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【読書】「ゴルギアス」プラトン(著)
ソクラテスが、ゴルギアスをはじめとしたアテナイの有力者たちと弁論術や善悪について、議論を交わしていく話。
弁論術とは何の技術であるかと問われたゴルギアスは、それを「言論についての技術である」と答える。が、言論に関わる技術(考えたり、話したりする)は、弁論術以外にも数多く存在しており、これをほかの技術と区別して、「弁論術」と呼ぶ必要がどこにあるのかとソクラテスは追究していく。
弁論術とは、実際は身体の調子が悪いのに、良さそうに思わせるための迎合に過ぎず、「技術の名にすら値しない」というのがソクラテスの考えであり、また「人を欺く醜いものだ」と辛辣な言葉で語っている。
そこまで期待せずに読み始めたのだが、かなり面白かった。
特に、ソクラテスのポロスへの扱いがひどくて笑えてくる。
ひとは不正を受けることよりも、むしろ不正を行うことのほうを警戒しなければならない。また、ひとは何よりもまず、公私いずれにおいても、善い人と思われるのではなく、実際に善い人であるように心がけなければならない。しかし、もし誰かが、何らかの点で悪い人間となっているのなら、その人は懲らしめを受けるべきである。そしてこれが、つまり裁きを受けて懲らしめられ、正しい人になるということが、正しい人であるということに次いで、第二に善いことなのである。