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小説

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ショートストーリなどを含め、小説を載せて生きます。それぞれの小説は文字数的に数回に分けて、連載の形になります。ストーリーや登場人物に共感していただければ嬉しいです。
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2022年2月の記事一覧

小説【再会(最終回)】 亜紀の心の声が

 (17)亜紀の心の声が 「ねぇ、千鳥ケ淵に行ったらボートに乗りたいな」 「久しぶりだな…

小説【再会(16)】 お互いの10年間

(16)お互いの10年間 「たくちゃん」 亜紀がゆっくりと話し始めた。 「卒業してからどう…

小説【再会(15)】 10年前のことはこの日のために

(15)10年前のことはこの日のために 「たくちゃん、その服なんとかならない?」 「え?ど…

小説【再会(14)】 10年前の思い出が目の前に

(14)10年前の思い出が目の前に 「たくちゃん、私、誕生日のこと、いっぱい思い出しちゃっ…

小説【再会(13)】 あの時のままの亜紀

(13)あの時のままの亜紀 「たくちゃん、少し歩きたいな」 「亜紀はお腹空いてないのか」…

小説【再会(12)】 時計はゆっくりと戻り始めた

(12)時計はゆっくりと戻り始めた  そのブロンズ像は僕の目の前にある幅10メートル以上…

小説【再会(11)】 ブラウンは亜紀の色

(11)ブラウンは亜紀の色  今回、東京へ来た目的は終えた。結果はわからないが初めて書いた3つの小説は全て出版社の方に渡すだけは渡せた。  緊張感から一気に解放された。脱力感さえ感じていた。急にお腹が空いてきた。ポケットからスマホを取り出し時間を見た。腕時計をつけているのに、ついついスマホに頼ってしまうことがある。スマホの画面を見るとラインにいくつかメッセージが届いていた。亜紀からだ。 「たくちゃん、用事は済んだのかな?」 「さっきまで古書店を覗いたりしていたよ」 「

小説【再会(10)】 出版社へ4

(10)出版社へ4  3つ目の出版社の方との約束の時間は11時30分。近いのだが、少し小走り…

小説【再会(9)】 出版社へ3

(9)出版社へ3  電波腕時計をしているのに、スマホをポケットから取り出して、時間を見た…

小説【再会(8)】 出版社へ2

(8)出版社へ2  出版社の建物の前に立った。約束の時間まであと5分あった。エスカレータ…

小説【再会(7)】 出版社へ1

(7)出版社へ1  僕は、結局、スマホで最初に調べたコースで神保町駅へ向かった。神保町駅…

小説【再会(6)】 亜紀からのメッセージ

(6)亜紀からのラインメッセージ  自ら得ているスマホの情報量に右往左往していると、スマ…

小説【再会(5)】 東京の街

(5)東京の街  僕の学生時代の東京駅とは、大きく変わっていた。駅というよりデパートの中…

小説【再会(4)】 夢を求めて

(4)夢を求めて  学生時代、教員をめざしていたが、心の奥には作家になりたいという思いがあった。それは川の流れに任せ、風に揺られ、流れる方向が定まらない笹舟のようであった。その時々で将来の目標が変わり、しっかりとした意思が持てていなかった。大学生になっても自分探しをしている自分は恥ずかしく、仲間にも相談していなかった。ただ、亜紀には迷っている将来のことを伝えていた。  地元の両親は、公務員になって欲しいと無言のメッセージを常に伝えてきていた。地元の役場の職員になるか教員になっ