高速バスの運転士から学んだ「心のゆとり」
今日も仙台へ日帰り。
先日に続いて、東北急行バスのニュースター号という高速バスに乗る。
3列独立シートで座席毎にプライベートカーテンもあり、快適そのもの。
仙台までは約5時間。お値段も週末価格で片道4,500円。
新幹線よりも、ゆっくりのんびりな旅。
高速バスの運転士さん
2週間ほど前、所用で群馬県伊勢崎市へ行った帰りのこと。
伊勢崎から自宅方面に戻るには、東武鉄道が走っているが、この日はよい時間に東京駅行の高速バスがあり、事前に予約をしておいた。
予約した座席は最前列。バスの前を走る交通状況が良く見える席だった。
ひとえに高速バスの運転士といっても、運転しているのはそれぞれ違った
規範や価値観を持ったひとりの人間。
同じルートを走っても、走り方も所要時間も異なるのは当たり前。
飛行機や電車よりも、運転士の個性が出やすい。
でも改めて考えてみると、最大で40名ほどの命を一手に背負い、大きなバスを運転することは、想像以上に大変なことのはず。
JRバス関東の運転士さんのプロの運転
伊勢崎市内の渋滞で、関越自動車道の練馬インターを降りた時点で1時間ほどの遅れ。私はただ乗っているだけだが、運転士は3時間以上も運転しており、肉体・精神ともに疲れているはず。
そんな中で、目白通りに入ると、JRのロゴが貼られた高速バスだからなのか、周りの一般車両は、バスの前で無理な進路変更、交差点での危険な右折、信号無視などもはや交通マナーを無視した無法地帯。
私が見ていても怒りがこみあげてくるような状況。当事者である運転士さんはもっと腹がたっているはず。
でも、運転士さんを見ていると、舌打ちひとつせず、イライラする様子も全く見せず、冷静に周りの車を優先させ、周りの車が走りやすいように仕立てている。
私だったら、真っ先にクラクションをたたいて、応戦していたかもしれない。
心のゆとり
その運転士さんを見ていて、プロの運転士だから、会社の看板を背負っているからといった「特別感」は感じなかった。
何よりも、たくさんの客の命を背負っているからこそ、事故をおこさない、事故に巻き込まれない運転をいつものように徹底しているように見えた。
それは、どんなにDQNな運転をする車がいてもぶれることのない、運転士の「心のゆとり」があってこそなし得ることではないか、そう思った。
自分の良い変化にも気づく
そんな温かい運転をそばで見ていると、降車時にどうしても「ありがとう」と言葉で伝えたくなった。
以前の私であれば、ちゃんとお金を払っているんだから、無事故で送り届けてくれて当然としか思わなかった。だからお礼なんて口にもしなかった。
でも今は、運んでくれたことよりも、たくさんの命を背負い、安全に運転してくれてありがとう、そんな気持ちでいられる私に気づく。
私が「ありがとうございました」というと、笑顔で同じ言葉を返してくれた。
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