を皆様にお伝えするための催し。 アナトミアとは古代ギリシャ語に由来した言葉で「解剖学」という意味です。ターヘルアナトミア(解体新書)は聞き覚えがあるのではないでしょうか。 今年は天狗を介して能楽をまるっと解体しちゃいましょう!という試みです。 さて「天狗」とは、どんなイメージでしょう。 赤い顔に高い鼻、山伏のような姿で大きなうちわを

Light births shadow, as shadow births light.(文化的三連休)

三連休皆様楽しまれましたか? 今月の締め切り前、成績あと少し足りてなくていやーーーん(((((((((((っ;°言°)つ でも休みは好きな事したいじゃないですか?じゃないですかぁ、ないですかぁ…… ということで文化的三連休過ごしてやりました(`・ω・´)=3フンス 土曜日、茶の湯体験会 これから茶の湯を学びたいという方、以前茶道を習われていた方、先日の七夕星雲茶会にご参加くださいました方。 沢山の方にご参加いただきました。 地域に密着した活動をしたいと思いながらもうす

着物で文楽観劇 令和6年春

以前書いた「着物で文楽観劇」の記事が好評だったので、春先の着物もまとめてみました。 私自身、着物は上級者でもなんでもなく、一年前から頻度を増やし、まだ慣れる途上なのですが、着物を着ると多幸感に包まれるので、知恵を絞って着る機会を増やしています。まさしく、文楽公演は絶好の機会。手持ちのお着物の出番が増えて一石二鳥です。 四月大阪公演 大阪の四月公演に遠征した時の着物。着付け小物の忘れ物がないかハラハラしましたが、無事、二日間着ることができました。キャリーケースにパンパンに

【小鼓のまめ知識】五人囃子

はじめに 初めてのnoteからはや3週間。 あっという間に日々は過ぎていきます。 拙い文章ながら、たくさんの方に読んでいただいて嬉しい限りです。有難うございます。 さて、noteを始めたきっかけの一つに、 もっともっとたくさんの方に 小鼓を知っていただきたいという思いがありました。 といわれても、あまり馴染みがないよと思われる方も多いかも知れませんね、、、(負けるな、自分) 今回は、実はみなさんの身近に存在していた小鼓のお話。 「うれしいひなまつり」 みなさん

源氏物語 幻想女楽「花かさね」楽曲解説 その1

「かさね」は、一般に昔の装束の色目の取り合わせを意味し、“襲” とも“重”とも表されます。平安装束の色彩でいえば、袷(あわせ)の表裏の色の重ね(襲(かさね)の色目(いろめ))、経(たて)糸・緯(よこ)糸の織の色目、重ね着の色の重なり、といったさまざまな色の組み合わせがあります。こうした衣(きぬ)の色の重なりが、絹糸の発する光の効果(絹糸のプリズム効果―龍村光峯氏説)を取り込んで複雑な色合いを創りだしたことはいうまでもありません。 源氏物語・若菜の下における女楽では、源氏の放つ