大藏達雄
心の風通しを良くしたいですね。 自然や文化に触れながら、の~んびり歩いてみましょう。
長く漆器作りをしていますが、器は中の物を大切に守るものです。そして、食文化の豊かな海から、器は誕生してきたのだろうと思います。
メモ代わりでもあります。様々な本の感想などまとめています。
私は根来を手掛ける漆作家で、朱に関心がありました。古代に朱(丹生)は金よりも高価で貴重な鉱物だった、と聞きます。先人の書籍や身近な所から、素人ながら考察してみます。
ーカミさん日誌ー 秋晴れの日、近所の古墳群に出かけました。奈良に行かなきゃ古墳って見られないと思い込んでいましたが、こじんまりとしているものの静岡にも古墳群がありました。(拡大して見ると全体地図が分かりやすい。↓) 向山古墳群の発見 昭和50年(1975年)小学校建設中に2基の円墳が発掘され、副葬品として鉄剣などが出土しました。この後、平成3年(1991年)の市道拡幅工事に伴う発掘調査により、数多くの円墳と前方後円墳が確認されました。さらに、平成16年(2004年)には
上のお椀はほぼ40年前に私が作ったのですが、 家のリフォームに関わってくれる建築士Yさんにご愛用頂いています。 久々に見て、こんな仕事をしていたのかと、我ながら驚きました。 この頃のお椀は、やや直線的な形で塗り立てという技法で作っていました。 古びて傷みもありますが、丁寧に使ってこられた様子がうかがえます。 手に取ると、肌合いが不思議にサラリとしていい感じです。 (これをYさんに読んでいただいたところ、 お話を理解できてないところがあったので、一部修正します。9月4日) 根
ーカミさん日誌ー メンテナンスの必要が出てきて、この家を設計してくれた建築士さんと近ごろよく打ち合わせをします。その後の雑談で、『引き戸とドアとの違いについて』専門家ならではの興味深いお話が聞けたので、再録してみます。 *以下のように表記 建築士…Yさん 、大藏…大クラ ー引き戸は古風か? Yさん:そういえば若い頃は、(住宅の設計をする時に)引き戸ってあまり 好きじゃなかったなぁ。なんだかもっさりしているというのか… 大クラ:あぁ、そうそう昔の家は引き
この本を読んだ大藏の感想の一部を、本を参照しながらまとめました。 サブタイトル 「日本人と食事の文化」 著者 神崎 憲武(のりたけ) 発行 1996年 / NHKブックス〔757〕 「うつわ」を食らう著者の神崎憲武氏は、民俗学者の宮本常一(つねいち)に師事し、研究者として活動し多くの著作もあります。 なお、民俗学とは国語辞典によると、「民間伝承を研究資料として、民俗性や文化を研究する学問。フォークロア。
カレンダーを見て驚きました。なんと、もうすぐ夏至ではありませんか‼ 5月に台風が来たり、朝晩肌寒くてまだストーブをしまってなかったり… 天候不順続きで、季節を見失っていました。(道理で、近ごろスーパーで袋入りの梅をよく見かけるわけです。) これじゃいかんなと思い、夏至を実感できる風景を探してみました。自宅だけではなく、ご近所の庭木も撮影させてもらいました。 柿の葉が緑濃くあたりを覆うと、夏を感じます。 紫陽花は雨の似合う花ですが、ところで梅雨入りはいつなんだろう?
ーカミさん日誌ー (上の画像は山椒の水煮) ここのところ台所が慌ただしかった。 実りの季節といえば秋を思い浮かべるけれど、 意外にも初夏も盛りだくさんで加工に良い食品が出回る。 魚屋から八百屋まで買い出しに行き時にネットで調べ台所に立ち、 大藏達雄は何時間も何日も機嫌よく働いていた。 私(カミさん)は助手なので声がかかれば動く。 汚くなった台所の片づけは私だけど、 出来上がりを食べると改めて季節の恵みは有難いと思う。 「日本に生まれて良かったなぁ!」と二人で箸が進む。
白い紫欄(?)花盛りの庭を見れば、春も過ぎ初夏の景色です。 お休みを頂き、色々考えてみました。 方針は、「ダブルでいこう!」です。 大藏からの聞き書きに加えて、 「カミさん日誌」という私(家内)のページを作ります。 (気ままの八分咲きになりそう…) 区別のためタイトルの頭にKをつけます。 大藏はモノづくりは得意ですが、 順序良く話するのは苦手のようです。 今まではそれを文章に直していましたが、 これからは会話をそのまま再現しようと思います。 ゆるすぎて小さな疑問符が付く内
日差しがすっかり明るくなりました。そろそろ冬眠終了かな? 久しぶりなのでちょい肩慣らし、ぼつぼつとキーボードを打っています。 5月1日再開予定で、中身はまぁ春がすみのかかったものになるでしょう。 今年はホタルイカの豊漁とかで、干物屋さんは新作の塩辛を作りました。 折敷は大藏作の漆器で、フキの葉型のお皿は有本空玄氏作で灰釉のやわらかい緑色がいいですね。
二年十ヶ月という年月は長いのか、短いのでしょうか…? 新型カゼのために経済状態が厳しく、 いくらかでも打開したいと続けてきたnoteでした。 ただそれにも矛盾と限界を感じ、 ここらでしばらくお休みを頂こうと思います。 ゴーストライター お気づきの方は多いかもしれません。「大藏達雄」というタイトルですが、書いているのは本人ではなく、家内である私が代筆しています。大藏作だと思われていた方には、ほんとに申し訳ありませんでした。 とはいえ、漆器制作に関する記事は、大藏の話を
長年しっかり使い込まれた漆器に、 細かなヒビを見つけたことはありませんか? 漆器のヒビの主な原因落としたとか物理的な原因もなく、長年使っていて徐々にヒビが入った場合、器の中ではどんなことが起こっていたのでしょうか? 例をお椀にすると分かりやすいでしょう。漆器の場合、熱々の味噌汁を注いでも手を触れないほど熱くならないのが利点とされます。 けれど、当然ながら器はわずかに膨張します。そして、表面の漆と中の木では膨張率は違い木の繊維が動きます。お椀が長年使用されるということは、
上、中の前2回では、八丁味噌.白醤油(白たまり).酢やみりんを含む愛知の調味料のお話を紹介してきました。 今回は、三人の講演者によるパネルディスカッションです。数か月前なので、どなたがどんな発言をしたのかまでは、記憶にもノートにもありません。ただ全体として印象に残った話を、少しお伝えできればと思います。 〔 パネラー 〕 ○ カクキュー 企画兼品質管理部長 野村健治氏 ○ 日東醸造株式会社 代表取締役社長 蜷川洋一氏 ○ 小判天はなれ 日本料理一灯 長田勇久氏
今回は醤油と愛知の郷土料理の講演です。 両極の醬油を使い分ける愛知の醤油文化お話しされたのは、日東醸造社長の蜷川氏です。 たまりはよく耳にします。濃くて風味が強く、お刺身や握りずしに合うようです。前回紹介した豆味噌(八丁味噌)の樽の上にたまった液体がたまり醤油なのだとか。 白醤油(白たまり)は一説では、金山寺味噌の上澄みが調味料として使用されのが始まりとされており、開発されたのは幕末から明治期だそうです。大豆から作られるたまりとは違い、小麦を主原料(90%くらい)に作ら
8月でしたが、上記タイトルの講演会に行きました。 日ごろなじんでいるのにそう深く知っている訳でもない「醸造」について、愛知県の生産者の方たちから興味深いお話を聞くことができました。 主催は和食文化国民会議で、2013年和食が世界文化遺産に登録され10年目にふさわしい充実した講演でした。 醸造とは「醸造といえばお酒だ…」とつい顔がほころぶのは、私くらいでしょうか。実はお酒だけではなかったのです。醸造とは発酵作用を応用して、味噌.醤油.みりん.酢などを作る工程を意味します。(日
人に秘められた力があるように、器にも意外な力があるかもしれません。 夜な夜な酒と戯れている私のファンタジーかもしれませんが、 何かとたわむれる器は微笑みをくれる気がします。 器はわたし大藏達雄の漆器作品です。(イチョウ皿は除く) 「骨 董 と」では、黒の長板(擎子)に古い皿を乗せています。 「ミニカーと」では、金彩の皿にミニカーを乗せています。 「稲穂と」では、水鏡にした皿ですが、器にはピントが合わずぼやけ気味。 「光と」では、金彩の長板(擎
やっと朝晩は涼しくなって、秋らしく落ち着いてきました。 最近読んで印象に残った本を3冊紹介します。 身近な植物の賢い生きかた 稲垣 栄洋 ( ひでひろ)著/ちくま文庫/2023年6月発行 植物的と言えば、ただ受け身で優しく… こういうイメージが、この本を読むとひっくり返されます。 「植物たちの生存戦略」というフレーズが帯にありますが、生きる厳しさは植物も同じだろうか… いや、動物のように自由に移動できないので手段は限られていて、植物はトリッキーな仕掛けまで各種用
もうすぐ菊の節供ですが、あまり知られていないようです。節供のわりには、何の行事も聞かないし… 3月3日はひな祭り、5月5日は端午の節句、7月7日は七夕…そして、9月9日は菊の節供。「1月7日の七草の節供」を加えると五節句です。恥ずかしながらつい最近知ったことですが、少しお話したいと思います。 五節供とは何かと参考になる和食文化国民会議のホームページから引用します。歴史とその意味について、見てみましょう。 中国には陰陽説という考え方があり、奇数を「陽数」とし偶数を「陰数」