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東雲そら
2021年3月19日 18:31
想いを風と光に乗せ春の白昼に詩を綴る光は屈折するもの水が入ったグラスに着地した誤って器に入った水が袖に飛びかかった今は僅かな水滴のみ器に残って光は直線に進むもの矢のように前を突き抜ける渇きはどこへやら濡れた衣服は乾いた過去と決別するよう梢越しに陽を見つめて光は虹のようなもの星彩に青光りまで色彩豊か忘れかけていた七色の表情が反射したその美しさに改めて気付いて
2021年3月14日 19:16
既定通り春は訪れて君が不在の世界でも柔らかな風がそよぐ髪と戯れて頬を掠める最後の言の葉変わらない面持ちと声の高さで君からの「ありがとう」刻々と針は動き2人の思い出はクリスタル色に染まる既定通り春は訪れて君が不在の世界でも木漏れ日は揺蕩うその円形の眩さに記憶の君を重ねる既定通り春が訪れるその前に君は世界から去っていったその事実がガラス色の心に響いて
2021年3月7日 21:41
窓から眺める桃色がひらひら踊った。病室のベッドで足を伸ばす私はそっと手を差し出して窓越しに春を掴む。窮屈な日々が色褪せないのは、一年に一度、君に会えるから。年々、恰幅の良い出で立ちで私を驚かせる。舞う桜との真反対ではドアを開ける音。君がこの小宇宙に入ってきた。今年もまた、一段と背丈が高くなったね。「だって育ち盛りだから。」と切り返す、淡々とした君の言葉選びは嫌いじゃない。「桜が綺麗。」
2020年12月24日 20:15
「wish」「届いて」「境界線」「wish」あどけない笑顔が弾ける今日はクリスマスイブ君が笑うから心がはしゃぐんだ君のしなやかな掌が心を撫でてくれるんだ街を飾るイルミネーションが綺麗だね明日の朝は何を囁き合おうかなんてね怖くはないよ君がいるから弱いところはさらけ出して過去は幸福で塗りたくって未来は雪白より綺麗になるから君の幸せを形成する
2020年6月22日 19:28
君は突然 退屈に支配されていた僕の前に現れた夏のある昼下がり喧騒から外れた場所で出会ってしまった突飛な行動や気まぐれな態度振り回されていては悪くなかったむしろそんな君だから好きだった君と巡った夏祭り 花火の刹那は僕らの恋模様みたい夏の終わりが訪れる前に僕は切なさを知ってしまった出会ってしまったなんて振られた男の強がりだ出会えたが正解だろうな君と巡り逢えたことが
2020年11月17日 20:49
もう会わないよって君は季節に溶け込む風が吹いて思い出は動かないままもう会えないよって言ってくれたら何か期待できただろうか枯葉を避けて道を歩くありふれた今日がまた躊躇うことなく訪れるじゃあねって手を振り合った春の嵐が吹いた日ももう少しだけそばにいてと襟元掴んだ雷鳴轟く夏の日も四季をなぞるように僕らも変わってきたのにねせめて君と冬を迎えたかったもう叶わないのに心だ
2020年10月21日 00:04
季節が巡るありきたりな書き出しから綴るね当然のように地面に降り積もる落ち葉を見ることが堪え難いなって約束されたように散って木枯らしに攫われるんだねああ、いつから心変わりしたの嘘をつくとき唇に触れるそのしぐさだから怖いんだ秋という季節は実りを終えたら手を振ってバイバイ頭を振ってバイバイたゆたう心の動き不変を嫌うのはケースバイケース変化には犠牲がつきものだ
2020年4月3日 19:51
桜の花が咲きました 今年もひとびとの眼と心を奪います スーツを着たサラリーマン、フェミニンな可愛い服を着た女子大生、品の良い老夫婦 みんな桜の花びらに視線を注ぎます 私も桃色のそれに心惹かれますとこしえに愛される桜にさえ嫉妬した、高校時代のクラスメイトの女の子君が歳を重ねる度に失うと勘違いしている若さとか美しさ美貌の喪失に悩む君だから君は確かに綺麗なんだいつ