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自分の足で歩くこと
「Yさんには、ずっと自分の足で歩いて欲しいんだ」
80代のYさんは、自宅の前で、つまづいて転んでから毎週の通院に奥さんが付き添って来られるようになった。
付き添いの奥さんも80代。
背筋もピンとしている。
奥さんは、年をとっても自分の足で歩きたいからと筋トレをし、夜ぐっすり眠るために日中は動いて、なるべく横にならないように頑張っていると話してくれた。
以前のYさんは、お話し好きで若い頃の仕事の話しやイケメンな自慢の孫の話しをしてくれていた。
ところが、転んでからというもの、話しもこちらから振らないと話さなくなり、歩き方もなんとも力が入っていない感じがする。
動作もゆっくりとなり、奥さんにいつも叱られている。
「この人、動作がどんどんゆっくりになって。看護師さんが来るから、上着を抜いでたらって言っても、まだ脱いでないの」
自分のことは自分でしたい、いつまでも歩いていようと思う奥さんと、病気もあり、あんまり動きたくないYさん。
転んだことがYさんの自信や元気を失っていることに少なからず影響している。
週に1回、通院してくるYさんに冒頭の「Yさんには、いつまでも自分の足で歩いて欲しいから、足の運動を一日1回からでいいからしてみて」と、足の運動を一緒にした。
翌週、声をかけると「やらなきゃなって思ったけど、しなかった。」って。
奥さんは「病院で言われた運動しないの?」と、声をかけてくれたようだ。
それから毎週、病院に来るたびに声をかけている。
相変わらず、家ではしていないみたい。
それでも、病院の待ち時間で運動を始めた。
私も反省です。
もっと早くから足の運動をすすめていたら。
Yさんが転ぶことも、もしかしたら防げたかもしれない。
『たら、れば』言っても仕方がないけど。
元気な体を維持する行動。
気づいた時がはじめ時。
どんなことも習慣化するには、時間がかかる。
私達から見たら、たった5回、テレビを見ながら足を上げるくらい簡単に思えることも、それすら大変になる。
もしかしたら、必要性を感じていないのかも。
今さら、運動しても効果はないと諦めているのかもしれません。
それでも「Yさんには、いつまでも自分の足で歩いてほしいから」
(他の病気がないかなど、合わせて検査もしています)
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