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餡味が口いっぱいに押し寄せて、たっぷりとした甘露が、あふれにあふれる。神奈川・小田原、守谷のあんぱん。#レトリカル食レポ(29)

ずっしりとしたこし餡が
ぎっしりと詰め込まれた、
高さ5センチほどの
円柱すらイメージさせる
やわらかそうな姿を見ながら、

この高さに餡が満タンに詰め込まれている。


口を大きくあけ、
待ち遠しさをひと呼吸がまんして、
きつね色の頂に歯を入れると、
甘みの完成形とも言える
ふっくらとした餡の甘露が
やさしく撫でるように
口にすべり込む。 

舌の周りにパパッと
強く濃い甘みが花火のように
放たれ、
舌の脇には、
ほんのりとした甘さが
やさしげに流れる。

餡の圧力とも言える、ボリュームある甘み。

くにゃりとした皮に
餡味がからむと、
皮の厚みが
押し込むように
味覚を練り込む。
その皮の感触を舌先で転がせば、
底からあふれだすほどの甘みは、
噛むたびに重なり濃度を高め、
脳に届くほどの濃密甘味は
上あごへとうねり、
もう一度、
花火のようにいっぱいに散らばって
味蕾はもう、とろりとしたまま
満ち足りている。

朝行かないと、気づいたときにはもう売り切れている。

神奈川・小田原、駅東口を出て左すぐ。
守谷製パンの「あんぱん」は、
“守谷のあんぱん”の呼び名で、まさにそびえ立つ。



※見出し画像は、少しトーストしています。



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