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namako
2023年2月15日 21:13
あれから10年近くが経った。当時は、なまこの研究については失敗と後悔しかないと思っていた。けれども、苦しいが大切な思い出のひとつとなった。いまでは、なまこをはじめとするいきものを好きだとためらわずに話せる。 いきものについてはあまりうまくいかなかったが、ふと「好きをこじらせずにすんだものはないか?」と考えた。わたしにとって、それは本だった。 本が好きと言ってもとりたてて読書の量が多いわけで
2022年11月18日 06:27
大学では少なからずすごいひとに出会った。たとえば、3つのサークルで活躍する先輩は生物と政策の2つの分野で卒業論文を書いているし、高校生のころから貝を研究をしている後輩はすでに学会で発表を行っていた。同期もボランティア活動をしながら自分の行きたい研究室を目指していたり、毎週のように海へ採集に出かけたりしていた。奨学金を獲得して、アルバイトと学業を両立している人もいる。わたしはただただ彼らの熱意や
2022年10月16日 13:36
わたしはいきものが好きだ。母によれば、3歳くらいまでは怖がって近づけなかったのに、何度か動物園や水族館に連れていくうちに近くで見たり触れたりするようになったそうだ。その後は、金魚やだんご虫、かぶと虫、ハムスターなどを飼ったり、近所の犬を愛でたりしていた。いろいろな動物に興味をもつなかで、とくになまこには愛着があった。松尾芭蕉の弟子で俳人の向井去来が「尾頭のこころもとなき海鼠かな」*と詠んだ