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クラシック 記事まとめ

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クラシックの楽曲・作曲家などについて書かれた記事をまとめていく公式マガジンです!主にハッシュタグ「#クラシック」が付けられている記事を自動で追加し、紹介していきます。
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2022年8月の記事一覧

ジャック・デュフリ後編(鍵盤楽器音楽の歴史、第146回)

1756年の『第3巻』から12年を経て、1768年にデュフリの『クラヴサン曲集 第4巻』が出版されました。これが彼の最後の曲集になります。 献呈先はマルキ・ド・ジュイネ夫人、クロード=シャルロット・ティルー・ド・シャムヴィル (1743-1827)、マリー・アントワネットに仕えた女性です。 曲集には出版元のカタログが付属していますが、ここに挙げられている作曲家のうち、現在その名が知られているものは如何ばかりか。 前作から随分と間が空いたにもかかわらず、この『第4巻』の収

味覚に偏在する音楽会:落合陽一x日本フィル、そして私たちが音楽会になる

過日、赤坂にあるサントリーホールにて、落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団(以下、落合陽一x日本フィル)による「偏在する音楽会」が開催されました。 同主催者による音楽会は今回で6回目で、私も何度か参加しているのですが、カコイチ素晴らしい内容だったと思います。 この記事では、音楽会を振り返りながら、クラシックのホールコンサートの面白み、次の音楽会はどうなるのか?などについて述べたいと思います。 前日譚:ラストワン土器、クラウドファンディングのお祭り感落合陽一x日本フィルによ

『Hey kino,ベートーヴェン おすすめ CD 教えて』①

◆表題 P.N.sonoさんからそんなお便り頂きました。 ので、手なりにエントリ書きます。読み直してないから誤字脱字は各自脳内補完してください。 ◆クラシックを聴こう! > 「モーツァルトやベートーベンの音楽は古くならない」と述べました。>それは、これらが時代に縛り付けられていないからです。 > 60年代のポピュラーミュージックは60年代に縛り付けられていて、そこ>から抜け出すことができません。だから、「古くなった」と感じるので>す。しかし、モーツァルトやベートーベンの音

私選 交響曲の名盤12枚

だいたいの年代順に。 ハイドンの選集ならホグウッドを薦めたいが、ラトルの90番はぜひ聴いてほしい。 ハイドンのいたずら心ある仕掛けをラトルが楽しそうに再現している。 90番はライブバージョンとスタジオバージョンの2種類が収録されており、騙される聴衆の反応が面白い。 現役指揮者でおそらく最もウィーン・フィルと相性のよいムーティ。 あえて後期6大交響曲ではなく、中期の傑作を。 第34番の第2楽章は絹のヴェールがゆらゆら揺れているような美しさ。 ウィーン・フィルの十八番モーツァ

夏の定期演奏会/本番

日曜日、定演本番を迎えた。 私はよりにもよって、前日夜中から調子が悪い… 生活や天気にかかわらず不定期に訪れる頭痛に悩まされていた。鎮痛剤でしのぐ。 朝から集合してホール解錠、担当の受付をセッティング。 配付する本日のプログラムにチラシを挟み込む。私が「指サック持ってきたので使ってください」と声をかけると、すかさずチェロトップMさんが 「え?メリケンサック??」 とボケをかまして場を和ませてくれる。 すぐにリハーサルの時間になる。 この時点で私は鎮痛剤の効果が切れる…

💿智内威雄 ライブ2022 - 左手のピアニスト -

2022年8月21日、楽しみにしていた智内さんのライブが、四條畷市 市民総合センター 市民ホールで開催されました。 この機会に智内さんの活動を知って頂きたく、記事にしました。 智内さんについてライブ当日に配布されたプログラムの一部より、プロフィール部分を載せます。 公式サイトから智内さんの活動や思いを知って頂ければ、私の記事はスルーで結構です(笑) YouTubeの音源も、公式サイトで数多くアップされています。 動画YouTube より、再生回数が一番多いのを選びま

インタビュー:コンサートマスター戸澤 哲夫さん

特級ファイナルの演奏後、4人のファイナリストとともに協奏曲を創り上げた、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のコンサートマスター・戸澤哲夫さんにお話を伺うことができました。 ――まずは素晴らしい演奏をありがとうございました。今日はコンクールでしたが、通常のコンサートと比較して、音楽づくりにおいて特に意識するポイントなどはありますか。 戸澤さん 通常のコンサートもコンクールでも、最高の音楽を作っていく、という目指す地点は共通です。でももちろん、コンクールという場の持つ、独特

レコード初心者が実家のレコードを片づけながら聴きたいのを探して6枚選んだ♪♪♪

♪今回のレコードお片付け成果、合計27枚♪ 最終的には何枚になるのだろう・・・。 レコードってほんと重いです。腰に気をつけなくては。 楽しく片付けたいですが、初回から腰も心も折れ気味☆ 実家での保管状態が悪く、部屋に広がる「カビ臭」! ゴム手袋をして1枚づつ外側だけ拭きます。 盤面などはデリケートなイメージなので、素人がゴシゴシするのは避けた方がいいのかなと思い何もせず。 あと、透明のカバーはつけたままがいいのか疑問。剝がしたいけど我慢。 「帯」もコレクターには大事らし

私が今までに出会った、もっとも破天荒な人。

1997年、当時ジュリアード音楽院の学生だった夫は、学校のエレベーターでソプラノ歌手の生徒さんとばったり一緒になりました。 ソプ:「やあ、元気?今からどこに行くの?」 夫:「それがよく分からないギグ(演奏会の仕事)を依頼されて、その指揮者に初めて会うんだ。めんどくさいよ。」 ソプ:「どんなギグ?指揮者は誰?」 夫:「オペラのガラコンサートなんだけど、メトロポリタン歌劇場に勤めてるイタリア人指揮者で、確か名前が・・・、」 ソプ:「フランコ・ベルタッチでしょ!!?」

CONCERT REPORT! (1) 2022年8月4日 『角野未来 ファーストリサイタル』

 2022年8月4日(木)、J:COM 浦安音楽ホール コンサートホールにて、『角野未来 ファーストリサイタル 〜IMPRESSIONNANT〜』を開催いたしました!  現在東京藝術大学大学院音楽研究科で学びながら、すでにソロから伴奏まで多彩に演奏されている角野未来さんですが、リサイタルはなんと今回が初めて。  記念すべきその舞台を弊社主催で開催いたしました。  今回のリサイタルでは副題に "impressionnant" というフランス語を採用。角野さんがお得意とする、

映像で読み解く(20)MV『大迷惑』(1989)

サラリーマンの悲哀を歌った ユニコーン1枚目のシングル『大迷惑』はユニコーンの 1枚目のシングル曲です。 単身赴任のサラリーマンの 悲哀を歌ったもので、 ユニコーンの代表曲の一つとして、 幅広い世代に知られています。 MV は、ユニコーンが オーケストラに混じって 演奏するもので、 実際の楽曲にも、オーケストラが 使われているんですよね。 オーケストラの音を入れたのは、 この楽曲がミュージカルを イメージして、 作られたからでもあります。 歌詞の中にも 『ロミオとジ

ジャック・デュフリ中編(鍵盤楽器音楽の歴史、第145回)

1750年から60年代にかけてがデュフリの全盛期であったように思われます。ポンパドゥール夫人の支配のもとアンシャン・レジームが退廃の華を咲かせた時代。 しかし彼は公職につかず、結婚もせず、またダカンの言うように温和で人当たりのよい人物だったようで、マルシャンやフォルクレやラモー他、人格に問題の多い同業者と違って何ら揉め事を起こさなかったこともあり、彼についての記録はほとんど残っていません。 1756年にデュフリは『クラヴサン曲集 第3巻』を出版しましたが、今回はなんと献呈

クラシック音楽の歴史を未来に伝えていくために。挑戦を続けるピアニスト、米津真浩の想いとは。

演奏会やレッスン、ライブ配信など多彩な活動にチャレンジするピアニスト米津真浩。8月からはYouTubeでのライブ配信を毎日行っている。 音楽をより多くの人に届けるべく、米津さんが取り組んでいることについてインタビューを行いました。 (インタビュワー:道下京子) ――― いまの活動についてお聞かせください。 クラシック音楽のピアニストとして活動しています。演奏とレッスンを音楽活動の主軸としています。 それから、17LIVE(ワンセブンライブ)というアプリで、インターネット

【ピティナ特級公式レポート・その12『特級ファイナルをサントリーホールで聴きました』】

特級公式レポーターの寿すばるです。ファイナルの夜の興奮がいまだに収まらず、まだ会場にいるような気分で過ごしています。24時間以上経過してるのに! さて私は今回、 ・ファイナル前日のリハーサル ・当日のゲネプロ(本番に一番近い条件で行うリハーサル) ・そして本番 というフルコースを経ており、もうね、全身がコンチェルトですよ。しかもこれを書いている今も配信のアーカイブを聴いていますから、特級ファイナル実質何日めだろう(笑) というわけで、せっかく大変貴重な機会を頂きまくって