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なぜZ世代は“推せる”企業を選ぶのか?─2024年採用トレンド総まとめ。Z世代に響くスタイルマッチ採用とは?【ウェビナーレポート】

2024年、採用市場はさらなる変革期を迎えています。Z世代の価値観の多様化、採用手法の進化、そして企業と候補者の関係性の変化など、これまでの手法や考え方では対応が難しい状況が続いています。特に従来のナビサイトや合同説明会を中心とした採用手法では、もはや優秀な人材の獲得が困難になってきているのが現状です。

そこでNo Companyは2024年12月13日、「2024年採用トレンド総まとめ~Z世代に響く『スタイルマッチ採用』の秘訣~」をテーマにウェビナーを開催。メディア、スケジュール、コンテンツの3つの重要なトレンドを紐解きながら、これからの採用活動に必要不可欠な視点、すぐに実践できる具体的な施策やスタイルマッチ採用について、代表の秋山真が解説しました。

本レポートでは、そのウェビナーの内容を抜粋してお伝えします。

就活・転職に使われるメディアの変化。企業が「認知」を獲得する難易度は上昇

採用市場におけるメディアトレンドは、ここ数年で大きく変化しています。No Companyが定期的に実施しているZ世代就活生へのアンケート調査からも、この変化は明確に見て取れます。

オンラインでの情報収集が当たり前となり、特に就職活動の意思決定期には、SNSを活用して情報を得ています。SNSを通じて伝わる情報、特に社風や具体的な仕事内容、そこで働く人々の価値観といった要素が、入社意向に大きな影響を与えているのです。

そんなSNS時代に求められるコンテンツは、リアリティとプロセス、そして背景です。従来のような整理された企業情報だけでなく、企業の価値観やその背景にある意図を、カジュアルで等身大の形で伝えていくことが重要です。

また、企業に発信してほしいSNSプラットフォームとして、Xが不動の1位を維持しており、これは過去3年間変わっていません。続いてInstagram、YouTubeが安定して上位にランクイン。また、画像コンテンツや短尺動画への需要も高まっており、企業のリアルな姿を知りたいというニーズが強まっています。

このようなメディアトレンドの変化により、企業が採用市場で認知を獲得する難易度は確実に上がっています。かつてのように、特定のナビサイトや合同説明会だけに注力すれば良かった時代は終わり、今はターゲットの特性や時期に応じて適切なメディアを選択し、効果的な情報発信を行うことが不可欠です。

実際、多くの採用担当者が「認知度の低さ」を大きな課題として挙げています。

2018年から採用市場の変化を見てきた私の実感として、SNSの活用度は確実に高まっており、この傾向は今後も継続すると考えています。

SNSの活用は広報と人事が連携した自社アカウントの運用が理想ですが、それが難しい場合は、数十万円程度から始められるSNS広告も効果的です。限られたリソースで認知度向上を実現できる有効な手段といえます。

長く・多くの企業と接する候補者。正しい「認識」
獲得が難しくなっている

採用活動の時期やスケジュールにも、大きな変化が起きています。インターンシップ参加による仕事体験の時期から、実際の選考・内定承諾の時期まで、段階に応じたアプローチが必要です。一つの「点」で捉えず、一連のシナリオとして「線」で捉えたコミュニケーション設計が求められます。

情報収集から意思決定に至る期間は6月から3月までの約10ヶ月。この間、候補者との継続的な接点を設計する必要があります。

長期化に伴い、候補者の心境や重視する情報も変化します。例えば、意思決定期に移行するにつれ福利厚生や給与などの情報の重要度が増す、などです。企業は他社の動向も考慮しながら、段階に応じた戦略的な情報発信のシナリオを構築する必要があります。

同様に、時期に応じて「求められるコンテンツの形式」も変化します。情報収集期には多数の情報に触れるため、タイムパフォーマンス重視の短尺動画。意思決定期には企業に対する理解をより深めるために、詳細な企業情報が得られる記事コンテンツなどです。

成果を上げている企業の多くは、こうしたコンテンツの形式を把握した上で、戦略的な情報提供を実践しています。例えば、noteで詳細な情報を書いた記事を作成し、その記事を「次の選考までにこの記事を読んでおいてください」など、最適なタイミングにあわせて読んでもらえるように積極的に活用しています。

現代の就活生は多くの企業と長期的な接点を持ち、その過程で価値観も変化し、多様化しています。企業が正しい認識を獲得する難易度は上がっており、こうした「認識の壁」が採用担当者を悩ませているのが現状です。

従来の採用活動では短期での採用枠の充足に注力すれば良かったのですが、今は約10ヶ月という長期間で情報発信の内容とタイミングを戦略的に設計する必要があります。

会社紹介よりも社員紹介。選ばれるための
「動機づけ」に必要なコンテンツとは

採用コンテンツのトレンドは、ここ1~2年で大きく変化してきています。最も顕著な変化は、「会社紹介(企業視点)よりも社員紹介(個人視点)が重要になっている」という点です。

大企業の約7割がパーパスやミッション・ビジョンの発信を強化していますが、早期離職は減少せず、むしろ1年以内での離職は増加傾向にあります。その背景には、上司との価値観の違いや仕事の意義を感じられないなど、「個人視点」でのミスマッチが要因として浮かび上がっています。

そのため、会社の理念発信だけでなく、一緒に働く人たちの価値観や働き方も含めた、より具体的なマッチングが必要となっているのです。

特にZ世代に注目すると、この傾向はより顕著になります。人間が幸福を感じる5つの条件(達成・快楽・人間関係・意味合い・没入)のうち、現代の若者は特に後者3つを重視する傾向があります。物質的な豊かさが当たり前となった現代において、彼ら彼女らは「自分に合う人との良好な関係性」や「自分なりの意味や目的」、「没入できる環境」により大きな価値を見出しているのです。

ただし、これらの価値観には「正解」が存在しないため、多くの学生が悩みを抱えています。自分にとっての「良好な人間関係」とは何か、「意味のある仕事」とは何か。こうした問いに向き合いながら、就職活動を進めているのが現状です。

この傾向は、企業選びの基準にも表れています。「どのような企業に注目しているか?」という質問に対し、「自己成長」や「自分のWillが叶えられる」という回答に加えて「応援できる・推せる」企業や経営者、社員を挙げる学生が増加。彼ら彼女らは、画一的なスペック情報ではなく、その企業固有の価値観や環境を具体的に知ることで、自分なりの「正解」を見いだそうとしているのではないでしょうか。

就活生の内定辞退企業数は平均3.4社。企業側からすると、選ばれなければ採用活動は成功しないという構造になっているのが現状です。

売り手市場である今、候補者の選択肢は多く、企業は「選ばれるための動機づけ」が重要です。働く人々のリアルな姿やプロセスを見せることで「応援したい」「一緒に働きたい」という共感を生む。それが志望度の向上につながります。

スペックではなくスタイルによるマッチングが課題解決の鍵

メディア、時期・スケジュール、コンテンツの3つのトレンドから見えてくる現代の採用担当者の課題は、「認知の壁」「認識の壁」「動機づけの壁」の3つです。
採用数を伸ばすためには、これら3つの壁を段階的に改善していく必要があります。企業認知から始まり、正しい理解を促し、最終的に内定承諾へと導く。この一連のプロセスのどこに課題があるのかを、構造的に把握することが重要です。

多くの企業がこれらの課題に直面している理由は、採用ターゲットへの認知・認識・動機づけを「スペック訴求」で行っていることにあります。

スペックとは、業界内順位、従業員数、待遇といった要素のこと。このアプローチでは自社より条件の良い企業に人材を奪われやすく、他社との差別化も困難です。また「待遇」というスペック面を期待して入社した人は、「思い通りのポジションになれなかった」などを理由に早期離職しやすい傾向にあります。

このような課題を解決するために必要なのが、企業と候補者の「スタイルマッチ」による採用です。

スタイルとは、企業・個人が持つ根本的な価値観のこと。企業の場合、「具体的には事業とその背景にある理由」、「社内でよく使われる言葉や人間関係の特徴」、「現場で活躍する人の価値観や仕事への向き合い方」、そして「働く場所・時間に関する考え方」の4つの要素で構成されています。

「人がいい」「成長できる環境」「若手活躍」といった抽象的な表現は、多くの企業が使用している一般的なフレーズです。大切なのは、これらを自社独自の価値観として具体的に言語化し、エピソードやコンテンツとして表現すること。

例えば「成長できる」という言葉一つとっても、企業によって「エンジニアリングと戦略の両方を学ぶ」「自律性を重視した裁量型」「実務量重視型」など、その解釈や実現方法は大きく異なります。

さらに言えば、価値観を言語化しコンテンツに落とし込むだけでも不十分です。

人事担当者、面接官、リクルーター、オファーメンバーなど、採用活動に関わる全ての人が、自社の価値観を具体的なエピソードとともに説明できるようになれるかどうかが、成功・失敗の大きな分かれ目になります。

スタイルマッチ採用を実現するコンテンツ施策

さっそく何か始めてみようとお考えであれば、まずは既存の採用コンテンツを先程紹介した"4つのスタイルの観点"から見直してみることから始め、段階的に効果的なコンテンツ制作へと発展させていくことをお勧めします。

ここでは、自社の魅力を正しく伝え、再現性を高めるための具体的な施策をご紹介します。直近の採用活動から中長期的な採用戦略づくりのなかでお役立てください。

●カルチャーデック・説明会資料
選考時や内定プロセスにおいて自社の魅力を確実に伝えるツールとして、カルチャーデックや説明会資料の見直しが有効です。4つのスタイル(ビジネス、カルチャー、現場、働き方)を言語化して落とし込むことで、より効果的な情報発信が可能になります。

●動画・カジュアルなテキストコンテンツ
情報収集期では、動画やカジュアルなテキストコンテンツが有効です。社員の実際の働く様子を追ったドキュメンタリー動画や、人事担当者のnote発信など、リアルな企業の姿を伝えるコンテンツが強い共感を生み出します。

●社員の関係性を伝えるコンテンツ
近年注目を集めているのが、関係性を見せるコンテンツです。具体的な会話や言葉遣いから、企業における人間関係の特徴や価値観が自然と伝わり、スタイルをより立体的に表現できます。

※No Companyが注目しているコンテンツ
・KDDI株式会社 「THE REAL FEEDBACK」

・株式会社ZOZO 「ゾゾスタッフトーク」

一人ひとりの価値が高まっている時代。
No Companyが描く人と組織の未来

No Companyは、博報堂グループで唯一の採用マーケティング支援会社として、スタイルマッチで組織と人を変えていくことを使命としています。これまでの採用手法では成果が出にくい企業に対し、マーケティング発想で新しい採用戦略を提案します。

戦略立案から実行・支援までを一気通貫でサポートできる点にあり、より効果的で包括的な採用ソリューションを提供することが可能です。

ソフトウェアが中心となった現代のビジネスシーンにおいて、個人のパフォーマンスの差は、これまでの時代とは比較にならないほど大きく開くようになりました。一人の人材が組織にもたらす価値の差は、数十倍、時には百倍にも及びます。そのため、採用活動の重要性は、かつてないほど高まっていると考えています。

採用・人事に携わる皆さまの役割は、非常に重要です。

人の可能性を最大化できる時代だからこそ、採用の持つ意味は大きく、その責任も重大。No Companyは、皆さまのパートナーとして、共に採用課題の解決に取り組みます。

弊社サービスに関するお問い合わせについて

No Companyは、独自のSNS・WEBデータ分析を起点に、理想の人材獲得につながる企業と求職者の価値観をマッチさせる「スタイルマッチ採用」の実現を支援しています。

採用人事向けにご提供する「採用ブランディング戦略ソリューション」では、独自のスタイルマッチメソッドを活用した会社のスタイル=価値観の整理に加え、どんなターゲット層にどんな認識・イメージを持ってもらうのか、どんな接点で何を伝えると効果的かを考え、コミュニケーション施策に反映することで、母集団・内定者・入社層の認識の質向上を図ることができます。

具体的なソリューションや実績事例について知りたい方は、下記URLよりお気軽にお問い合わせ下さい!

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