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「冬の友へ」

以前こんな記事を書いた。

散歩中に出会う私の「勝手な友達」のことである。
「勝手な」と言ったのは、こちらが出会ったらすぐに
心の中で勝手に友達だと決めているからである。

そんな風にしてできた友達は
今でも私のお散歩を支えてくれている。

この冬、また新たな友達を見つけた。

向こうがどう思っているかはわからない。
こちらがまた勝手にそう思っているだけだから。
でもそれでいい。
向こうに気を遣わせることもなく、縛りがなくていい。
ということでまた懲りもせず勝手に友達をつくった。

彼らがよく出没するのは、大体は家の軒先。
そこで彼らは静かに微笑んでいる。

散歩中にたまたま彼らに出会うとつい嬉しくなって
こちらも微笑まずにはいられない。
同じように微笑み返しをするものの
彼らの微笑には勝てない。
だってまぁ…見ればわかる。
勝てるわけがないのだ。

そんな彼らは、意外とそれぞれが
色んなスタイルをしている。

頭に帽子を被っていたり、バケツを被っていたり
耳が大きい子もいれば、角があるような子もいる。
目や鼻だってもちろん個性豊かで、一人ひとり違う。

そういえば、兄弟も結構多いのだろうか?
基本一人のことが多いが
たまに大人数でいる所も見かける。
大家族なのかな?友達で集まっているのかな?
とにかく、集まっているその姿もすごく楽しそうだ。

そしていつも必ず思うのが
なんだかとても、幸せそうなのだ。
彼らに直接聞いたことはないが
自然とそれが伝わってくる。

他には…あぁ、公園にもいるね。
そんな時は勇気を出して近づいてみる。
勝手にこちらが近づいても、決してあしらったりせず
優しく受け入れてくれる。
彼らにはそんな懐の深さがある。

勝手に友達にしてしまってごめんよ。
でもね、みんなと仲良くなりたいんだ。
見かけると、とってもとっても
嬉しいんだ。

しかしこちらがどんなに強く思っていても
ある日突然「別れ」はやってくる。

いつもの時間。
いつものコート。
いつもの散歩コース。

でもいつもの場所に、友達の姿はなかった。

あれ?どこ行ったの?
出かけた?
ここで待ってたら、帰ってくる?

違う。

彼らはとうとう、出発したんだ。

どこに行ったのかは知らない。
けれど姿がないってことは
そういうことなんでしょ?
そうでしょ?

彼らは次の場所へと出発した。
ただそれだけのこと。
悲しくは………ある。
でも、出会た。
少しの間だけでも友達として
出会えたんだ。

勝手に友達。
勝手な友達。

そう。
そんな感じの友達なんです。

だからまた
ひょっこり帰ってきてね。

そしてまた、突然色んな所に出没して
こっちを驚かせてよ。頼むよ。

私の「勝手な」友達よ。



《おわり》

***


お散歩中に出会う「雪だるま」さんたち。
ねじりはいつも彼らから幸せをもらっています。
彼らの可愛い姿を眺めていると
なんだか優しい気持ちになれるのです。

そんな彼らも、突然いなくなってしまうことがあります。
これは仕方がないことだけれど、やはりとても淋しい。
でもそんな時は
彼らは既にもうどこかへ出発したんだと思っています。
自由で縛られない彼ら。
急に現れて、急にいなくなる。
それはいつだって突然です。
別れが辛くならないようにという
彼らなりの配慮なのでしょうか。

それが彼らのスタイルなのであれば
友達としてねじりは、それを大切にしたいと思います。

冬の友達。
勝手にだけど、友達になってくれてありがとう。
本当にありがとう。


ではまた。



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ねじり
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