(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
吉永小百合さん、取り立ててファンというわけではないのですが、はるか昔に放送された「夢千代日記」を観て以来、折に触れ気になっていた女優さんでした。
昨年(注:2020年)は、吉永さんの121本目の出演作「最高の人生の見つけ方」を観、さらにその制作現場に密着取材したNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀〜吉永小百合スペシャル〜」も観て、その人柄にかなり強烈なインパクトを受けました。
本書は、その担当ディレクター築山卓観さんが、番組制作のために10ヵ月にわたり吉永さんに密着取材した内容をもとに、彼女の “人となり” を記した著作ということで手に取ってみました。
貴重なエピソードの紹介も興味深かったのですが、やはり吉永さんが発する一言一言は刺激的ですね。語り口は穏やかではありますが、その内容の本質を突く鋭さ、逞しさには目を見張るものがあります。
取材初日、番組ディレクターで本書の著者である築山さんたちへの言葉。
また、最近のデジタルカメラを駆使した新しい撮影スタイルついて尋ねると、
あれだけのキャリアを重ねている吉永さんからの「この世界ではやっていけない」という言葉は驚きですね。
その結果、デジタル手法で撮り終えての吉永さんの気づき。
そして、吉永さんが大切にしている「役の故郷への訪問」。
最後に、本書を通じて私の印象に強く残ったくだりを3つ、書き留めておきます。
ひとつめは、「プロローグ」で採録されたインタビューでのやり取り。
もうひとつは、珍しく自身の立場を語った箇所。福江島の旅館でのインタビューから。
そして3つめ。撮影が終わってからのインタビュー。
それでも、吉永さんはご自身を “アマチュア” だと言い続けます・・・。