学校で子どもたちを褒める時に気を付けている事
よくある事なのですが、先日こんな場面がありました。ある高学年の女の子が、
「聞いて!テストで初めて95点を取ったの!」
っと嬉しそうに話してくれました。この子は勉強が苦手な子で低学年の時からずっと私の所に来てくれている子です。こんな嬉しそうにテストの事を話してくれたのは初めての事でした。良かったね〜っと答えて本人を労おうと思ったその時、一緒に勉強していた他の男の子が私にこう言います。
「先生!僕もこの間テストで100点取ったんだ!」
よくある場面なんですよ。すごく難しい所ですが、私は大事な所だと思っていて線引きをしています。
へーそっか!すごいね頑張ったね!
とは私は言いません。その時私は、
「今は◯◯ちゃんのお話しを聞いているから後で聞かせてもらうね!」
っとその子に答えてまずは先に言ってくれた女の子の話しを聞いて労いました。その後にもう1人の男の子の話しも聞き労いました。この場面で大切な事は色々とありますが、私が特に大切にしているのは、
誰かと比べるための出来たの報告ではなく、自分が出来たと思ったから報告する
という事を大切にしました。あと順番は守らなくてはいけないという事ですね。例えば、この場面で私が、
「おー◯◯ちゃんすごいね!95点も取れたんだ!頑張ったね〜。そっか◯◯くんも100点取れたんだ。よく頑張ったね!」
っと言う事は出来る訳ですが、これってこの子たちが本来求めてくれている答えになってないと思うんですよ。特に後で100点と言った男の子に関しては、このままでは何だかわざと被せて来た感じになってしまう訳なんです。これがわざとだったかどうかは大きな問題ではなく、大事なのは
そんな事しなくても大丈夫だからしっかり1人1人話しを聞くし受け止めるよ
というこちらの姿勢だと思っています。どのようにしてその答えに辿り着いているのかという事ですが、
テストの点数を子どもが報告してくれるという事柄から逆算して考えています
そうやって子どもの行動から逆算していくと自ずと答えが見えて来ます。1人目の女の子に関しては報告してくれた理由は誰かと比べたものではありません。
今までの自分と比較してこんな点数取れた事がない事が嬉しくて報告してくれている訳なんです
それなのに後から100点取れたと言った男の子と同列で褒めたり認めたりするのは違う訳です。この子が求めているのは今まで一緒に勉強を頑張って来てその姿を見て来た私に対する95点が取れた報告なんです。そこには他の子には見えない一緒に積み重ねて来たものがあります。私はその事に対してアンサーを返す必要がある訳です。
2人目の男の子に関しては一緒に勉強を頑張って来た経緯は彼ともある訳です。その中で彼には後で話しを聞くからと伝えつつ、先に報告してくれた女の子に対して私がしっかり話しを聞いて受け止めて答えている姿を見てもらいます。その中で私は言葉にしなくともこう訴えます。
キミが本当に求めているものはこうじゃない?
っと。誰かと比べるのではなく私は1人1人をしっかり見ているからと行動で示します。この男の子もせっかく点数が良かった事を私に報告してくれようとしている訳ですから、その報告をしてくれる最高の舞台を私は用意してそこで報告をして貰いたいと考えている訳です。大事なのは、
子どもたちの気持ちを受け止めてどう昇華させるか
だと思っています。そのためには自分が何が出来てどうすべきかを常々考えております。その昇華させた子どもたちの思いはいずれ子どもたちの力になっていくと私は信じています。