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なんだって、非合理で、野暮から始まる。

先月からはじめた毎朝の抹茶習慣。
お稽古ではきちんと点前を練習しますが、
家で飲むときは結構てきとーです。

この3ステップで続けていたわけですが、
ある時、茶筅(ちゃせん:抹茶を点てる時に使うシャカシャカするやつ)の先がぽきっと折れていることに気づいて。

うそぉ、まだ全然使っていないのに、、

そんな話を先輩にしてみると、
「家で飲む時も、茶筅通しはしたほうがいいですよ」と言われました。

茶筅通しというのは、お茶碗にお湯を入れて、茶筅の先っぽを湿らすことです。茶筅をお茶碗の中で往復させたら、くるくる回しながら持ち上げて、先っぽの様子をチェックする。これを3回繰り返したら、お湯のなかでシャカシャカ振る。茶筅を取り出して、お茶碗を2周まわして温めてから、お湯を捨てる。

この、お湯で温める作業をすると茶筅が柔らかくなって、お茶を点てるときにシャカシャカしてもポッキリ折れにくくなる。ついでにお茶碗も温められるから、お湯を注いだ時に温度が下がりにくい。

そういえば、レストランでたまに温められたお皿が出てくると、細やかさに感動するよなー。メイン料理が冷めないように、気を遣ってくれてるんだなぁって。


閑話休題。
この茶筅通し、もちろんお稽古の時はやってます。でも、「形式的な仕草だなぁ。なんの儀式なんだろうこれ」ぐらいにしか考えていませんでした。が、ちゃんと意味があった…

細かい作法がたくさんある茶道ですが、何のためにやってるんだろう?を考えてみると、実はものすごく合理的で洗練されている。

「こういうものですよ」と教えられて、「こういうものだから」とやっていてはいけない。何故そうなのか、というのを、ちゃんと考えないとダメなんだ。


で、考えるのも大事なんだけれども、やっぱり失敗をしてみるっていうのも必要で。だって大事な茶筅、丁寧に扱っていたはずなのにポッキリしちゃって、とても悲しかったのだもの。

悲しかったけれど、「そういうことだったのか!」が腑に落ちたし、頭で覚えたものと実体験で覚えたものってやっぱり違うから。


この点前いらなくない?と思ったら、無しで試してみよう。
そうしたらきっと、何かにつまずいて、結局、あぁ、必要なことだったんだなって気づくはず。「決まりだからやっている」が無くなるようにしていきたいものです。習慣の良さは、小さなトライアンドエラーの積み重ねができること。毎日ちょっとずつ。道のりは長いけれど、焦らずのんびり、楽しんでいきたい。

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