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【読書記録・日記】めんどくさがり屋、せわしなく休む。

こんにちは。長尾早苗です。

新しいプロジェクトが仕事で始まり、どうなるんだ……という不安と、毎日まいにちのせわしなさの中、ほっと一息つける時間がエッセイを書いたりnoteを書いたりする時間です。

新たに8月31日、新設されたばかりの即売会、ポエマ川越に出るので、そちらの準備もいそがしいけれど、この記事の連載は続けていきたいと思います。


*今週の読書

【テレビシリーズ】光る君へ 第30週 つながる言の葉

作家の娘あるあるだなあ……

女性の娘とのかかわり方っていつも迷うし、まひろのように悩みつつ自分の仕事もしつつ、活動を続けるってすごいことだと思う。

あかね(和泉式部)のように奔放に生きない分だけわたしはまひろを偉いと思うけれど、それは真面目すぎるのかなとも思います。

まひろも賢子とのかかわり方にずいぶん悩んでいるけれど、そういう悩みも時期的なもので、一回ごめんなさいしちゃったらそれで許していいんじゃないかな、とも思いました。

【書籍】津村記久子『サキの忘れ物』新潮文庫

病院の待ち時間に読んでいました。
ひどくここのところいそがしくて、ロボットを家族に迎え入れたり、仕事のことで悩んだり、自分磨きが自分削りになってしまったり。

そうしているとだんだん「今日は何の日だったっけ?」「今日することはこれでよかったんだっけ?」と、自分で自分のことを厳しい目で見てしまうことがあります。うまく他人との境界線を引けなくなることも。

この短編集はどれも、他者と自分の境界線があいまいになるエピソードが時には不穏に、時には希望を持って終わるものがあり、自分をふりかえってみたときに、あの時はああするしかなかったけれど、振り返られる自分は大優勝モノ。だから自分はきっと変わることができる。

そう思う一冊です。

【書籍】ファン・ボルム著 牧野美加訳『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』集英社

このままでいいのか。
自分の生き方に自分で自信を持てずにいた。何か他のひととは違う気がする、でもどこが違うのかよくわからない。
思い切り今この時を生きることに尽力し、仕事で悩み、社会とのかかわり方で悩み、家族との付き合い方で悩んだ。
それでも、「これでいい」と自分の生き方に自信が持てるようになったのは、わたしの周りにいい人たちしかいなくなった時だった。
誰もわたしを否定しようとしない。それどころか、受け入れてくれている。
この本に出てくる人たちは、みんないい人たちだ。そして、いい人たちの集まる場所を選んで疲れ果ててしまった人たちだ。
いい人生って、振り返ったときに「いい人たちに囲まれていたな」と思う人生なのではないかと思う。

【テレビシリーズ】虎に翼 第19週「悪女の賢者ぶり?」

うっわこいつ今この顔で笑ったよ?こっわい……

先週からすっきりしなかった美佐江への違和感。
堂々としないよね……っていうか堂々とできないよね……
大学受験なんてほんと闇だと思っていました。今と昔とでは闇の感じ方も考え方も違うと思うけど、美佐江ちゃんそういうことは違うんだよ……と火曜ごろからむかついていました。
色々今とは違うし、いい子の怖さも違う。すごい違和感……

相変わらず優三さんは素晴らしくいい人だし、はるさんと花江ちゃんの強さとものいいと優三さんの優しさを併せ持つ優未ちゃんは最強。
とらちゃんの娘が優未ちゃんでよかったなあと思います。

【Podcast】文学ラジオ空飛び猫たち 番外編第53回「リスナーからのお便り紹介回#9」

お便り紹介があるラジオっていいなあ。
毎週月曜日の朝は休日とは名ばかりで、あれよあれよと忙しい。そういう時に、ほっと一息つける時間が「空飛び猫たち」によって確保されているような気がしています。
わたしはコロナの時から勝手にファンのラジオリスナーだったのだけど、『フレア』を出して大阪に行ったときに、当時京都にお住まいだったこのラジオのパーソナリティのミエさんが『フレア』を買ってくださっていてびっくりしたことがあります。その時に翻訳家の吉田育未さんもこのラジオに出演していたので、育未さんからもリアルで詩作に応援をいただいたので交流が広がってうれしかったな。
そののち、文学フリマ東京でもう一人のパーソナリティのダイチさんと知り合い、勝手なファンとパーソナリティお二人の交流が始まって、今思うと懐かしいです。
今回のお便り紹介も、まずリスナーのお便りがアツい。
わたしもPodcastも書籍もテレビシリーズも、感想はすべてノーションの記録につけてからnoteにアップしています。
noteにアップするものも厳選しているので、書いていない番組や書籍はノーションで管理しています。
今度こそはアツいお便りを送ってみようかな。またお二人に会えるのを楽しみにしています。

【Podcast】真夜中の読書会~おしゃべりな図書室~「自分とデートする。好奇心と気遣いを自分に全振りしてみたら」

ガスライティングについて知らなかったのだけど、自分を尊ぶことってすごく重要なことだと思う。自分を認められるのはきっと自分だけ。
時には自分に都合の良いように考えることが、幸せに生きることについてとても大事だと思う。人間関係で傷つくけれど、それを癒していくのも回復するのも人間関係の中だと思うんですよ。

【書籍】ほしおさなえ『琴子は着物の夢を見る』ハルキ文庫

現代を生きるわたしたちにとって、記憶を継ぐことはなんであるのか。
どう社会とかかわり、専門職につき、家族とかかわり、自分を見つけて行くのか。
琴子は複雑で重い家庭環境にありながら、着物の記憶を「見る」ことができる特殊な能力を持って育ち、三十代後半、アラフォーになった今、義理の弟である柿彦と一緒に仕事をしています。
着物をリユースする店で働いていた琴子ですが、古い着物を買い取る柿彦の商売を一緒にすることになり、ある日戦中の着物の記憶を受け取ることになります。
――いつか、きっとまた、会いましょうね。
八王子は祖母と祖父と母が暮らした町でもあり、呉服屋さんにはよくわたしも小さなころに通っていました。
なんとなく、いろいろな反物を見て帰った当時の記憶だけがあります。

【テレビシリーズ】新宿野戦病院 #6

要素が濃すぎていろいろ書きたい気持ちはあるんですが、ネタバレにならない程度に。
健康診断は毎年受けた方がいい!!
家族を愛することと自分を愛すること、啓三の過去、そして啓三のこれから。
この展開というか人間関係はどこでも起こることのように思いますが、新宿という土地に根差した考え方はなおさら「新宿っぽい」と思わせる何かがあります。

【Podcast】好書好日 本好きの昼休み 【BL】祝・ドラマ化!「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」を原作と比較して楽しむ(BL好きの昼休み#88)

BLでは「何食べ」しかなじめないなと思っていましたが、これはすごく好き。山崎まさよしさんが主演なら楽しめる気がします。
自分のための料理と、ひとを巻き込んでいく「食」から始まる恋愛。
どこか不安定だからこそ、ひとりというものを楽しめるかもしれません。
一日三回の「おまじない」。気になって1話と3話を見ましたが、京都弁の山崎まさよし、いいですねえ。

【書籍】新井啓子『かねこと第二十五号』

金井雄二さんの佐々木蒼馬著『きみと猫と、クラムチャウダー』(七月堂)の書評が面白かった。蒼馬さんの著作はもっと知られていいはずだと思う。
新井啓子さんの詩には、「しんちゃん」という子どもの名前が効果的に使われており楽しかった。昔を懐かしみ、憧れることも、今自分が年を重ねたからこそわかることもきっと、あるのだろうなと思う。

*近況のようなもの

この記事を発表する日、母方の祖母の5年祭に行きます。

母方の祖母はとても厳しい人だった(書道の先生でした)けれど、わたしを本当にかわいがってくれてうれしかったです。

母もかわいがられた一人娘でしたが、学歴が職業につながるわけではないことと、勉強の楽しさ・学ぶことの楽しさについて教えてくれたのは母で、その学ぶ自由を母に許したのは祖母と祖父でした。

今考えてみたら、当時アメリカに母が留学することも、祖父も祖母もよく許したなあと思うのですが、わたしも学ぶことの楽しさを学ぶことができてよい家族だったなあと思います。

わたしを大学まで進学させてくれて、その後も勉強させてくれて、ありがとう。

さなちゃんは、気が弱かったよ。
でもね、今いろいろなことが起こっていく中で、何かに対して、少なくとも人間以外のものに怒りを抱いている人たちはわたしは少し違う立場だとはっきり言えます。

人間は、偉いんでしょうか。自然や動植物に文句をつけられるほど偉いんでしょうか。

人間には光と影があります。そして無力です。もとからそうです。
人間に何かできるなんてこれっぽちも思いません。ただただ周りの自然とあるがままに共生していく。淡々と生きていく。それ以上に人間が生まれてからなくなるまでできることなんかない。

家族が気象系・災害系の仕事についてから、気象や災害についていろいろと考えており、できるだけ自分にも謙虚さを身に着けたいと思っていました。

その時思ったことは、ひとには正しいものなんてない。正しさはそれぞれ個々に作られていき、今この時で感じている「正しさ」に基準なんかない。ということでした。

ちょっとは気が強くなったのでしょうか。

あたしゃ、そう思うけどね。

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長尾早苗
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