きみが校長をやればいい 1年で国公立大合格者を0から20名にした定員割れ私立女子商業高校の挑戦 (柴山 翔太)
(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)
東洋経済ONLINEの記事を読んで興味を持ったのですが、ちょうど同じタイミングでいつも利用している図書館の新着本リストにアップされていたので手に取った本です。
テーマは今までにも時折見かけたものですが、やはり実際の取組みを当事者本人がリアルに描いた内容は刺激に満ちています。
そういった多彩なエピソードの中から、私の関心を惹いたくだりをいくつか覚えとして書き留めておきます。
まずは、私立福岡女子商業高校の挑戦の主役、30歳の若さで同校の校長に就任した柴山翔太さんの基本姿勢をうかがい知ることができるくだりです。
そう、“生徒たちに自らの可能性に気づかせ、自分で判断することを求める”、とても大切なことですね。
これはいわゆる「学力」の高低とは全く関係ありません。テストの点数がよくても、主体的行動がとれない生徒は山ほどいます。
柴山さんが実践している小論文の指導スタイルからも、生徒の自主性の育成をとことん重視しているのが見て取れますね。
ここでも、調整するのは生徒自身です。
柴山さんは、生徒が “自主的に判断” し、その目標に向かって歩み始めるにあたって、各自の目標を書き示すことを勧めました。
このあたりの対応姿勢も肩に無用な力がはいっていなくていいですね。
やってみて、合わなければ個別に修正すればいい。一人ひとり考えや性格が違うのですから、無理に同じ思想や行動を求める必要はありませんし、そういった均質的な価値観の強要は、“生徒に合わせた個別指導” の放棄でしょう。
さて、生徒や教職員を巻き込みながらの柴山さんのチャレンジですが、もちろんそれは緒に就いたばかり。
こう語る柴山さん。
目指すべき目標に向かって、柴山さんと福岡女子所業高校のみなさんが成しつつある現在進行形の変貌ぶりが大いに楽しみです。