くまを食べに。くまは力強くやさしい。
平家落人伝説で知られている湯西川温泉に、くまを食べに行きました。猟師になろうとしていた夫は、猪、鹿、鴨といったジビエが好きで、昨年川俣温泉にくまを食べにいったのですが、そこにはくまはありませんでした。
ジビエ好き、猟師に憧れた夫のお話しと新聞記者の猟師のお話しの読書感想文はこちら。
くまを食べられなかったので、ふるさと納税でくま鍋をいただきました。夫のくまに対する執念は怖い。
湯西川温泉は、秘境のようなノスタルジックな雰囲気があり、囲炉裏端の宿が有名ですが、熊目的なのでお父さんが元マタギの宿、『元湯 湯西川館本館』に宿泊しました。
お部屋は広々とした和室で、川と山を見ることができ静かで清潔でした。
温泉は24時間入浴可能で、常連のお客さんが多かったにもかかわらずひとりで何度も、伸び伸びとゆっくり温泉を楽しむことができました。
露天風呂では、すぐ近くの山の木々がゆれているなぁと思ったら猿がいました。
「イタダキマス」というブランドのニジマス・鹿刺し・鴨のつくね・鯉のあらいと地のものがたくさん。蓋つき鍋は牛肉と野菜の焼き物で、これに野菜の天ぷら、サンショウウオの唐揚げが、一般的な夕食。これだけでも十分。
サンショウウオの唐揚げ。はじめて食べました。小魚のようで骨っぽい感じもねちょっとした食感もあり、味はよくわからなかったけど滋養強壮、疲労回復、身体に良さそうな感じで滋味。美肌にもよいそうです。
お肉がホロホロと柔らかく、脂身もしつこくなく、臭みもなく美味しい!!白味噌の味つけがやさしく、野菜たっぷりで里芋もあまく美味しい。
くまだから、獣だからこそやさしい味に仕上げた心遣いが伝わってきました。やさしい味に感動しました。
〆はご飯を入れて、雑炊にしました。お腹いっぱい!残りは朝ご飯にとっておくこともできるようです。
若女将が、全国旅行支援の手続き等で出張ということで、大女将がひとつひとつのテーブルにご挨拶にきてくださいました。
82歳!!ご主人は70歳まで熊撃ちをしていて、今回の熊も山で捕られた野生のもので丁寧な処理をし、圧力鍋で煮たものとお話ししてくださいました。
常連のお客さんが多く、私たちの後ろでお一人でお食事をしていた年配の男性は、鹿撃ちにいらした方ということでした。
熊肉は日本古来の食用肉です。薬膳の材料としても用いられてきました。熊肉は山肉の中でも特に貴重なもの。 古来より、身体を温め、滋養があるとされています。コラーゲンが多く含まれ美容に効果があると珍重されてきました。
サンショウウオ、鹿、くま、虹鱒、鴨、うし、鯉、野菜、お米、たくさんのいのちと、生産者さん、関わったみなさん。
たくさんのいのちの贈与、ありがとうございました。
食べたからには、生きないと!!
やさしく力強いいのち。
わたしには、代わりに差し上げるものがない。無償の愛だからこそ、きょうもあしたも生きていきます。