腰痛にはヨガ?
ヨガを教えていて、腰痛で悩んでいる人がとっても多いなぁと感じます。年齢や職業に関係なく、とにかく色んな方が苦しんでいます。
痛みを感じながら生活していくとなると、軽やかに人生を楽しむっていうことが難しくなってしまいますよね!
身体の要である腰
腰は文字通り身体の「要」で、上半身と下半身をつなげ、ほとんどの動作の中心となっていることも多い重要な部分です。
確かに、座っていても、立っていても、歩いていても、横になっていても私たちは腰を使います。それが腰痛持ちの辛いところでもあります。
腰痛の原因
腰痛の原因は多種多様です。いずれにしろ、腰は人間にとって負担がかかりやすい部分なんです。
それは、二本足で生活することで、頭や胴部の重さが腰に集中してしまうようになったからです。前かがみになったり、中腰になると腰には立っている時の3-4倍の圧力がかかってしまうと言われます。
身体の歪みや背骨の変形など「身体的な要因」は主な腰痛の原因です。姿勢が悪いこと、腰を支えている体幹が弱いこと、運動不足などがその例です。
脚や背中や内臓の調子が悪かったりするなど腰以外の部位の故障や不調をかばうために、腰を酷使してしまうことも身体的な腰痛の要因となります。
ストレスと腰痛
その他にも、ストレスから来る「精神的な要因」も腰痛の大きな原因となります。
腰痛の80%は、病院で検査をしても痛みの原因が特定できないものだと一般的に言われています。そういった原因不明な腰痛には、ストレスなどの精神的のものが大きく関係していると考えられています。
色々な病院での調査結果によっても、慢性腰痛の患者さんは、ストレスがたまっている人やうつ状態の人が非常に多いことがわかっています。
スイスのチューリッヒ大学の調査によると、医学的に「椎間板ヘルニア」として病名や原因が判明している腰痛においても、約75%の痛みは、ストレスや不安から引き起こされていると証明されています。
ヨガと腰痛
このように、腰痛は身体的な要因と共に精神的な要因も大きいことから、身体と心の両面からアプローチしていくことが大切です。
ヨガは他の運動にはないようなメンタルや心への作用があります。ですから、心身両方から腰痛を和らげることができるという面において、とても有効な方法だと思います。
人それぞれ好みも感覚も身体の状態も違うので、一概には言えませんが、私の生徒さん達は、腰痛への効果と共に、様々なヨガの効果を実感しているようです。
「リラックスできる」とか「筋肉がついて、身体のラインが綺麗になった」とか「体力がついた」とか「ストレス解消になり、リラックスでき、スッキリする」などというコメントを良く聞きます。
運動療法
腰痛のためだけではなく、身体全体の健康のために運動は必要です。「腰が痛いから運動したくない」と動かないと、筋力が落ちてしまい、腰にかかる負担が益々大きくなります。
また、運動には、痛みを抑制する働きがあるので、腰痛を感じている時こそ、運動をすることで痛みが和らぐ場合もあります。
運動と一言で言っても色々ありますよね。大きく分けると次の3つのカテゴリーがあり、この3つの運動全てが腰痛に効果があるそうです。
1. 有酸素運動
2. 無酸素運動
3. 柔軟体操
もちろんヨガにも色々な流派やスタイルがありますが、ほとんどのヨガは、この3つのカテゴリーの全てを網羅できるバランスのとれた運動になります。
有酸素運動
有酸素運動は、比較的軽めの負荷を継続的にかける運動のことです。散歩やサイクリングや水泳などが、このカテゴリーに入る運動です。
体力的な負荷が低く、手軽にできるものが多いので、習慣として続けやすく、腰痛解消効果が感じられやすいです。
ヨガは呼吸がメインで、それに合わせて動いていくので、基本的には、有酸素運動のカテゴリーに入ると思います。
無酸素運動
無酸素運動は、いわゆる「筋トレ」で、足腰を丈夫にしたり、筋肉をつける運動のことです。寝たきりにならず、長く健康な生活を続けていくためには、足腰を鍛えて正しい姿勢を保つ筋肉をつけることは重要です。
ヨガにも筋肉をつけたり、無酸素運動のような働きがあります。椅子のポーズや戦士のポーズなどの足腰を強化するポーズも多いことや、プランクポーズや舟のポーズなどコア筋肉(深部筋肉)を強化するポーズを長くホールドすることなどがそういった例になります。
柔軟体操
柔軟体操とは、身体をしなやかにして、ケガを防ぐストレッチのような動きのことです。ヨガが、身体全体の歪みを無くして、柔軟性を高めていく効果があることは比較的良く知られていると思います。
実際、ヨガポーズを通して、骨格や内臓をあるべき位置に戻したり、凝って固まってしまった背中や腰を伸ばしたり、歪んだ骨盤を矯正したりできます。
精神的なアプローチ
ヨガがストレス解消などにも良いことも、世間一般にも良く知られていることだと思います。
ヨガは呼吸が基本です。普段浅く乱れている呼吸を深く規則的に整えていくことだけでも、副交感神経を優位にして、心が鎮まり、リラックス効果があります。
また、ヨガはポーズを通して、自分自身に意識をむけていきます。自分の身体の痛みやコリをもたらすような今までの生活習慣に気づき、それらを少しずつ変えていくきっかけになります。
普段の生活が大切!
腰痛を防ぐには、ヨガをするだけではなく、普段の生活習慣がもっと大切になってきます。現代人は、1日の約60%を座っているらしく、その「座りすぎ」の害が医学的に証明されるようになってきました。
例えば、2012年に英国人約80万人を対象に実施された研究から、長時間座ることによって、糖尿病や心臓病、早期死亡のリスクが最大40%増加することがわかっています。
デスクワークの人は、長時間同じ姿勢で座ってしまわずに、意識的に30分に1度ぐらいに立ち上がって、ストレッチしたり動いていくことが必要です。
座っている時も、背骨をなるべく真っ直ぐにして姿勢を整えることも大事です。私も意識していないと、背中が曲がっていたり、首が前傾しちゃいますが、気づいたらすぐ直すように心がけています。
まとめ
ヨガは身体だけでなく、心への働きかけがあるという点で、他の運動とは異なり、腰痛予防にもオススメです。
私自身もヨガを始めて、腰痛や肩こりがなくなり、ストレスから来る不眠や頭痛や便秘などの症状も無くなり、筋肉がついて、食べても太りにくい身体になりました。一度試してみる価値はあると思います。
何もしなくても負担がかかりやすい腰です。意識しながら、腰の負担を減らし、痛みを感じない軽やかな暮らしをしていきましょう!