大きな玉ねぎの下で(5)
ここは喫茶店のはずだが、これだけある本を自由に読んでもいいのだ。実家の本屋より本が多い気がした。店内をじっくり見渡すと、興味ある作家の本が並んでいる。この喫茶店でどのくらいゆっくりできるだろうか、これから神保町へ行かなければならない。今回上京した目的は、バッグに入っている3つの小説原稿を3つの出版社へ持っていくことなのだ。採用されるかどうかは分からないが、受け取ってもらえることを期待して秋田から出て来たのだ。
テーブルの上のコーヒーを飲みながら、東京駅から神保町駅までの