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感想『変な家』雨穴

雨穴『変な家』の感想です。
雨穴さんはネットを中心に活動するホラー作家で、
WebライターやYoutuberとしても活動されています。
本作は、Youtubeで話題となった『変な家』の完全版です。

不可解な間取りに隠された真相とは…。
台詞を中心に進行していくので、
普段小説を読まない方や、小説を読むことに苦手意識のある方でも読みやすい作品です。

こんな人に薦めたい・・・
▼最初から最後まで、ぞわぞわっとしたい方に
▼ホラー小説やミステリー小説が初心者の方にも
▼小説を読むことに苦手意識がある方にも


『変な家』あらすじ

知人が購入を検討している都内の中古一軒家は、開放的で明るい内装、駅から近く自然も多いという好物件。購入を迷う理由は、間取りに示された"不可解な空間"。設計士に間取り図を見せると、他にも家中のそこかしこに"奇妙な違和感"が存在する。なぜこの家には窓が多いのか。なぜ寝室と脱衣所の間に壁が無いのか…。たどり着いた真実は、信じられないものだった。

『変な家』感想・レビュー

1. 台詞メインで読みやすい

物語は台詞を中心に進行していくので、サクサクと読めます。普段小説を読まない方や、苦手意識のある方にも読みやすい作品です。
とはいえ、息を飲むようなゾワッとする展開が続き、始終ドキドキしました。個人的には、鋭く刺されるような「ゾクッ」ではなく、じわじわと冷たいものが押し寄せてくるような「ゾワッ」という感じがします。

2. 綾辻行人「館シリーズ」を彷彿とさせる

本作は間取りに示された建物の構造から、謎を明らかにしていきます。
建物の構造に仕掛けがあるミステリーといえば、
綾辻行人さんの「館シリーズ」を思い起こしました。
不思議な形の間取り(建物)、そこに仕掛けられたカラクリ、設計者の思惑や意図、背筋を走るゾワッとした感覚…。
『変な家』がお好きな方には、綾辻さんの「館シリーズ」もお薦めしたいです。

3. あとがきに記された「ゾワッ」

読む前にぼんやりと結末を想像していましたが、想定外の結末。思わず「なるほど!」と呟きました。個人的には、ハッピーエンドかなと思います。
ただ、あとがきを読んで「ゾワッ」としました。
読んでいて気が付かなかった、一つの可能性。
これが憶測ではなく真実だとすれば、ハッピーエンドではないかもしれない。
読了後にゾワゾワを増幅させる、素敵な「あとがき」でした。

『変な家』感想まとめ

台詞が中心で読みやすい作品です。しかし油断して読むと、背筋が凍るような「ゾワッ」がじわじわとやってくる。フィクションなのに、ノンフィクションのような現実味があるところも「ゾワゾワ」ポイントです。

サクッと読めて、ゾワッとする。
とても読みやすいので、ぜひ幅広い年齢層の方に読んでいただきたいです。


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