[翻訳手帳]#3 ワクチンは副作用か副反応か?
この翻訳手帳は、ぼくが韓国語の翻訳をしていて、「あれ?」と思った表現などを書きまとめたページです。
最近、新型コロナに関連した記事を翻訳することが多いのですが、いくつか気がついとことがあります。
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医療関連の言葉も、その国で使われている「決まった表現」があるため、その表現に合わせる必要があるということです。
例えば、コロナ19という表現です。
これは新型コロナウイルス感染症の略語で、Coronavirus disease2019(Covid-19)を日本語にしたものです。
韓国でもコロナ19(코로나19)と呼んでいます。
ただ、日本ではあまり使わないようです。
韓国語のコロナ19(코로나19)を日本語に訳す場合、新型コロナウイルスか、新型コロナと訳す必要があると思います。
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コロナの記事を訳していて気がついたことですが、ワクチンによる副反応のことを韓国語では、副作用(부작용)という言葉を使っています。
調べてみたら、日本では医薬品は副作用、ワクチンは副反応と使い分けていることがわかりました。
英語だと両方とも「Side effect」という言葉を使いますが、日本では薬害の歴史もあって、厳密に使い分けしているのだそうです。
医療関連の翻訳も、やはり十分な基礎知識が必要であることを実感しました。
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日本語では「世の中が動いたり、劇的に増える」という意味で「波」という言葉を使うことがあります。
新型コロナの流行も、劇的に増える時期を「第1波、第2波」というように呼んでいます。
韓国語だと、4次大流行(4차 대유행)と表現します。
日本語で4次大流行と訳しても間違いではありませんが、違和感が残ります。
訳していて違和感を感じるのは、日本語としては間違いではないが、日本ではあまり使われていない表現だからです。
こうした表現はとっさに出てこない場合が多く、後で書き直すことが多いです。
また、コロナによる感染者数を発表するときに、「午前0時の時点で」という言い方をしますが、韓国語では、「午前0時基準(오전 0시 기준)」というように、基準という言葉を使います。
こうした表現の違いは、ひとつひとつ覚えるしかありません。