青磁と歴史と文学と 出光美術館
NHK大河ドラマ『光る君』では平安時代の色彩が鮮やかに表現され『源氏物語』の中の色の意味合いを意識しているのを感じられます。
青磁も源氏物語に登場します。末摘花が秘色(青磁)のような食器(「秘色やうの唐土のもの」(古ぼけて貧乏なのを表現してました)とあり、若菜・下でも青磁色の上着を着た童女とありました。
青磁とは釉薬や粘土に含まれる鉄分を酸素制限し、表面がガラス化することで生まれる陶磁器の総称です。
青磁 世界を魅了したやきもの 出光美術館
第Ⅰ章 青いやきものの始まり —灰釉陶器
西周時代~春秋時代~戦国時代~前漢(紀元前1046年~紀元前208年)の838年間ぐらいのやきもので、灰や窯の温度の変化で偶然に釉薬を発見し作られています。
釉薬の発見が青磁の色につながっていくのですね。
青くないです。灰色、灰褐色、褐色。自然釉の名の通り自然なのだけど、貫禄があります。細かい文様や細工もありました。
この先、きれいな色になっていくのだけど、わたしはここが好きだったな。
原点。原石。偶然。はじまりっていい。
春秋時代には、孔子、戦国時代には孟子に荘子。
始皇帝は、兵馬俑、万里の長城。
司馬遼太郎の『項羽と劉邦』の時代。
四面楚歌で項羽が破れて劉邦の前漢。
中国の歴史ってすごい。ここからなんだ、青磁。
日本は縄文時代から弥生時代。
第Ⅱ章 本格化する青磁の時代 —三国時代から唐・五代をに中心に
南北朝時代~三国時代~南北朝時代~随時代~唐時代~五代時代
(439年~907年)の468年間ぐらいの青磁。
青磁の生産が盛んになり、晩唐から五代にかけての最高級品は「秘色」と称され、青磁の代名詞にもなりました。『源氏物語』の秘色がここで生まれてました。
色が出てきて美しく輝いてきました。
『三国志』の曹操、劉備、孫権の時代を経て、
遣隋使・遣唐使と日本とも関わりが出てきます。
井上靖の『天平の甍』は、773年に唐に留学して
普照は鑑真を伴って
日本に帰ってきます。
弥生時代~古墳時代~飛鳥時代~奈良時代~平安時代。
遣唐使の廃止をいったのは、菅原道真。
まひろ(紫式部)が漢詩文の知識があったのは大陸文化の
影響なんですね。
第Ⅲ章 揺るぎない美への追求とその展開ー宋・元時代の青磁
五代時代~北宋時代~金時代~南宋時代~元時代(907年~1271年)の364年間ぐらいの青磁。
竹のように節もあるし、すくっとしてりりしい。まるみも好き。
3本足とまるみがかわいい。歩き出しそう。
わたしたちがイメージする青磁の青緑色、翡翠の色でいっぱい。やはりこの色には魅せられる。
『源氏物語』が書かれたとされるのは、1003年。
平清盛は、宋と交流していました。
モンゴル、チンギス・ハーン、元。
鎌倉時代には、元寇がありました。
第Ⅳ章 青磁の魅力とその後ー明・清時代の青磁
明時代~永楽時代~清時代(1368年~1912年)の544年ぐらいの間の青磁。青花(染付)がされ、華やかさが増します。
室町時代、戦国の世となり豊臣秀吉は朝鮮出兵し、明国にも手をのばそうとしてました。江戸時代、明治時代、1894年日清戦争。
浅田次郎『蒼穹の昴』の春児は1889年に宦官として入廷してます。
第Ⅴ章 青磁を求めてー高麗、日本、東南アジア
高麗、日本、タイ、ベトナムの青磁です。
細かく描かれている牡丹唐草が上品。人のようにも見えてきてユニーク。
佐賀鍋島藩窯は、将軍家の献上、幕府の重臣や他藩の大名などへの贈り物、鍋島家だけが使うためにつくられた贅沢で豪華なものです。
繊細で美しい。日本の青磁、やはりいい。
重要文化財を含む116点の作品、見応えがあり青の世界の広がりを堪能しました。
皇居、遠足(仕事)で行くところでお弁当食べるところ、トイレのところ。ランで走るところ。好きなところ。
blancheさんのnoteは丁寧でわかりやすいです。正直な気持ちもあり親しみがわきます。
はなえみさんの素直な感想も素敵です。
同じものを見ても感じること、表現が違っておもしろい。
balacheさん、はなえみさん、ありがとうございました。参考になりました。
青磁の歴史と、中国、日本の歴史と文学。
文化はつながっています。広がってます。
色のある世界ってしあわせだ。