人の【価値観】から市場と購買モチベーションを解読する
マーケティングの基礎をコトラーから学んでいこうという企画。
今回は人の価値観や心理に基づいて、市場と消費者の購買動機を解読していく。
本題に入る前にまず、知っておきたいマーケティング用語がある。
【サイコグラフィック】だ。
サイコグラフィックとは
サイゴラフィックとは、心理面や性格の特徴、ライフスタイル、趣味嗜好、価値観などのデータのことだ。
ちなみに、サイコグラフィックの対照として、挙げられるものにデモグラフィックというものが存在する。性別や学歴などの事実情報のことだ。
デモグラフィックについては以下の記事でも触れているのでよかったら参考にしてみてほしい。
これらを踏まえて、
消費者市場をサイコグラフィックで細分化してみる
消費者市場の細分化の基準には様々なデータが利用されるのだが、
その一つとして、
価値観とライフスタイル(つまりサイコグラフィック)で
消費者市場を細分化することができる。
以下、消費者を8つに分別した結果である。
またその中でも、高資源所持者と低資源所持者で大分される。
(1)高資源所持者
①革新者
購買傾向:収入の大部分をファッションや交際費、娯楽に充てる。
特徴:成功者、教養がある、リーダータイプ。自尊心高い。
購買傾向:高級かつニッチ志向の製品やサービスを好む。
②思索者
特徴:内省的、良識派、生活満足度がすでに高い。
購買傾向:製品の耐久性、機能性、価値を重視。
③達成者
特徴:成功者かつ目的達成志向タイプ。ライフワークバランスを求める。
購買傾向:承認欲求が高いため、周りにアピールできる高価な物を求める。
④経験者
特徴:情熱的、衝動的タイプ。多様性、刺激を求める。
購買傾向:収入の大部分をファッションや交際費、娯楽に充てる。
(2)低資源所持者
⑤信奉者
特徴:保守的かつ現実的。伝統を重んじる。
購買傾向:なじみがあるゆえに国産品や昔からあるブランドに惹かれる。
⑥懸命者
特徴:流行に敏感、娯楽好きだが節約家。
購買傾向:プチプラでも高級品に劣らないスタイリッシュな物を好む。
⑦創作者
特徴:現実主義者。自らの手を使って働くことが好き。
購買傾向:実用的、機能的な目的を果たす物を好む。
⑧生存者
特徴:受け身で保守的。変化を望まない。
購買傾向:お気に入りのブランドがあり、一途に利用し続ける。
では、彼らの購買モチベーションになっているものとは?
続いては購買モチベーション、つまり何を動機に購買行動を起こしているのか?を解明したい。
消費者は自分がどうありたいかに基づいて購買することも多いため、これらを知ることは企業にとって非常に有益である。
日本において購買モチベーションは3種に分けられる。
「伝統」、「達成」、「自己表現」である。
※①の革新者と④の生存者は3種に当てはまらないため割愛
「伝統」
伝統的ステイタス、所属集団に対する強い忠誠心を重視。
「達成」
社会的達成感、時間効率性を重視。
「自己表現」
レジャー・ファッションに高感度で、質の高さより個性を重視。
3つのグループそれぞれが、購買によって実現させたいことが全く異なることがわかる。製品志向から市場志向に変化した今、企業は、消費者の購買モチベーションから徹底的に意識していかなければならない。
以上のように、消費者がどういった価値観を持っているのかを理解することとで市場を細分化することができる。
また、この細分化は文化に応じてカスタマイズされることが多い。(人間の価値観の根本は、ほとんどの場合生まれ育った国で形成されるので)
自社の製品をどの国に販売したいのかということを考慮した上で、その国のターゲットの心理をリサーチしつつ、どの層にアプローチすることが自社にとって最大の利益を発揮することができるのかといったような見極めも必要なのかもしれない。
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