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手足が冷えるならまず"アレ"をうごかしましょう
こんにちは。
養生担当“ のぶ ”こと千葉宣貴です。
当月も宜しくお願い申し上げます。
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先月は『とりあえず"気〇"を減らせばいいんです』と題して、息を吐いて気鬱や気滞を対策すべきとお伝えしました。
⬇あわせて読んでみてください⬇
在宅医療の現場にたずさわると"手足の冷え"を訴えるかたが多いですよね。
高齢者なら仕方ないと思えますが、最近は若年層でも多いのでかなり危機感をもっています。
慢性的に手足が冷えると身体的不調だけでなくメンタルにも影響をおよぼすことも。
だからこそ当然改善すべき優先順位は高いはずです。
東洋医学からみた冷えの原因
東洋医学では冷えを生理物質(氣・血・津液・精)の絶対量が減少していること。
またそれらが全身をくまなく巡ることができていない状態と考えます。
高齢者と若年層では、その原因と傾向は異なる面があるので分けて紹介します。
なぜ冷えるの?
在宅医療対象の高齢者はとにかく"浮腫"が多く見受けられます。
疾患によるもの、身体活動の減少など様々な理由で高齢者は"不要なものを捨てにくい"カラダに。
血行が不十分だと新陳代謝が停滞し、どんどん冷えの原因が増えてしまいます。
とくに高齢者は日々、身体機能だけでとらえたら衰えていきます。(老化現象)
つまり、東洋医学からみると生理物質(氣・血・津液・精)の絶対量が減少しているということ。
若いときより生理物質をたくさん生成できず、くわえて巡らせるチカラが弱い状態です。
つくれないということは脾胃を中心とした臓腑の機能低下。
また巡らせるチカラが弱いのは、心肺機能が弱まっているからです。
当然ですが若者も同じ原因で冷えます。
ただ主たる原因は老化ではなく生活習慣によるものが大半であり、高齢者に比べて改善は容易。
夜更かしやファストフードの頻食、ジュース・お菓子の食べ過ぎなど、あるあるなことから辞めてみましょう。
養生すればいくらでも変われますよ。
氣血に注目
生理物質の絶対量が減るとかきましたが、手足の冷えではとくに"氣血"に焦点をあてます。
東洋医学からみると
・気血の生成不足
・気血の循環不足
このふたつにフォーカスして養生を提案します。
まずは氣血の化生(生成)をそれぞれ分けて紹介します。
とくに"いつ""どこ"に注目してください。
すると行動やアドバイスがより的確でわかりやすくできます。
氣の化生(生成)
教科書にある基礎を振り返りましょう。
気の化生(変化・生成)には、肺・脾・腎を中心とする多くの臓腑が協調して行われ、気は絶え間なく化生されて充足する。肺・脾・腎など臓腑の機能に失調が生じると、気の化生やその機能に影響を及ぼす。
肺・脾・腎ということは上・中・下焦の三焦が協調しましょうということです。
三焦それぞれの氣
氣は機能により原氣(元氣)・営氣・宗氣・衛氣の4つに分類されています。
原氣は先天の精が源であり腎(下焦)にたくわえられています。
三焦を通して全身に分布し、成長や発育をうながし、臓腑の活動を始動。
人体の根本の氣として生命活動の原動力です。
営氣は脾胃(中焦)で化生された氣。栄養豊富で血の一部として脈中にはいり全身をめぐります。
宗氣は水穀の精微と自然界の清氣が合わさり化生された氣。胸中にあつまり心肺(上焦)活動を支えます。
最後に衛氣。これは活動性が高く動きがはやい性質をもちます。
血脈内に拘束されず、外は皮膚や肌肉から内は臓腑に至るまで全身にくまなく分布します。
西洋医学における体温調節をはじめとする恒常性や免疫に関係の深い氣です。
また腎にある原氣をはたらかせるには、はじめに心肺機能(宗氣)を引き出す必要があります。
それにより心包からの相火は膀胱経をとおり、右腎で命門の陽気としてはたらきます。
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まとめると、呼吸運動から正すことでこれら4つの氣は協調しあうのです。
このことについては、以前かいた記事に"横隔膜"をキチンとうごかす重要性を紹介しました。
⬇あわせて読んでみてください⬇
精から氣の化生
氣は腎にたくわえられている精は、"原氣"を化生します。これが各臓腑の生理機能を発揮させる原動力(臓腑の氣)としてはたらきます。
つまり、腎を養う必要があります。
まさに高齢者の老化はここがキーポイント。
冷え対策は補腎が必須なのです。
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飲食物からの化生
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