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わたしは心でいこう

冬になった。

朝は、起きたら必ず窓を開ける。
どんなに寒くても、暑くても。
ここ数日、その空気が潔くつめたくなってきた。
冬です、といいながら頬をさすってくる風だ。

なんだかんだ、ちゃんと決まるまではここには書かずにいたのだけれど新しい挑戦?のような、新しいお仕事をすることになった。
(採用のお知らせをいただいた)

これは私にとっては挑戦でもあり、でも、ずっと前から胸の中にあったほのかな夢でもあった、そのようなことなのです。

ほのかに「やってみたいな」と思っていて、そのためもあって白目を剥きながら国家資格などもとったとはいえ、実際にその機会が訪れるのはもっと先かな?50代?老後?なんて思っていたので、このタイミングだったことは自分でもちょっと驚いた。
良いとか悪いとかではなく、募集を見てエイヤ!と応募した自分にもびっくりした。(もちろん、採用されたのも)

ちなみに、転職するのではなく、いまのお仕事も続けつつ、週に1~2日(の、数時間ずつ)だけ、従事させていただくことになる。

今週はそんなこんなでオンライン選考とかあれやこれやの書類の提出とかをドタバタとしていたら、気づくと舌の痛みがほぼ消えていた。
おや。
脳よ、どうした?
忙しいと痛くなくなるって仕組みかな?ちがうよねー。大丈夫、そんな簡単なことではないのは分かっている。治ったなんて思ってないわよ。
いま、静かなだけだよね。

でもいい。
新しいことを始めようと思った時に、ピリッと痛むのではなく静かになる方向だったことが、わたしはうれしい。

今日、上品先生に会ったがその新しい仕事のことは言わなかった。
(上品先生はそこまであれこれと近況については尋ねない。そういうところもわたしは好きだ)

「今週は、痛みを感じず忘れている時間が長くなりました」
と言ったら、
「そうですか。じゃあ、薬はこのままの量で今回は様子見かな……」
と、しばらく、PCのモニター(処方を打ち込む)を見ながらまじめ~な顔をしてじっと考えておられる。
と思ったらいきなり顔をぐるっとこちらに向けて、
「またすこし、楽な時間が増えましたね」
と、「にっ」とされた。
その「にっ」のお顔の感じが、あ、心配してくれてたんですねということのわかる、ほんとの「にっ」だった。

「じゃあまた4日後にお会いしましょう」
すこし良くなっても油断して間はあけず、4日後。わたしの性格を分かっておられる。

一喜一憂せず冷静に、でもめっちゃこまめに状況を共有しようとしてくれる上品先生(そして「にっ」としてくれること)が本当にわたしにはありがたい。なによりの安心材料だ。

わたしは目の病気も舌の病気も「なにこれ?そんなのあるの?」みたいな珍しい(そして治療法がない)やつになってしまい、完治も難しく、なんで……と思ってとても落ち込んだけど、上品先生に出会えたことだけはラッキーだったんだろう。

・・・

いきなりだが、わたしには、昔から尊敬する人が何人かいて、そのひとりが佐藤初女さんという方である。

「森のイスキア」という場所を青森にかまえられ、深く悩める若者たちを受けいれられてきた。なかには、死にたい、もう生きていられない、そんな人たちもいた。
迎え入れ、話を聴く。アドバイスも、解決もせずただ聴くのだ。
(その聴き方というのは、本当にすごいことだと思う)
そして初女さんがていねいに手作りされた食事を共にする。
そして、また、さよならと送り出す。

それだけのことを何年も何年も、お年を召しても静かに行われて、数年前に亡くなられた。


「今の生活ではいけない。しかしこれ以上、自分に何ができるだろうか?」と心の中で自問自答していました。

「そうだ、私にはこころがある。こころなら私にも無尽蔵にある」

「私は心でいこう」

佐藤初女さんの言葉より

「私は心でいこう」

この言葉がなんだか忘れられなくて、そして本当にその後、心で物事をおこなっていかれたところが尊敬するところである。

わたしは一度だけ佐藤初女さんに質問をさせていただいたことがあった。
とあるイベントのなかの、選ばれた質問に初女さんが答えてくれるという企画だったのだが、

「隣人を愛するということはどういうことだと思われますか。つらく苦しい状況の人の隣に自分がいても、その人になにもしてあげられず、無力に思うことがあります。」

そんなようなことをお尋ねした。
(初女さんは、敬虔なクリスチャンである)

すると、初女さんは、しずかに、しばらくじっと考えられたのち、

「でも、自分がとてもつらいとき、「あぁ自分はなにもしてあげられないな」と思って黙ってそばにいてくれる人が隣にいてくれたら、それだけでもとてもありがたいことなのではないでしょうか」

と、そんなことを答えてくださった。

その言葉は、ずっとわたしの胸の中にある。

無力でもそばにいる。
ただ、つらい気持ちを聴く。
きっとそれは心を差し出すことであり、そして、愛の力なのだろう。

新しく始めるお仕事は、そんなことに関わる内容の相談員なので、あらためてなんだか思い出して、心なんだよな、と思ったりした。

・・・

ところで今週に入ってから、頭痛が続いている。
ロキソニンを飲めばいくらか和らぐけど、またすぐに痛くなって、つらい。
ほぐし処とか整体にも行ってみたが、そもそもその頭痛はどうやら肩や首のこり、そして、大もとは背中(肩甲骨まわり)のかたさにあるなと気づいた。

先週の土曜、こまちゃんが「まりこ先生って知ってる?ストレッチのYouTubeがすごくきくからよかったら見てみて」とおすすめしてくれたことを思い出す。

お風呂あがり、まりこ先生の動画を見ながら、「身体がかたすぎてこの人と同じ姿勢がとれない……まずこんな風にあぐらがかけない……」などと四苦八苦しつつも、できるかぎりで真似をしてみる。

時間が短いし、とても分かりやすくやりやすい内容なので無理なくストレッチできた。そして、とても気持ちが良かった。
(ちなみにわたしはストレッチとか運動がめちゃ苦手で、ぜんぜん続かないし、普段はやらないし、モチベーションゼロの人間です)

肩甲骨まわりが楽になった感じがあって、夜、とてもよく眠れた。そして今朝も良い感じである。
しばらくは続けてみようと思う。

ちなみにわたしがやったのは、これと↓

これです↓

・・・

ちなみにタイトルの写真は、娘がたててくれたお抹茶。茶道部なのでよく家でもお抹茶をいれてくれる。ありがたし。