仕組みをつくる
私は仕事やビジネスの文脈で「仕組み」という言葉が大好きです。
外資ITに勤めているので、普段は別の言い方をしていますが、平たく言うと「仕組み」以外の何者でもありません。
ということで、私は年がら年中、「仕組み」について考えています。
それはどういうことかと言うと、私が勤める会社の所属部門には100名以上の営業さんがいて、私は直接的な指示系統には立っていないのですが、幾ばくかのポイントを押さえた所で責任を担っていて、自分のコントロールが出来ない所まで影響力を伸ばさないと目標を達成出来ない為、「仕組み」を利用しないと自分の力を発揮出来ません。
そのため、「仕組み化」というある意味レバリッジのようなものを効かせることにより、自分の力をてこの原理でいう「作用点の最大化」になるようにする必要があると考えています。
その他、「仕組み」の利点としては、他者の能力や背景知識などに関係なく誰でも同じ結果を出せたり、ミスを防ぐことで一定の品質を担保できたり、力点に対して作用点の方が大きいので、時間と労力の節約に貢献すると言えます。
なら、実際「仕組み」というけど、「どうやったらええねん?!」っていう人もいると思います。
結論から言います、方法は多種多様ですが、私の方法で言えば、①目的・②達成ポイント・③プロセスの細分化・④ループへの組み込み・⑤不定期のカイゼン、これだけで実現可能です。
「どういうこっちゃ?!」って人も沢山いると思うので説明します。
まず、目的の明確化です。
「何の為に仕組み化するのか?」のWhyを明確にすることです。
Whyが明確になっていない事により、簡略化する行動が作業化し、方向性を見失う可能性があることから、まず「なぜ?」わざわざ大変な仕組みをつくる必要があるのか、その意味を自分の中で腑に落とし込む所から始まります。
逆を言えば、関与者が自分だけでない場合は、ステークホルダーに対して「なぜ?」の目的を明確化した後に、共通認識を持つ所まで含むと考えています。それは、「仕組み」というある種のシステマテックなものに人を巻き込む礼儀に近いものがあるかもしれません。
次に、達成ポイントについてです。
考えたことがある人も多いとは思いますが、「どういう状態になった時に達成していると言えるのか?」という成功イメージの定義と、「どの係数におけるどの数値を満たした時に達成したと言えるのか?」という係数管理の問題があります。
前者に関しては、状態を表す為、何となくイメージはしやすいと思います。しかし、後者の方が個人的には遥かに重要で、係数を指標化することを言うのですが、係数の特定がとにかく難しかったりします。
ちなみに余談になるのですが、私は自分の人生を指針通り生きる上で、9つの指標を週間で追い掛けています。
9つの指標が月単位で埋まったら一旦、自分は今、「豊かで幸せである」ということにしていて、日々の行動は集約し、収斂した状態になるように設計しているように、仕事・ビジネスだけでなく、自分の人生においても適用できるのかなぁとは個人的には思っています。
では、話を元に戻して、プロセスの細分化ですね。
先ほどの話に戻すと、係数の特定が難しいという話をしていたと思うのですが、これは言い換えると、多数の係数が存在し、複雑系として絡み合っている状態になっている為、全てに相関はあっても因果を掴めない状態に陥っていると言えます。
言うなれば、「ごちゃごちゃしててよく分からん!」って状態です。
これを解決する為には、まず最初の段階で、係数を「インプット」「アウトプット」「アウトカム」に分ける事です。
アウトカムは言うなれば、結果ですね。分かりやすいと思います。
インプットは例えば、営業活動でいう荷電数・アポイントなどに表されるように、何かする初回の行動のことと私は捉えています。
アウトプットは結果に繋がる、インプットに対する出力要素と捉えています。
ここを混同すると、何もかも構造を捉えることが出来ない為、ここを分けることが全ての始まりです。
次に、繋がりの発見です。例えば営業活動でいう所の荷電数×受けてくれる率=話を聞いてくれる人の数といったように、インプットと何を掛けるとアウトプットにつながるのかという中間の因果関係をミニマムで明らかにすることが大事だったりします。
ここで徹底的にすることで、ほぼ分解作業は終了に近付きます。
つまり、プロセスの分解の過程で、係数の構造が分かり、指標化が可能に近付いたりします。その為、この手続きは「仕組み化」には欠かせない行動と言えます。
ここの特に指標の要素には数字が欠かせません。
次の段階として、ループへの組み込みですね。
これは言葉のまま、目的や達成ポイント(アウトカム)に繋がるアウトプットを生み出す根本のインプットを習慣化することを言います。
とても分かり易く簡単な工程ではありますが、ここで大事なのは他者の力量です。
前述したように、一定の品質を保つ為には力量を補う仕組みのプロセスを構成する必要です。
分かりやすい例で言うと、手順書(マニュアル)ですね。
私は文字と文面が理解できる小学校高学年向けのようにいつも丁寧に書いています。と言うより、書くのすら面倒なので、動作を写真に撮ってペタペタ貼るようにして、間違えようのない状態を作っています。
システムでもそうなんですが、設計を行うにあたって、ドキュメントを残すって本当に大事なことで、それは平凡で簡易な表現をしていればしているだけ良いと考えています。
あと、またまた余談になりますが、「仕組み化」って一部の属人化していない業務を効率化するだけでしょ?と思っている人がいますが、これには個人的に異をとなえます。
簡単に言えば、「仕組み化」はみんなハッピーになる為に実施することであり、属人化しているのであれば、属人化しないように腕を捲り上げる人が必要なんだと私は考えています。
最後に、不定期のカイゼンです。
「仕組み」は一回作ったら終わりという訳ではなく、どこまでいっても陳腐化するものだと私は考えています。その為、一定のメンテナンスが大事で、それよりカイゼン活動を不定期で実施することが欠かせません。
まとめると、「仕組み」を構築すると、ビジネスを効率化し、収益構造を変え、成長が見込まれ、労働者も面倒な作業を永遠と続けなくていい、つまりみんなハッピーになることができると私は考えています。
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結果、試行錯誤しないと分からないことも多く、「仕組み」の形も多種多様なので、自分がまずつくれる(自分に合った)「仕組み」を模索していくことが何より最初の一歩として重要なのではないでしょうか。