写真整理 Ⅻ 〜懐かしの台湾写真〜
どうも西尾です。
昨日、久しぶりに大阪・日本橋に行ってきました。
電気屋さんにホビー系のお店が多く、平日にも関わらず多くの人で賑わっておりました(私は人混みが苦手なタイプなので、少々しんどくなりましたが笑)。
写真整理 Ⅻ
〜懐かしの台湾写真〜
台東に近づくにつれて夕暮れ空は紫色から徐々に漆黒に移り変わる。
途中の駅で隣の呟きおじさんも電車を降りる。
台東に着くまでに車両の乗客も疎らになった。
電車の中には走行音だけが響き渡る。
レールと車輪の擦れる音、レールの繋ぎ目を通過するときの音がリズミカルな自然の子守り歌のようで眠りそうになってしまう。
車窓を見てもそこには反射して写る自分の姿だけだった。
すっかり日も暮れて夜になってしまった。
花蓮を出発してどれくらい経っただろうか。
電車の速度がゆっくりになってきた。
アナウンスが入り台東に到着することを知らされる。
やっと最後の目的地である台東に到着した。
台東駅のプラットフォームに降り立つ。
台東駅も大きな駅であった。
既に夜となっていたが、気候的には2月であっても寒くはなく過ごしやすかった。
台東の空気は花蓮や台北の空気とはまた違った。
駅のホームから地下通路を通り改札口へと向かう。
駅から一歩外へ出てみると駅前には立派なロータリーが整備されておりバスや迎えの車、タクシーが止まっていた。
台東駅周辺も街になっていたが、台東の中心部は少し離れたところにある。
台東駅から街の中心部へはバスに乗って移動した。
バスに揺られて30分くらいで中心部に到着する。
到着したバスターミナルには多くの路線バスや高速バスが発着していた。
バスを降りると、観光案内所や商業施設があり、旅行者にとっても有り難かった。
台東の街は多くの人や車が行き交い、活気に溢れていた。
目の前にある商業施設を少しだけ覗くとユニクロやマクドナルド、映画館も入っており、地元の若者や家族連れで賑やかであった。
日本ではなく海外のユニクロで商品を確認するのも新鮮なことだと思い少し覗いてみるも、日本で売られていると商品と思いのほか大差がなかったので少し残念な気分にもなった。
商業施設を後にした私は予約をしておいた宿へと向かう。
宿は歩いて数分のところにあった。
2階建て雑居ビルの2階部分ということで外の階段から2階に上がる。
すると、大きな洗面台があり、机や椅子も置かれているのでここが一応ロビーということは分かったが、どこで受付をしたら良いのかが分からない。
受付をしようにも宿の人も他の宿泊客も見当たらないので、誰かに聞こうにも聞くことができない。
そのうち誰かくるだろうと思い、とりあえずロビーのベンチに腰を掛けていた。
数分経っただろうか。
若そうな男女のカップルがやってきた。
宿泊客だろうか。
仲良く喋っているので、声をかけるのは申し訳ないなと思ったが、私もチェックインを済ませたい。
意を決して声をかけてみる。
すると、その男女のカップルはこの宿の人だったようで、その場でチェックインを済ませてくれたのだ。
次いでに部屋にも案内された。
今回は一部屋に二段ベットが四つもある8人の相部屋であった。
しかも、残りの7人は既に予約がされており、地元の高校生が部活か何かで利用するという。
それを聞いて驚いていると、隣の相部屋は空いているからとそっちに移させてくれた。
こちらも同じく8人の相部屋であったが、他に予約客はいないので実質私一人だけの一人部屋として使用できることになった。
何ともラッキーなことであった。
宿のご主人たちはご夫婦なのか、カップルなのか、ご兄弟なのか、は分からないが私のチャックインが済み部屋や設備の紹介を終えると、買い出しに行くと言い、2人でバイクに乗りどこかへ行ってしまった。
バイクは二人乗りで前に男性、後ろに女性が乗り、すごく仲の良いカップルに見えた。
女性の方からは英語が上手だと言われた。
私は謙遜してそんなことはないと答えたが、内心はすごく嬉しかった。
チェックインも済んだのでとりあえず部屋に荷物を置く。
お腹も空いてきたので少し街へ繰り出してみることにした。
台東の夜も色とりどりの看板が煌めき、色々なお店も開いていて歩いていて楽しかった。
商店街か夜市だろうか。
色々なお店が軒を連ねている。
やはり、こういったものは昔から好きだったのかもしれない。
お店を見ているだけでも楽しい。
多くの人で賑わっている。
新鮮な野菜や果物が辺り一面に並べられている。
そう言えば、台北でも花蓮でもこういうところを歩くことが無かった。
実際に歩いてみるとすごく楽しい。
色々なお店も見れるし、そこには色々な人も集まってくる。
幸せな時間が流れていた。
私はここで夕食にたこ焼きを何倍にも大きくしたようなものと、アイスクリームを購入した。
注文する時はいつもカタコトの英語で注文するのだが、何も喋らないと現地の人間だと思われてしまいがちで、今回も現地の言葉で早口で何かを言われてしまう。
英語で注文をすると驚いた顔をされるので、日本人であることを伝えると、さらに驚かれる。
そこまで驚かなくてもいいだろうといつも思うのだが、それにも慣れてしまった。
夕食を買い終えると宿に向かって歩き出す。
途中、バスターミナルの近くの公園を通ると、電車のホームのような所に手作りランタンが何個もぶら下がっていた。
何とも幻想的な光景であった。
私は夕食を手に持っていることなど忘れて夢中で歩いていた。
地元の子供たちも集まっていた。
少し暗いところにはカップルが座っている。
何とも幸せな空間が出来上がっていた。
事前に調べておけば良かったことだが、バスターミナルがある所は昔の台東駅であったところで、今でも当時のホームや線路が残されており、昔の車両などが展示されている。
昔の面影を感じられる場所であった。
なるほど、どうりで現在の台東駅の周辺は少し寂れた感じがしていたのか。
私は束の間の幸せな時間を過ごした後、宿へ戻った。
ロビーのベンチに座って夕食を食べた。
大きなたこ焼きは冷めていて、アイスクリームも溶けていたが美味しかった。
宿のご主人たちも戻ってきた。
私が夕食を済ませてロビーで寛いでいると、7人組の団体がやって来た。
ご主人が言っていた地元の高校生たちである。
何とも楽しそうだ。
私はあの高校生たちの様な経験をしたことがない。
今振り返ると一度くらいはしてみても良かったのかもしれない。
彼等は宿に戻ると直ぐにシャワーを浴びる準備をした。
シャワーは三つほどしか無かったので当分は使えなさそうである。
私は翌朝シャワーを浴びることにした。
部屋に戻り荷物を整理しベットに横になる。
隣の部屋からは高校生らの楽しそうな声が聞こえてきた。
皆それぞれの時間が流れている中で幸せを見つける。
それが旅なのかもしれない。
今日の出来事を思い返していた。
今日も色々とあった。
嬉しくなった。
私はいつの間にか眠ってしまった。
高校生らの楽しそうな声は夜遅くまで絶えなかった。
続く。
以上になります。
お読みいただきありがとうございました。