果ての塔
この世界が真っ白であったなら
きっと誰も塔を建てることなんて
しなかっただろうな
空も海もない、真っ平らな場所だったら
あの星に手が届くか、なんていう命題は
誰の胸にも留まらなかった
嗚呼
それが神への侵略だと
一体誰が決めたのだろう
貴方ですか
それともあなたですか
色とりどりの絵の具から
掴み出したひとかけらのそれを
辱めだと言い出したのは
この口ですか
その口ですか
果てのないこの世界に
果てを作ってしまったのは
それをよしとしてしまったのは
貴方ですか
それとも
僕等ですか
▼詩集「不幸自慢」
https://nikumaru-shobou.booth.pm/items/1414876
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