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小田原評定

 籠城中の城の中家臣一同が主君に決断を迫っている。
「籠城してから早四十日。もはや兵糧の蓄えもなく、このまま籠城を続ければ兵も城内の民も死に絶えましょうぞ!殿は我らがあのような成り上がり者に頭を垂れるのは名門大名の誇りが許さぬと御思いでしょうが、殿を信じてついてきた兵と民の命を思いくだされ!さぁ殿降伏の御決断を!」
 家臣の真摯な訴えを聞いた主君は目をキツく閉じて沈黙した。家臣はその主君の決断を断腸の思いで待った。やがて主君は目を開き「皆の衆聞け」と言った。
「そなた達の訴えよくわかった。皆には苦労をかけた。皆の衆案ずるな、そう余を信じてついてきた兵や民のためにも今から……」
「今から?」
「降伏するかどうかの評定をするかどうかを決める準備をする!」
 主君の話を聞いた家臣は一同顔を見合わせ全員で突っ込んだ。
「戻ってどうするよ!」


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