ハッピーエンドしか書けない。
今年に入ってから、私の書いた短編を読んだ人に、あなたはハッピーエンドが書ける人だ、と言われた。
ハッピーエンドをえがこうとすれば、その幸福を強く印象付ける為にも、展開に緩急を持たせる為にも、その前の段階で悲劇や不幸、なにかつらく悲しいこと、強い負の感情を描くのがひとつのセオリーである。けれども、例えば5000字という制限の中で短編を書こうとすると、その不幸を収束させ幸福に転じさせるだけの尺が足りなくなってしまう。
たまたま私の大学には、5000字前後を基本とした短編を持ち寄り