コーノヒロ(河野博文)

介護の仕事をしながら、文筆活動をしております。文章が中心で、ときに絵も描きます。 コラム・随筆、詩歌、小説など。 歴史、美術、文学、仏教などのコラムも書きます。 心の病、戦争、暴力の問題が主な分野です。

コーノヒロ(河野博文)

介護の仕事をしながら、文筆活動をしております。文章が中心で、ときに絵も描きます。 コラム・随筆、詩歌、小説など。 歴史、美術、文学、仏教などのコラムも書きます。 心の病、戦争、暴力の問題が主な分野です。

マガジン

  • 連載小説『遊行者たちの行方』

  • 物語『賢者とミカド』の続編です。

    異世界か歴史か現世が混じり合うお話の続編。 大陸に新たな「ミカド」と「賢者」が現る?

  • 物語『賢者とミカド』シリーズ・エピソード0

    遠くて近いような、古い時代のようで現代に起きているような、耳で聴いても楽しめる物語。 大陸を平和するために闘いを繰り返す大王「ミカド」と、大陸の北の地に住む賢者「大雪」との対話を描かいています。

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深みゆく秋・井伊谷にて【2023年】

先日、10月中旬、浜松の井伊谷(イイノヤ)を再訪問しました。 ・秋深み 金より重い 稲穂かな 今回は、「井伊谷城跡」のある山を登ってみました。 山頂までの道は、昆虫や小動物の楽園のようでした。至る所に蜘蛛神さまに見張られていました。 人間は、お邪魔させてもらっている気持ちで静かに歩いていかねばなりませんでした。 周囲の草むらからは、昼間でも秋虫たちの声が大きく聴こえてきました。 標高百十数メートルの、小高い山の頂上に到達すると、そこからは、周辺の山々や川、そして稲田や

    • 木の葉舞う季節の再会

      ・木枯らしが 枯葉の花の 舞を魅せ ・秋暮れて 木の葉舞う日の 再会ね 8年前に子猫だった子は、今は壮年期でしょうか。貫禄が出てきていますね。 【了】

      • 枯れても魅せてくれる紫陽花

        明治の俳人・正岡子規の句で 「散る花は 散らぬ花より 美しき」 という作品があります。 これは散りゆく桜の花の美しさを詠んだ句で、自分にとっては、断トツに優れているという印象が最近まではあったのですが、先日、それが覆される体験をしました。 秋の紫陽花との出会いです。 そして、新たな句が思い浮かびました。 ・紫陽花は 散らぬ花でも 美しき ・紫陽花よ 枯れても花の 主役かな ・秋暮れて 枯れても魅せる 紫陽花よ 【了】

        • 身にしむる冷え込みでも  

          11月に入り、木枯らしも吹き、周りの空気が急に冷え込んできました。 秋らしい空気を感じる日が少ないままに、冬に向かうのかという心配はありつつも、季節の移り変わりは確実に感じられます。 周囲の生き物たちは、人間たちとは違い、そんな心配などしていないかのように、いつも通りに自分たちの生を生きている様子です。 ・虫の音(ね)は 微かに響き 身にしむや  ・身にしむや 冷える夜でも 猫来たり ・身にしむや 例年通り 冬が立つ 【了】

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        深みゆく秋・井伊谷にて【2023年】

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        • 連載小説『遊行者たちの行方』
          3本
        • 物語『賢者とミカド』の続編です。
          4本
        • 物語『賢者とミカド』シリーズ・エピソード0
          1本

        記事

          夜長の月光浴と蛙

          ・ 夜長かな 綺麗な月よと 蛙跳ぶ ・ 夜長なり 下弦の月が 空浮かぶ 先週の秋の夜長に、珍しく蛙と出会いました 足元にぴょんと飛びついてきた蛙 ふと空を見上げると、ちょうど下弦の月でした 蛙と月見か月光浴をしてしまった気分でした😳

          十三夜(2024年秋)

          月が綺麗でした。 ・十三夜 透き透る空に 浮かぶ月 ・日は西に 東に月よと 十三夜 ・十三夜 政変ありても 静かな夜

          『それぞれの孤独のグルメ』 感想

          今回は、珍しくテレビドラマの感想を少し書きます。 テレビ東京系列のドラマ 『それぞれの孤独のグルメ』(2024年10月〜12月期の作品) これまでの『孤独のグルメ』シリーズの世界をそのままに、主人公の視点を変えた物語で新鮮な印象でした。 直向きに仕事に臨む職人たちの生き様を丁寧に描いていました。 第一話は、中華料理屋の店主が主人公でした。 これまでは脇役になっていた料理人を主役側に押し上げることで、それぞれが主役で、脇役などいない、同列の主役たちで、この世界は溢れてい

          『それぞれの孤独のグルメ』 感想

          野分すぎても 秋分を迎えども

          嵐過ぎ去りし後、「下弦の月」の前の晩のお月様 ・野分すぎ 静かに光る 月の舟 秋分を迎え、夏と秋の季節を分けるように、台風が過ぎ去っていきました。 それまで、昼間に鳴り響いて蝉の声は、街中では消え去ったようです。 夜になると、コオロギの声が一層響き渡ってきました。 ただ、台風の大風や大雨のけたたましい音に比べると、虫の音が如何に穏やかなことかと感じられるのです。 ・野分去り 季節移ろい 虫が鳴く ・野分去り 虫の音響くも 静かな夜(よ)  しかし、日中は、まだま

          野分すぎても 秋分を迎えども

          都心の避暑地【明治神宮の森林公園】

          神宮にて涼を取る 猛暑続きで 都心の避暑地に逃げ込みました 昨年の五月の新緑の季節以来でした この猛暑の時期も とても貴重な空間でした まさにパワースポット

          都心の避暑地【明治神宮の森林公園】

          空の海を眺め詠む

          先月の台風 日本列島の各地で大雨や落雷の影響がありました。 しかし、時折、雲間の空を拝めるときは とても救いのような期間でした。 たまたま見上げると、夜空に下弦の月が輝いていました。 ・嵐来る 前夜に浮かぶ 月の舟 また、風に吹かれて、流れる雲は白波のようにも見えました。 ・嵐来る 白波立ちて 空の海 古代を生きた「柿本人麻呂」も似たような心持ちで、空の海を眺め、あの「天の海」の名歌を詠んだのか? とも思い馳せながら、新たな句を詠んでみました。 また、どんな状

          晩夏くる 2024年

          台風過ぎても、昼間については、まだまだ猛暑の関東ですね。 ・嵐すぎ まだまだ夏よと 百日紅 ・野分ゆき 晩夏来たるか 法師蝉 しかし、都内でも所々で法師蝉が鳴くのを聴くこともでき、確実に秋が迫っていると実感できます

          「日々是好日」を実感する夏

          天候や地殻変動など、気を緩めにくい状況が続いておりますが、今、このときしか出来ない旅やイベントを、備えながらも楽しみ、必要な経済活動を続けてもらえたらと思います。 行く先々での避難所や帰宅困難者受け入れ可能場所などの確認、飲食品やトイレ用品などの常時確保、携帯電話や携帯ラジオなど通信機器と電池も確認、歩行のときは靴を履き(サンダルではなく)、また、急な停電に備えて、夏場なら保冷剤や瞬間保冷パックなどの用意もしておきたいと思います。 避難しながらの旅となっても、サバイバルを

          「日々是好日」を実感する夏

          原爆の日(2024年8月6日朝)

          核の火がこの世界から消え去りますように🙏 平和の「火」のみが、この世界の夜空に照らされますように🙏 花火みて 戦火を思い出さない 夜が来ますように🙏

          原爆の日(2024年8月6日朝)

          子猫との出会いで変わる世界

          10年ほど前まで、犬派か猫派かと問われると、どちらも好きだと、私は回答していたと思います。 それが、今では、完全に猫派と即答してしまう生き方になってしまったようです。 その切っ掛けとなった出来事が8年前にあったのですが、それについて書き記したいと思います。 それは、2016年の春のある朝のことでした。 もう桜の花は散ってしまった頃だったと記憶しています。  日が昇ったばかりで、近所の住宅街の道を行き交う人の足音はほとんど聞こえてこない時間帯だったと思います。 平日だった

          子猫との出会いで変わる世界

          盛夏(聖火)呼び込む蝉時雨

          関東も梅雨明けしましたね。 先週あたりから、東京都心の所々で、一斉にクマゼミが鳴き始めていたように感じていました。 そして、梅雨明けの前日には、ミンミン蝉の声を聴くことができたので、いよいよ夏本番かなと感じたのです。 ・梅雨明けの 号砲のよう 蝉時雨 ・盛夏(聖火)呼ぶ ミンミン蝉が 歌い出す  ・蝉の音(ネ)と 打ち上げ花火が 夏を盛る 紫陽花の季節は、また来年ですね。 ・紫陽花に 別れを告げる 蝉の声 【了】

          盛夏(聖火)呼び込む蝉時雨

          映画『蛇の道』(2024年公開)の感想【真の蛇の道か?】

          一見したところ、フランス文学の要素を強く感じさせる作品との印象を持った。冷え切った夫婦関係は、フローベール『ボヴァリー夫人』を想起させ、監禁の場面は、マルキ・ド・サドのサディズムの要素を強く感じさせる。 しかし、悲劇や残虐性な要素な部分の中に、コミカルと思える軽い要素も入れてくる不思議な作品とも感じる。 精神の病の問題もテーマにしているというところで、公開前は、約二十年前のアメリカ映画の『ビューティフル・マインド』を頭に浮かべてしまい、対照的な作品になるだろうかと思ってし

          映画『蛇の道』(2024年公開)の感想【真の蛇の道か?】