高校受験の倍率の変化から見えるその背景

ここ数年は小学校での仕事が多くて中学生に勉強を教える機会も減りました。最近チラチラと中学校に行ってくれとは言われているのでそろそろ中学校に再び異動になりそうな感じはします。働き過ぎで体調を崩しまして塾や家庭教師も辞めまして数年が経っております。ですので高校受験からここ数年離れておりまして数年間私は高校受験の情報が止まっている状況です。

そんなこんなでニュースで上がっていたので、久しぶりに私が教えていた都道府県の公立高校の倍率をチェックしたんですよ。数年前から倍率をチェックしていなかったので、そこからの変化が分かるなと思ったんです。今までの倍率は全部頭に入っていたので色々と比較して変化は感じたのですが、特に大きく変わっていた所は

商業と工業の倍率が軒並み大きく下がっている

という所でした。数年前まではどちらも倍率は普通科と同じぐらいに出ていたのですが、今年度の倍率は定員割れしている高校が大半でした。こんなに下がっているのか〜っとびっくりしましたよ。数年前は定員割れしている商業科と工業科0でしたからね。地方だともっと倍率は下がってそうですね。理由や要因は色々と頭に浮かぶ訳ではありますが、

今の時代むしろ工業と商業は狙い目

やと思っていました。高校を卒業した時点で何かしらの技術や資格を持っていてそのまま社会で働けるって中々ないと思うんですよ。就職を目標とした話しだけで言えばお金も大学や専門に行くほどかからないですしね。ここから公務員目指しても良い訳です。美容師をやっていた友人が給料の問題で生活が出来ないとのことで金属加工の仕事に転職した事があります。その友人は工業高校卒だったのですんなりと転職が出来たんです。その時に工業高校卒業しているメリットを感じました。工業高校は意外に営業職への就職もありまして周りにも何人かいます。例えば、機械を売るような仕事でしたら工業高校を卒業していると専門知識があるので機械についての説明が出来る訳なんです。

倍率が大きく下がっているのは時代というのもありますがやはり少子化が影響しているのも大きいと感じています。

工業や商業なら入れるかも

っという理由で受験する子も珍しくなかったのですが、少子化で普通科高校に入りやすくなって選択肢として無くなったのだと感じています。例えば、私が塾で受験指導をしていた時に1.4倍ぐらいだった高校が今年度の倍率を見ると0.6倍になっていました。1.4倍って結構な人気なんですよ。それが数年で定員割れの0.6倍とはびっくりですよね。ただ、今年度の倍率を見ていると数年前と変わらない傾向の高校もあります。それは

偏差値の真ん中辺りに位置する高校

です。今の偏差値がその高校より下の子は目標としやすく、反対にその高校より偏差値が上の子は確実に受かるために志望校としやすいのが要因です。今の時代どの大学の指定校推薦があるかで高校を選ぶ子も珍しくないのですが、大学受験の指定校推薦を取るために高校を選ぶ事もあります。要は

大学を視野に入れ指定校推薦を取るために受ける高校のレベルを下げる

という事です。同じぐらいのレベルの同級生と切磋琢磨して指定校推薦を勝ち取るより取りやすいと考えているからです。その流れは私が教えていた数年前からありました。

何にせよあれだけ倍率が出ていた工業高校と商業高校が軒並み定員割れしているというのは大きな時代の流れを感じます。しかも10年とかではなく数年での話しですからね。私は都市部の方で教えていたので、もしかしたら元々この大きな流れは地方では起きていてそれが都市部でも起き始めたという事なのかもしれません。大阪って都市部なイメージあるじゃないですか？数年前に友人に子どもの受験の事でお願いされて倍率を調べた事があったのですが、多くの高校がめちゃくちゃ定員割れしてたんですよ。大阪でこの状況か〜って驚いたのを覚えています。今日の記事をまとめると

高校の倍率から少子化の影響が読み取れた

という事です。そこは専門家ではないのでいつものように大きな事は言えませんが、あくまで個人の経験ではそう感じております。大学の倍率や偏差値を見ても同じような傾向は見えますね。工業高校と商業高校は数年前に比べて狙い目って事です。近年増えている工業高校のデュアルシステム科なんて色々な職場体験を数ヶ月してそこに就職も出来るシステムでとても面白い取り組みです。就職する前から職場の雰囲気が分かって職場の人と知り合いにもなれる訳です。どんな会社だろ？どんな人がいるんだろう？という大きなハードルを高校生活の間に乗り越えることが出来ます。今の時代に合った新しい道だと思います。何かの参考になれば幸いです。

っとここで終わろうと思いましたが、つねまじさんがさらに詳しく解説して下さったのでご紹介させて下さい。とても分かりやすいです。商業の事がそこまで詳しくなくて書けなかったのですが、そちらも解説して下さっています。大阪の高校入試についても詳しく解説して下さり私も勉強になりました。ぜひ見に行ってみてくださいね。