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【読書】「メノン」プラトン(著)
プラトンの初期末の対話編。
「徳は、ひとに教えられるものか」というメノンの問いをきっかけに、ソクラテスとのあいだで「徳」についての考察がはじまる。
ソクラテスは、「徳は、教育によってひとに授けられるか」と問う前に、「徳とはそもそも何であるか」が考えられていなければならないと答える。物事の順序で考えれば、当然のことだろう。
ところが、メノンは「徳とは何か」についてうまく答えられない。いくつか定義を挙げてみるものの、「徳は一つしかないだろう」とソクラテスから反論を受けてしまう。
その後対話は、かの有名な想起説へと入っていく。
いやー、プラトンの作品は毎回おもしろい。
これからプラトンを読みはじめようとしている人は、まず「メノン」から読むことをオススメします。
メノン、どうやらアニュトスは怒ってしまったようだ。それも別に不思議ではないだろう。まず第一に彼は、ぼくがあの人々の悪口を言ったのだと思いこんでいるのだし、それに、自分もまたそうした人々の中の一人だと考えているのだから。まあしかし、彼は、「悪く言う」とはどういう意味かということを、いつかさとるときがあれば、怒るのをやめるだろう。いまのところ、彼はそれを知らないのだ。