「死にむかうこと」を通して「生きること」
題名に惹かれて読んでみたら
小鳥の話ではありませんでし
た。
ですが、ハッピーな気分にな
るとも思ってもみませんでし
た。
『小鳥とリムジン』を読みま
した。
小川糸さんが紡ぎ出す、心に
深く響く物語です。
主人公の小鳥は、過酷な環境
で育ち、人生に絶望しかけて
いました。しかし、ある日勇
気を出してお弁当屋さんのド
アを開けたことが、彼女の人
生を大きく変えていきます。
小鳥とリムジン
小川糸 (著)
小鳥の幼少期は、想像を絶す
るほど辛く厳しいものでした。
母親からの虐待や、大切な友
人との別れなど、彼女の心に
は深い傷が刻まれていました。
そんな彼女が、少しずつ心を
開いていく過程は、胸が締め
付けられるほど切ないもので
す。
しかし、この物語は単なる悲
劇ではありません。小鳥が出
会う人々、特に理夢人という
太陽のような存在が、彼女の
人生に光をもたらします。
理夢人の温かさと優しさは、
小鳥の凍えた心を少しずつ溶
かしていきます。
小川さんは、生きることの厳
しさと、誰かと共に生きるこ
との優しさを、繊細なバラン
スで描き出しています。
小鳥が自分の価値を見出し、
愛することを学んでいく姿は、
読む者の心に希望の灯りを灯
します。
この物語は、どんなに辛い過
去があっても、未来には幸せ
が待っているかもしれないと
教えてくれます。
小鳥の成長と癒やしの過程は、
私たちにも勇気を与えてくれ
るのです。
『小鳥とリムジン』は、傷つ
いた心が少しずつ癒やされて
いく様子を、優しく、そして
力強く描いた作品です。
生きることの美しさと、人と
人とのつながりの大切さを、
静かに、しかし確実に伝えて
くれる、心温まる物語なので
す。
・名言集
「もしも、コジマさんの体が
衰弱して、この先思うように
口から食べられなくなっても、
生きている限り呼吸は続く。
息を吸うことで、香りを吸い
込むことはできる。」
この言葉は、小鳥がコジマさん
のためにアロマオイルを使って
ハンドマッサージをしているシ
ーンでの気づきを表しています。
香りの力を通じて、生きる希望
を見出す瞬間が描かれています。
「自由ってさ、空気みたいに
あって当たり前みたいなつも
りになっているけどさ、本当
は当たり前じゃないんだよね。」
これは自由の大切さについて
の深い洞察であり、私たちが
普段当然と思っていることが、
実は貴重であることを思い起
こさせます。
「嫌だって感じることは、ど
んなに小さなことでも、絶対
にしちゃダメ。」
理夢人が小鳥に伝えるこの言
葉は、自分の感情や境界を尊
重することの重要性を強調し
ています。
これは人間関係においても大
切な教訓です。
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