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【読書記録・日記】めんどくさがり屋、のんびり過ごす。

こんにちは、長尾早苗です。

信濃町から帰ってきて、すぐにいったところが新宿、下北沢だったので、世の中ってこんなにいそがしいものなのか、、とびっくりしました。

信濃町と新宿では流れている時間が違うように思って、横浜に帰ってきてもポエマ川越の準備をしながら、どこかのんびりしています。

ということで今週の読書です!


*今週の読書

【テレビシリーズ】光る君へ 第32週 誰がために書く

ようやく光を手に入れましたな
誰のために書くのか。作家にとって大事な使命です。娘のため、自分のため、読者のため、自分が書いたものを多くの人に読んでもらいたいという願い。
人には光と影があって、そのどちらもとあわいを書くことによって物語は成立する。源氏物語を帝が愛したことも、彰子の女房としてつかえることも、まひろにとっては重要な決断だったように思います。

【Podcast】文学ラジオ空飛び猫たち 第166回コペンハーゲン三部作を翻訳者と語る「結婚/毒」トーヴェ・ディトレウセン著(ゲスト:翻訳者 枇谷玲子)

女性詩人の夫には、普通の感覚を持っている男性はつとまらなかったのかもしれないなと思います。
わたしも1番目の夫に本当に同情しますし、トーヴェもわたしもそうだけどとっても身勝手。その身勝手さをわかりながら、最後までトーヴェのいうことを聞いてくれたのだからものすごくいい夫だったんじゃないかと思います。
わたしだったら自分より若い詩人と結婚したい・一緒に暮らしたいとはどうしても思えないんです。なぜかというと、彼らの創作の道を守っていたいから。自分を先輩として見てくれるのはありがたいけれど、彼らになんらかの創作上の影響を与えてしまったら、自分の生活と切り離して詩人を見ます。
トーヴェが詩人として間違ったことというか、人間として、一人の女性として間違ったことを最後までトーヴェは気づかずに没してしまったのかもしれません。
それは、今一瞬一瞬を大切に生きること。たぶん、それを繰り返していったら、薬物依存による自分の存在意義への疑問は生まれなかったように思います。

【テレビシリーズ】新宿野戦病院#9

挫折や落ち込みをしっているお医者さんは強い。だからこそ一緒にがんばろう。
患者から医者が癒されることもあります。どちらも正しいとはいえなくて、医者が不養生だったりすることもあって、亨先生はまだまだ道の途上なのだなと思いました。
みんなが訳ありだからこそ、聖まごころでできることはある。でも決して、安心できる歓楽街ではないような気がしています。

【書籍】バルバラ・ボンディ、バルバラ・フォン・ヴルフェン、ハンス・ハイゲルト著 石田喜敬訳『ミヒャエル・エンデとの対談ーー「はてしない物語」の著者を語らせる試み』

エンデの考えるはてしない物語においての幻想的なものと、芸術における考え方について。
エンデがなぜはてしない物語においてこだわり抜いたのか、彼が目指したファンタジーはどこに行き着くのかを考えるよいヒントになった。
執筆する時、エンデは何に重きをおいていたのかも理解できた。

【書籍】ユルゲン・クレッツァー著 石田喜敬訳『芸術は移し替えのプロセス…ミヒャエル・エンデとの対談』

エンデにおいて彼が体験した戦争とはなんだったのか。第二次世界大戦と、西ドイツ・東ドイツにおけることを、エンデ本人として芸術との相関関係を述べていることが非常によかった。
単に戦争について語ることだけでなく、わたしたちの子どもや孫の世代まで、今を生きることで未来に残せるものはなんなのかを考えた。

【書籍】アストリート・ブラウン著 石田喜敬訳『ミヒャエル・エンデ インタヴュー翻訳 アストリート・ブラウン著『E.T.A.ホフマン,ティーク,そしてカフカとの「親近感」』』

映画になる時のエンデの芸術との考え方について。エンデは「はてしない物語」の映画化について、かなり厳しい意見をもち、訴訟に発展した。
終わりというものがないのがファンタジーとするなら、それは単なる成長物語ではないのかもしれない。
どんどん連綿と生き続け、語り継がれることが物語だとするなら、それはアメリカのティーンエイジャーを意識して書かれていないというエンデの厳しい意見にどこか納得してしまう。

【書籍】文藝春秋2024年9月号 特集「芥川賞発表」

紫衣さんの「迷夢」、朝比奈秋さんの「サンショウウオの四十九日」、松永K三蔵さんの「バリ山行」、吉高由里子さんの「光る君へ」インタビュー、川上弘美さんの選評を楽しく読みました。
紫衣さんはLa Vague同人。散文詩で魅せる夢の物語が余韻に浸れてとてもよかった。
朝比奈秋さんの作品は、消化器科の医者で作家の朝比奈さんにしか書けない作品だなと思いました。生きる意味、自分しかわからない悩み、自分の存在への問題提起を、すごみのあるなまなましい文体と設定で書いています。陰陽はサンショウウオという発想が素晴らしいと思いました。
松永さんの「バリ山行」は単純に面白いと思えるお仕事小説でした。人生は山登り(山行)に似ています。バリ(バリエーション)を繰り広げる妻鹿さんの山行は、生き方に似ていました。たった一人で、誰も歩んだことのない道をかきわけ、進んでいく。そして、ゴールは一つじゃない。会社という社会だけじゃなく、家族も生活も、すべてひっくるめて人生という山行なのかもしれません。
吉高由里子さんの「光る君へ」インタビューは、わたしがただのファンだからというのもあるんですが、撮影秘話がとっても面白かったです。書道もこのドラマには必要ですし、吉高さんが左利きなのに紫式部が右利きだった話は興味深く読みました。

【書籍】一穂ミチ『ツミデミック』光文社

もし、パンデミックがなかったら。パンデミックがなかったら、罪びとにならなかった人もいるかもしれない。
この中に出てくる語り手たちは、みんな信用できない。そういう前提をもとに読み進めてほしいです。
生きている人間の方がいなくなってしまった人間より怖い。そして、パンデミックは誰にも止められなかったし、誰も悪くなかった。だからこそ、人間の業が問われる。
何が正義で何が悪なのか。誰がよくて誰が悪いのか。それを判断するのは人間なのか。そういう根本的なことを問うてくる短編集です。素晴らしくよかった。

【テレビシリーズ】三ツ矢先生の計画的な餌付け。第6話

三ツ矢先生の飼い犬のフリトが倒れてしまって。
三ツ矢先生の唯一の家族のフリト。石田君はスポーツ誌の編集者としてかけまわっていましたが、三ツ矢先生の家にかけつけます。かなり弱っていた三ツ矢先生でしたが、鯛茶漬けを二人で食べることできずなが深まっていくように感じました。
どんな形であれ、ひととひとが支え合って生きることは必要なように思います。

*近況のようなもの

字が汚いのがものすごくコンプレックスだったので、ボールペン習字を始めました。

字が汚いくせにメモをその場でとって書類にすることが趣味なので、この教科書はかなり役立っています。

信濃町は本当にいいところで、地元のみなさんがとても優しかったです。ここから帰りたくないと一瞬思いましたが、いつかわたしも夫とともに、信濃町でいつか暮らせる日が来るのかもしれません。

今週読んだ読書の資料は石田さんからいただきました。エンデのことやエンデの考え方について、とてもよく学び、とてもよく汗をかき、仲間と語り合える時間ができました。

わたしが目指したい生き方のひとつが、トランキラ・トランペルトロイというがんばりやの亀です。

絵本になっていますので、読みたい方はぜひ読んでみてください。

何日、何週間、何年かかっても、自分の道を淡々と進むこと。
そこにエンデが語りたかったすべてがあるように思えます。

多分この記事を更新しているのは嵐のような台風の朝です。
ポエマ川越もどんどん詩人が盛り上げていて、どうなるのかはお天気次第ですが、安全を第一にイベントとしてとても楽しみ。川越のエキナカグルメも味わえたら楽しもうと思っています。


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長尾早苗
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