無意味?メンタルの強さを比較
ストレスが加わった時に個人差がありますよね
ストレスの感受性の個人差にメカニズムがあるのならば、自分と他人を比較してメンタルの弱い、強いをどうたらと考えるのは意味がないかもしれません。
「急性ストレス下にて過度な情動表出を抑制する分子および神経回路を同定」という東京大学医科学研究所の論文について議論する場がありました。
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00145.html
扁桃体とは、大脳の辺縁系という回路に属する場所で、不安や恐怖などの感情を主に司ることがわかっています。
特に外側核というところでは、嫌な刺激に対する記憶を作る性質があることがわかっていますが、神経ペプチドという分子が放出されることにより、神経細胞(脳とかにある細胞、細胞の上では電気による信号伝達を行い、他の神経細胞ともネットワークを作る)が、ストレスがあった時の感情の出やすさをコントロールしているのではという話です。端的にいうと。
詳細はリンクにありますが、
要するにストレスがかかった時に、どれほど感情を表に出すか(出さないか)という個人差のメカニズムをマウスで特定したよといったことです。
特にここで分泌されるGRP(gastrin-releasing peptide)という神経ペプチドは、ストレスに対する過剰な感情を抑制する機能がわかったという発表です。
このような細かいメカニズムの研究は盛んに行われています。
小学生の時、先生に怒られてショックを受ける子と、受けない子がいませんでしたか?
僕は逆にきつい運動とかがあんまり耐えられなかったです。
その子たちの違いは、今回の研究に当てはまる!と言いたいわけではなく、
同じストレスでも、感受性が違いますよね。
社会生活を送っていると、少しのストレスでも響いてしまう時。メンタル弱いみたな言い方をする時があると思いますが、
ストレスで響いてしまったり、響かなかったりするのは、よくよく考えると、脳の中の分子や細胞の相互関係によって、成り立っているので、
弱い、強いの問題というより、脳の機能の感受性の個人差なのかもしれませんね。
こういう分子や細胞のメカニズムから人間の感情や反応をアプローチすると、自分と他人を比較してそのズレを測るとか意味のない行為に思えてきますよね。