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まどろむ夜のUFO

恋愛小説が多い、という角田さんのイメージとは違うタイトルだったので
借りてみた。
読み始めたら、煙草を吸う人がやけにたくさん出てきたので
つい出版念を見たら、96年だった。
煙草の害についてはっきり言う人が増えたころである。
学校の職員室などで吸うのを止めようという話が出始める頃。

まぁタバコが物語を動かしているわけではない。

ストーリーとしては、大学受験を控えている夏休みに、弟タカシが
姉ナナコのところから予備校に通うということになる。
弟とは幼いころUFOのことなどを語り合っていた。
要するに大人が知ったら心配するくらいのレベルで。

そんな話はしない弟だが、電車の中で前世に知り合いだったという
怪しい男「恭一さん」と親しくなったり、その男が怪しい茶葉を売っていたり。弟が来て少しずつ日常が変わってくる。

姉の方は、五日おきに会う穏やかなボーイフレンドサダカクンがいるが
とても神経質で、煙草も順番通りに吸うし、本棚もタンスも
自分のルールで整頓されている。
弟が来てしばらくして、彼氏の所に止まる回数が増えていた彼女は
その整頓された空間の本棚やタンスの中身の順序をめちゃくちゃにして
帰る。連絡は途絶える。

不思議な話だった。
壊したいほどの衝動はないけれど、小さく逸脱したい みたいな。


タイトル作品のほかに、短編二つ。



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nobuko fj
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