叡智
今回は、以前投稿した日記「不滅」の続編になります
こちらの日記の中で、「ウスズミの果て」というマンガを取り上げたのですが、
こちらのマンガをテーマに、さらに日記を書いてみようと思い、続編になる紹介記事を作りました
「ウスズミの果て」に関する重大なネタバレを含みます
「ウスズミの果て」は、突如襲来した怪物により厄災が発生し、ほとんどの人類が滅亡した後の世界を舞台にしたマンガで、
主人公・丑三小夜は、厄災により、体に結晶が出来て死亡した人間の遺体を回収・埋葬する任務を行いながら、各地で生存者の痕跡を探しています
実は、小夜は、厄災の被害を受けても体が結晶化することがなければ、死ぬこともないように作られた人造人間であり、
人間とはまた違う存在である故に、人間について、詳しく理解しようとするシーンも作中に出てきます
作中に、小夜が、本の回収に来たロボットと共に、図書館を訪れる話があるのですが、
この話の中で、小夜が発したセリフにハッとすることがありました
「この一冊ごとに誰かの意思が詰まっているなんて気の遠くなるような話だな」
「映画だとか 小説だとか 現実の世界でも広すぎるほどなのに、さらに新しい世界を作ってしまうなんて、人間は不思議だ」
読んでいて、すごいセリフだなと思いました
小夜が人間を知ろうとする中で出てきた疑問なのだと思いますが、本当にその通りなんですよね
日々、多くのマンガ・音楽・文学に触れる自分たちは、その作品の奥に広がる世界を想像したりしますが、
そんな自分は、今生きてるこの地球の隅から隅までを知り尽くしているわけじゃないのです
自分の住んでいる星ですら分かっていないことで溢れているのに、さらに物語の世界へと思考を羽ばたかせ、思いを馳せる というのは、
考えを自らこんがらがせて、複雑にしているようにも感じます
それでも、作品の世界に入り込むことに嫌気が差すことはなく、好きな気持ちに変わりはない というのは、当たり前すぎて気付けていなかったけど、人間の一つのミステリーにもなりえますね
でも、むしろ世界のすべてを知らないからこそ、人は物語の世界に夢中になるんじゃないかと考えます
以前、サカナクションの「怪獣」の考察をしたときも、
"この世界は好都合に未完成" という歌詞に、
解明されていないミステリーを思い浮かべる度に来る ゾクゾクッ! という感覚を込めているんじゃないか と解釈したのですが、
地球が未完成である からこそ、その未完成の部分を埋めたい! と人は作品を作り続けるのではないか と感じます
地球の未完成な部分を描くために、物語が生まれ、
今度は、その物語の未完成な部分を描くため、考察や新たな作品が生まれる
今日までの歴史はその繰り返しでつくられてきたのかもしれません
歴史の中でいつの日も探求は止むことはなく、むしろ進化し続ける というのは不思議なことですが、
同時に、それが"人間"の姿である とも思います