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辛いと幸せのあいだ
永遠に続かない事は分かっているけど、自衛する夏は一段と厳しさを教えてくれます。マスクの中の湿度と気温が高すぎて、通勤したらシャワーを浴びたい気持ちになります。
でも、これは最近自分がちょっと太ってきたからそのためのダイエットなのではと思うとなんだか前向きに汗をかきたい気持ちにもなります。
まぁそんな余談は置いといて、僕ら美容師の職業とは、目の前のお客様への継続的な美の提供が仕事であり、身なりというカテゴリーの中ではかなり比重の高いところを占めていると自負しております。
でもそれはお客様が来てくれることで初めて成り立ちます。お客様が来てくれなければ僕らの仕事は宝の持ち腐れであり、提供することすら憚られます。
お客様が来ない時人は、辛い、苦しいなどいろんな感情がごちゃ混ぜになり、なんとも言えないもどかしさや行き所のない感情が蠢き、自己嫌悪に陥ってしまうケースがあります。そしてちょっと先の未来が描けなくなり、不安が襲いかかってきて、あたかもこの世の終わりかのように考えてしまいます。もちろんそう思わない人もいるかと思います。
逆に、お客様が来てくれた時の喜びや嬉しさはこの上なく、それこそ全力投球以上のエネルギーでお客様をキレイにそしておもてなしをしていきます。キレイでいて欲しいし、喜んでもらいたい。そして喜んでもらえた時の幸せ感はこの上ないものであり、生きててよかったとさえ思えてきます。
この事象って美容師だけじゃなく、さまざまな場面で起こりうるし、実際はもっと些細なことで一喜一憂しするし、感情は時に激しく振幅します。
よくよく考えると、このことって本質的には裏表みたいな関係性なんじゃないかなってふと思うんです。
辛さや不安の中には、実はチャンスやヒントが隠されていて、それが見つけらるのかそれとも見えずにそのままなのか。一方で喜びや幸せの中には、リスクが潜んでいて、それが見えるか見えないか。
感情のコントロールなんてだいそれた話ではなく、多角的な思考は選択肢を広げてくれます。その選択こそ辛いと幸せの棒一本の意味なのかなと思います。
棒を一本足すことで正反対の意味になる言葉には、きっとどこかそう言った裏表みたいな関係性を昔の人は言いたかったのかなと思いつつ、ダイエットに励みたいと思います。