2023年 ベスト本
今年読んだ本は、80冊。
80冊の中からベスト本と聞いて真っ先に、頭に思い浮かんだ2冊を紹介。
無人島のふたり
この本は、同僚にすすめまくった(すすめられた人はみんな読んでくれた)
「がん」と診断され、治療の選択をし、のちに余命宣告をされ、治療の場、緩和ケアへと舵をきり、最期までを綴った作家山本文雄さんの日記。
優しいご主人に感謝し、何度も話し合い、決断、支え合う様子が刻々と記録されている。
どんな状況も、ご自身がしっかりと意思をもって決断されていた。
日本では、病気を抱えた本人と、死について話をすることや話し合うことに、まだまだ抵抗があったり、すべてを話さない傾向がある。
しかし、山本さん本人が決断するには、医師から治療の詳細や将来的な見通しについて話しがされていた。
しっかりと情報を持って、ご主人と相談し決断されていた。
すべての人に訪れる死。
それまでの過程を本人・家族や医療者を含めた周りの人たちと話し合い、看取るもの、看取られるもの、双方が後悔なく終末期を過ごせたらと強く思う。
終末期医療、意思決定、患者の気持ち。だれが読んでも参考となる1冊。
電車のなかで本を読む
島田潤一郎さんの作品はどれも大好き。
必ず手にしてしまう。
この本はパラっと開いたところから読んでも、どこから読んでもいい。
何度読んだか。
繰り返し読んでも、優しさと同時に思いの強さを感じる。
島田さんが、高知のフリーペーパーに連載されていたもの。
あとがきの中で、高知に関わる仕事をしたいと思っていたこと、本を読む習慣のない高知の親戚のために書かかれていると言われている。
親戚・家族・本・読書など、島田さんの周りに対する愛が優しく伝わってくる。
押しつけではない。でも、芯を感じる。
こんな豊かな気持ちを言葉にできるなんて。島田さんも哲学者の言葉に同感したそう。
すべてに自身の考えがちりばめられている。
本を紹介しながら、そこから考えたこと・感じたことをわかりやすい言葉で表現されている。