【仕事日記#3】女カリスマ上司のハートをキャッチ
はじめての仕事って、いくつになっても緊張しますよね。
電話研修に苦しんだ後だけに、カスタマーサポートとしての実戦デビューは気合が入りました。反面、僕は新人としてはあまりにマイペースな行動を取ることになります。
うまくいくかは不安でしたが……それが結果として、望んでいた仕事への道を切り拓いていくことになりました。
まず、マニュアルをぶん投げます
教えてくれた上司には悪いのですが、自分の言葉で勝負することにしました。これは僕の長所であり短所でもあるのですが、人と形式的に接すると緊張してしまうのです。
販売もクレーム対応も、相手と仲良くなるのが世界共通の万能スキル。相手を和ませる方向全振りでいきました。マニュアルを読むより、スキを突いてちょっとボケるほうが気楽です。(向いてるやり方が良いですよね。)
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結果、初月から成績は人並みレベルに。
研修のときは評判がだいぶ悪かったので、同じ部署の人たちも少しは見直してくれたかもしれません。
こっそり別業務に着手する
僕はもともと紹介で会社に入って、いつかはWEB集客を担当するという目標がありました。カスタマーサポートはあくまで下積み。本命のポジションを狙う動きをしなければならないのです。
とはいえ、僕は新人でまだまだ素性を怪しまれている身ですから、不用意に動くのは禁物です。
「広告の予算ってどうなってるんですか?」
なんていきなり誰かに聞こうものなら、こいつ会社を乗っ取ろうとしてるぞ!と警戒されてしまいます。
長崎の青年から仕事を奪い取る
いろいろと考えたあげく僕が手をつけたのは、部署内でめんどくさがられている広告業務はないか?ということでした。広告に関しては専属担当がおらず、みんなで分担していたので、中にはイヤイヤやっているヤツもいるだろうとふんだのです。
結果、一部の商品LPがほとんど放置されていると分かりました。惰性で更新してるから文章も写真もヘンだし、内容が古いし、問い合わせフォームも壊れてる。どこをとってもクッチャクチャの仕上がりだったので、担当(長崎の居眠り青年)に「手伝います」と申し出て改修に着手。元が元なので結果は目に見えてよくなりました。
”なんちゃってIT”でチームに文明をもたらす
平行して、所属しているチーム内の信用を取りに行きました。
ベイビーさん(リーダー)も他メンバーも、接客は一流ながらPC作業はポンコツで、顧客情報の取り込みにもゴリゴリの手作業、鬼ゴピペで対応していました。
なので、簡単なツールをつくって「CSVコンバーター」とか偉そうに名づけて共有してみました。チーム内にこっそりExcel中級レベルがいたらバレるハッタリですが……原住民たちは無邪気に大喜び!!!
その後、LP改善で顧客の質も良化すると、部署メンバーの目がガラッと変わりました。
これで、プリズンブレイクの準備が完了です。
上司のハートをキャッチ
「nemuさんほぼ業者やん……」
チーム内でも、特にベイビーさんはまるで転生したかのように僕を評価してくれるようになりました。誇張でなく、僕を呼ぶときの語尾が「nemuさん」から「nemuさぁん」に変わったほど。
やっぱり、どんな環境でも他者へのリスペクトが大事ですよね。いくら文章力なら勝てる!と思ったからといって、
「トークスクリプトが分かりづらいので改善しては?」
だと危ない。相手の得意領域に口を出さず、相手がより苦手なものを楽にしてあげる、のほうが喜ばれるんじゃないでしょうか。
”引きの美学”でその時を待つ
この一件があってからというもの、ベイビーさんは
「絶対nemuさんは集客専任がいいですって!接客うまくないし!」
と方々で進言してくれるようになりました。接客うまくないは余計ですが、カリスマの援護射撃は頼もしすぎます。
その後、僕はカスタマーサポート&集客の二刀流になり、9:1、7:3、5:5…と徐々に業務割合をシフトしながら、約8カ月ほどをかけて集客専任の座をGET。やっと希望の仕事につくことができました。
根回しも大事ですが、もっと大事なポイントは一度も自分から「集客やりたい!」と言わなかったこと。
あくまで周りの人に言わせることで
・下積みがイヤなだけのでは?
・やっぱり会社を乗っ取ろうとしてるな!
の誤解を回避したかったのです。
めんどくささ満載の空気読みこそが日本。
誰に教わった訳でもないですが、もしかしたらニート時代に将棋やってたのが生きたのかもしれないですね。