●新刊 『言語 この希望に満ちたもの--TAVnet(タブネット) 時代を生きる』 野間秀樹 著.北海道大学出版会
●2021年7月1日発行 『言語 この希望に満ちたもの--TAVnet 時代を生きる』 #野間秀樹 著.#北海道大学出版会 四六判。352ページ https://www.amazon.co.jp/dp/4832934139
*ジャケットの写真は野間秀樹の個展のインスタレーションの写真です。東京銀座、村松画廊。
●ことばのパンデミックを生き抜く--ことばは意味を持たない,それは意味と〈なる〉のである--
国家のことば,言論ジャーナリズムのことば,フェイクニュースのことば,ヘイトスピーチのことば,SNSのことば,いじめのことば,学校のことば,法のことば,学びのことば,言語学習のことば,翻訳のことば,書物のことば,知を形造ることば,...
真偽さえ不確かな大量高速のことばが飛び交う言語危機のTAVnet(タブネット)時代―〈書かれたことば〉たるテクスト(Text)、〈話されたことば〉たるオーディオ(Audio)、そしてヴィジュアルな映像(Visual)がネット上を瞬時に飛び回る―のなかに私たちは生きている。
人類の歴史にかつてなかったほどのことばが溢れているこの時代を、どのように見据え、生きるべきか。〈話す・聞く・書く・読む〉という,日々の言語場を見据えつつ,鮮明に描き出される,ことば,文字,本の力が持つ希望。
『 #言語存在論 』(#東京大学出版会)『 #ハングルの誕生 』(#平凡社)の著者が,ことばの世界の根源から,歩むべき実践のありかたを照らす。 #生きるための言語 。
https://www.amazon.co.jp/dp/4832934139
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●なぜ言語に対する〈構え〉が必要なのか?
●言語の前で武装解除していると、どうして危険なのか?
●なぜ〈話されたことば〉と〈書かれたことば〉の本質的な区別を踏まえねばならないのか?
●ことばは意味を持っていない。意味と〈なる〉のであるとは、どういうことか?
●なぜ〈ことばは意味を持っている〉という幻想が怖いのか?
●なぜ〈意味を持っていることばを、やりとりするのがコミュニケーションだ〉という考えは危険なのか?
●なぜ頭の中にあることばを、外に(ex-)押しだす(press)するのが、表現(expression)だと思ってはいけないのか?
●なぜ頭の中に「在る」ことばと、実際に形になったことばを、厳密に区別するだけで、既存のほとんどの言語論、言語学が崩壊するのか?
●〈言語が実際に実現する場〉=〈言語場〉(げんごば)は、人類史のうちで、いったいどのように変容してきたのか、そして今、どのような劇的な変容を起こしているのか?
●なぜ、言語外現実、言語内のシステム、言的対象世界の3つを区別せねばならないのか? ほとんどの言語論、言語学、言語哲学、言語に係わる言説は、なぜこれらを混同してきたのか?
●ことばのパンデミックとは?
●ことばが、環境的なパンデミックだけではなく、あなたの身体を侵すように、身体的なパンデミックへと至っているとは?
●ことばが速度と量をもって襲いかかって来るとは?
●Text、Audio、VisualがINTERnet上を超高速で自在に駆け巡るTAVnet(タブネット)空間とは?
●〈話されたことば〉であるaudioと〈書かれたことば〉であるtextが自在にその姿を変えながら、一瞬で前景化するレイヤー・オリエンテッド、レイヤー志向の構造を有する、今日の私たちとことばの界面は、何が凄いのか?
●なぜ「前掲書」「ibid.」などという参考文献指示のしかたはいけないのか? また「鈴木1972」や「佐藤2017」などはどこがいけないのか?
●SNSなどで「こういう人は」とか「この人は」などと書くのが、どうして危ないのか?
●言語による疎外とは? 言語疎外論とは?
●言語のメルトダウンとは?
●ドラマで恋人に語っている「愛してるよ」ということばは、実はあなたに向けられている。それはどういうことか?
●なぜ言語の〈同席構造〉を知らないと危険なのか?
●なぜ言語の〈とりあえず在ることにしてしまう機能〉〈言語の存在化機能〉に注目しなければいけないのか?
●「日本語」と呼んでいるもの、それはどこからどこまでなのか?
●憲法の「国民の基本的人権」などということばは、私たちからいったい何を奪っているのか? それがなぜ少年少女たちの心を侵すことばなのか?
●ニュースの出だしの「厳しい日韓関係は」とか「日中関係が悪化する中」などいうことばだけでもう、私たちの思考のプラットフォームが造られている。「厳しくないのでは」とか「悪化などしていないのでは」と疑うだけでは、本当に怖いものは、全く見えていない。本当に怖いものとは? ことばによる思考のプラットフォームは私たちにどのように強制されているのか? そこに働く言語の存在化機能とは?
●なぜ「奴らは敵だ」という〈奴らは敵だ話法〉のみならず、「○○からミサイルが飛んで来る」という〈ミサイル話法〉が危ないのか? そして〈勝手に全体化話法〉とは? なぜ「国民の基本的人権」がミサイル話法なのか?
●「将軍様の国」などということばは、何かを批判するどころか、逆に、批判しているつもりの私たち自身を差別主義者へと位置づけてしまう。それはどうしてなのか?
●少年たちも、少女たちも、そして私たちも、なぜ自分たちの辞書を造らねばならないのか?
●言語を単なる「道具」に矮小化する〈言語道具観〉をなぜ撃たねばならないのか? 言語は何かをするための単なる「道具」なのか? その「何か」とは、学問、進学、就職、大学の単位、旅行、趣味、仕事、立身出世、コミュニケーション … 言語をそんなふうに「道具」と位置づけると、何が失われるのか?
●なぜ言語教育は「スキルの教育」に矮小化されているのか?
●言語の教科書、学習書は今、どうなっているのか?
●「この言語はこうなっているから、これを覚えなさい」という形で提起される言語教育の圧倒的な主流には、なぜ反撃せねばならないのか? そこに欠けているものとは、何か?
●言語を学ぶときに、大切なことは、何か?
●〈母語〉とは? 〈母語でない言語〉とは?
●私たちも、そして言語学も、〈話されたことば〉の本当の姿を知らない。それはどうしてなのか? なぜ知っているという幻想に浸りきっていたのか?
●私たちは敬語を目上に向かって使っているのか? 最新の言語学の答えは否である。いったいどうなっているのか?
●「外国語教育」などという名づけ自体がもう危ない。なぜ?
●国家と言語は一致しない。では民族と言語は? なぜ〈国家≠民族≠言語〉という原理が重要なのか?
●言語は〈教え=学ぶ〉ものであるとは?
●文字というものの動的な原理である〈形音義トライアングル〉システムとは?
●対照言語学的な学びとは? なぜそれが重要なのか?
●「言語には差異しかない」とソシュールは言った。その「差異」とは単なる「違い」のことではない。ではその「差異」とはどのようなものなのか? 「差異」を語り「構造」を語る20世紀人文思想は、何を見失ってきたのか?
●なぜ物理的な〈形〉一般=Form(フォルム)と、人が知覚する〈かたち〉=Gestalt(ゲシュタルト)とを区別することが、言語や文字にとって根底的なことなのか?
●対照するとは? なぜ対照すると、見えないものが、見えるのか? 他に照らすとは?
●複数の言語で読むとは?
●日本語ヴィトゲンシュタイン、韓国語ヴィトゲンシュタイン、英語ヴィトゲンシュタイン、ドイツ語ヴィトゲンシュタイン…などというものがあるのか?
●翻訳とは? それは世界をことばで分節することとどう違うのか?
●「名無キハ」と「無名ハ」は違うのか?
●「美しい花がある」「花の美しさがある」そして「花が美しい」--その言語はこれをどう語れるのか?
●翻訳、そして言語間の知における通言語的な明晰性とは?
●翻訳ペシミズムは既に超えられている、それはどういうことか?
●ヴィトゲンシュタインの『言語哲学論考』が独英対訳であることの、何が凄いのか? また、そこに秘められた危うさとは?
●なぜ多言語に触れるのがいいのか?
●なぜ言語間言語、エスペラントか?
●人の世に文字が生まれるとは? なぜ訓民正音=ハングルか?
●人の世に言語が生まれるとは? なぜエスペラントか?
●言語を見据えることが、言語でないものを見据えることになるとは?
●「言は意を尽くすのか」ーーなぜその問いそのものから撃たねばならないのか?
●ディスプレイの表面の書物と、紙の書物は何が異なるのか? なぜ紙の書物を読むことを、ノスタルジアにしてはならないのか?
●今日、〈書物を読む〉とは?
●言語に希望が満ちているとは? 生きるための言語とは?
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●●『言語 この希望に満ちたもの--TAVnet 時代を生きる』野間秀樹 著.北海道大学出版会.四六判.352ページ.本体2,700円
https://www.amazon.co.jp/dp/4832934139
●●「はじめに」を note でお読みになれるようにしました:
https://note.com/noma_h/n/n85f031db5b8b
■目次-----------
はじめに
第1章 ことばを最も深いところから考える――言語はいかに実現するか
1-1 言語はいかに在るのか――言語ハ夢デアルノカ
1-2 ことばには〈かたち〉がある――音の〈かたち〉と光の〈かたち〉
1-3 言語の存在様式と表現様式を区別する
第2章 ことばと意味の場を見据える――言語場の劇的な変容への〈構え〉を
2-1 言語は言語場において実現する
2-2 ことばは言語場において、意味となったり、ならなかったりする
2-3 言語場は猛烈に変容している
第3章 世界の半分は言語でできている――ことばのパンデミック
3-1 言語が私たちの生の隅々に襲いかかる
3-2 言語が私たちを造形する――知性も感性もイデオロギーも
3-3 言語が私たちを抑圧する――物象化することばたち
3-4 言語のパンデミック、言語のメルトダウン
第4章 ことばへの総戦略を――内から問う
4-1 〈問い〉が全てを変える――従順な仔羊から羽撃く鳳凰へ
4-2 拡張の言語――同席構造の言語学
4-3 反撃の言語――存在化機能の言語学
4-4 学びの言語――言語道具観との闘い
4-5 対峙の言語――〈話す〉ことを学ぶ
4-6 連帯の言語――言語は教え=学ぶものである
第5章 ことばへの総戦略を――外から問う
5-1 照射の言語――自らを他に照らす
5-2 展開の言語――翻訳という言語場
5-3 共感の言語――多言語と言語間言語を逍遙する
5-4 創造の言語――ことばを〈かたち〉に造るために
終章 言語 この希望に満ちたもの――やはり、生きるための言語
おわりに
文献一覧
事項索引/人名索引/図版索引
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