どんぐり (オノ・ヨーコ)
(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)
いつも行っている図書館の新着書の棚で目についたので手に取ってみました。
だいぶ前に「グレープフルーツ・ジュース」は読んでいるので、オノ・ヨーコさんの詩集は2冊目になります。
見開きで、左に短い「詩」、右に点描の「絵」という構成。
心に残ったフレーズを2・3、書き留めておきます。
「想像する」「考える」といった自分の頭の中にイメージを浮かばせる、そういった“思考”を促す言葉が目立ちます。まさに “imagine” ですね。
もうひとつ。
こういった「歌」をテーマにしたフレーズが “生命の作品” と名づけられたジャンルで登場しているのも、オノ・ヨーコさんならではの思想の表れなのでしょう。
そして、同じく “生命の作品” の中には、こういった詩もありました。
時に立ち止まり、しばし振り返ってみる、この詩集の中で一番インパクトのあった作品です。
とはいえ、この風変わりな詩集、正直なところ私にはちょっと合わなかったですね。
私の感性に勝手なバイアスがかかってしまうのでしょう、つい「オノ・ヨーコさん」の詩集と聞くと、それだけで(ジョン・レノンにも通じる)何がしかのメッセージ性を“感じよう”としてしまうようです。
語られる詩の言葉に、素直な姿勢で向き合えなかったのかもしれません。
(注:詩は、それを読むときの心持ちによって、そこから受け取るイメージやメッセージは大きく異なるものだと思います。10年近く前の私の感想は「今ひとつしっくりこなかった」ようですが、また改めて “今” 読み直してみるのも面白そうです。)